カテゴリー: マンガ感想

町山智浩-新井英樹対談を聴く

こんなん買っちゃいました。
町山智浩の、漫画師に訊け!新井英樹の巻(全巻セット¥1,100)』
価格分の価値があるかどうかと言われれば、同額の書籍を読む時間と対比すると考えると「ない」と思うし、中身から受けるカタルシスやレア度から言うとかなり「アリ」ですね。

自分は新井英樹の著作を殆ど持っていますし、その全部を二度以上読んでいます。だけど彼の作品は、本来自分の趣味とは対極の世界。普段見たくない世間のイヤな所、人間のイヤな所、殺人、いじめ、不条理、抵抗できない権力や絶対的な暴力、考えるとホントどうしようもなく、答えを出したくないような問題について、イヤでも考えさせられる。最低の世界が全開のマンガです。

でもね、読んでしまう。彼の著作には魅力がある。他の凡百な青年誌アリガチ暴力グロセックスマンガとは違います。要するに「怖い物見たさ」で見てるのではないんです。そこには本当のリアルがある。

例えば『ザ・ワールド・イズ・マイン』では、出た直後に惨殺され、その後一切出てこないような脇役にもすべて「命」を感じます。殺される前の日常描写が異様に執着を持って描かれているからです。それこそこの箇所だけでも、他の追随を許さないくらいに。セリフの1つ1つ、表情、服装、エピソードまでもが、その殺される人を表わすために描かれます。

もちろん主役級に関しては言わずもがな。ああ、こんな人いるよな。でも普通マンガで書かないよな、何故なら楽しくないから(笑)ってキャラクターも沢山出てきます。

これらのこだわりが新井マンガの魅力だと思うのですが、インタビューではその裏の意図について、どういう気持ちで書かれたかについてが、本人によって語られています。

何より意外だったのが、新井氏が弁が立つこと(笑)。町田氏のラジオをそんなに聞き込んでる訳でもないshiroにとっては、最初町田氏と判別が付かない位に、ちゃんとしゃべる。「そのように書いた意図」ってゆうのは、話したがらない漫画家もいる訳じゃないですか。しかし彼はちゃんと理論立てて、しゃべることができる。すごい。

個人的には『宮本より君へ』の話題があんなに聴けたのが意外ですっごく嬉しかった。あの衝撃のラストは実は○○○によるものだと分かったり。『ザ・ワールド・イズ…』と『キーチ!』の比較だとか、それによる『キーチ!vs』の今後の展開だとかの話も、まずここでしか聞けないんじゃない?裕木奈江擁護論だとか、あの人のモデルが高田純次だとかって話は笑い転げるほどウケた。

で、町田さんの解説がウマイじゃないですか。ファンが聴いててカタルシスを感じるツボを分かってて、誘導してる気がする。それに新井さんもちゃんと答えてる。いやーこの人には、もっとしゃべって欲しいなぁ。なんてゆうんだろう、下手したら軽くなりがちだったり端折らなければならなかったりするヒトや世間の「本質」的な話ね、そういうのがすらすらと出てくるのがすごい対談ですよ。

これは絶対活字よりも音声の方が面白いね。イイ企画でした。
新井英樹ファン限定ですが、オススメです。

関連記事
新井英樹ブーム
キーチ!ショックとパーム最新刊の製版

『娚の一生(2)』『とろける鉄工所』

西炯子『娚の一生(2)』

前回書いた感想は撤回。スマンかった。オノ・ナツメとかのアレでは全然なかった。

この50代オサレオヤジ「海江田」はリアルなのか。

勿論全然リアルではない。リアルではないけど、この2巻になって「あの」西炯子節が炸裂。

ここに出てくる海江田は、50代だけど、嶽野(昔のBLの主人公)であって、ご隠居(『三番町萩原屋…』)と一緒だった。リアルかどうかなんて関係なかった。あの魅力的なキャラが帰ってきた。『三番町萩原屋…』末期からの長い停滞期を終え、『STAY』シリーズで目覚め、多くの短中編で完全復活した西炯子。ここまで来た後だからこその定番キャラ復活にshiroは感慨深いものがあります。西を読まない人には一つも分からない文章でスマン。

野村宗弘『とろける鉄工所』
一気に3巻まで読んだけど、2009年に出会ったマンガではNo.1です。

『とろける鉄工所』ほか

ここ数ヶ月は主催するイベントの準備でてんてこまいで、特に夏からはまともにマンガも買っていなかった。なんで久しぶりにちょっといっぱい買いました。

ゾルゲ市蔵『8bit年代記』インベーダーに始まりナムコ黄金期を経過したshiroと同世代作家の青春期。『パックランドでつかまえて』のマンガ版と言えば話が早いか。アニメ話があるのも嬉しい。ほんと、あの頃のゲーセンを復活したいなぁ。お金あればやるのになぁ。

野村宗弘『とろける鉄工所(1)』面白い!講談社がまたやってくれた!

よしながふみ『きのう何食べた?(3)』このペースなら永遠に続けて欲しいかんじだ。しかしゲイの方は盆と正月ってアレだなぁ。

よしながふみ『大奥(5)』4巻からさっぱりダメ。つか3巻までが奇跡的にすごかったからなぁ。あの後どう続くんだと思ったし。やっぱり無理だったか。

幸村誠『ヴィンランド・サガ(8)』衝撃の展開。残酷描写が苦手な人にはオススメしないけど、これ本当に傑作。

尾瀬あきら『蔵人(9)』完結。良いところで終わったと思う。尾瀬あきらさんは本当にハズレがない。次回作も大期待です。

中村嘉宏『オーバーマン・キングゲイナー(7)』6年の年を経て遂に完結。この人の絵、大好きだ。しかし富野ネーミングは読んで(聞いて)るだけで気持ちいいよな。キッズ・ムント、ロンドン・イマ、ウルグスク、ママドゥ先生、ガウリ隊、セント・レーガン、ウッブス、バック・ハロン、etc…

武富健治『鈴木先生』…7〜8巻一気読み。とんでもない世界までイっちゃってます。一読の価値アリ!!

あとまだまだ買ってないのがあるので後ほど…

『もやしもん(8)』

石川雅之『もやしもん(8)』

相変わらずお上手。見事。前巻はワイン、今巻は地ビールなのだけど、美味しんぼでも神の雫でもない、パターン化に陥らずキャラを上手に生かしたストーリー展開。まぁこの計算だとあと2巻くらいで終わらせないとイカンのですが…。

地ビールを毛嫌いする武藤が冒頭その知識で業界をこきおろすシーンもスッキリするが、後ででそんな自分自身のかっこ悪さに自ら気づくプロット、溜飲が下がります。そして新キャラの「はな」が物語にリズムを与えている。石川氏は女性の好みがイイんだと思います(衣裳の好みはアレですが)。ここに出てくるのは仕事にしろ学業にしろバイトにしろ「ちゃんとやってる」女性ばかりだもの。

これだけネタを渡り歩きつつクオリティの落ちない『もやしもん』。何故だろう。やっぱりね、未だに色恋沙汰ゼロを徹してる所ですよ。それによってある意味夢の大学共同生活が送れるんです。結局最初から変わってない、だからだと思う。

前回のもやしもんレビューへ

えと、オレは『もやしもん』好きだけど、菌達にはまったく興味ありません。だからぬいぐるみカワイ〜!とか思ったこともない。

西炯子『娚の一生(1)』

最近好調な西炯子の新刊。50代オヤジと30代OLの恋の話。オノ・ナツメのオサレオヤジ(の浅さ)にはどうしてもついていけずに断念した自分としては、このビジュアルを見てちょっと不安だった。

うーん。予想通り今の流行りのアレっぽいんだな。30代くらいまでの男性(特に学生)を描かせたら本当に女性作家とは思えない位リアルな描写をしてくれる西女史なんだけど。うーんうーん。この50代オサレオヤジ「海江田」はリアルなのか。仮にこんなイタリア人みたいな(言動の)オッサンがいたとしてもだ。オレ的にはどーも魅力を感じられん。つかコレはひがみなのか(笑)。

ちなみに自分の好きなオヤジ@少女マンガといえば、逢坂みえ子、須藤真澄。この2人の描く50・60代、おじいちゃんはすごく好き。あんまし恋愛とかに気ぃ入れないのは当然として、なんつだろ、普段見てるオヤジどもの素敵さに気づかせる、そういう描写なんだよね。

西炯子の描く「オヤジ」と言ったら途中で失速していった『三番町萩原屋の美人』のご隠居くらいしか思い浮かばないけど(オレ知らない所でベタベタのオヤジBLとか描いてる?)、アレはオッサンとは設定だけで実際は30代みたいなもんだ。すごく好きなキャラではあった。

話を戻して。そのオヤジ「海江田」以外の設定はとっても良かったし、田舎の一軒家を舞台にゆったりと進む物語は西作品にはあまり見られないシチュエーションで楽しめました。主人公のOLもモロストライクな感じ。『ハケンの品格』の大前春子をずっと美人に性格良く当たり良くしたような。

そうだね、きっと生理的な問題。BL的オヤジはオレ、ダメなんだな。きっと。

『鉄腕バーディーEVOLUTION(1)』『PLUTO(7)』他

『鉄腕バーディーEVOLUTION(1)』
ヤンサン廃刊→ビックコミックに移っての第一弾。廃刊はゆうき氏にとって本当に厳しい事態だったようだけど、正直ちょっと間延び気味だった『バーディー』にとっては良い転機だったのかも。ヤンサン版最終巻から二年の間、バーディーが仮眠状態になり、その後さて…という所から物語は始まる。バーディーがつとむの中に入っていることが他にバレないように動く、という前提がヤンサン版最終巻でカミングアウトされ、今後は宇宙テロリストのクリスタル・レビ(早々に正体が明らかになった)との対決が主軸になるのかな?地球の日米政府が本格的に「対宇宙」の軍備を始める、というコレまたフロシキが一層広がりそうな展開なのだけど、その広げたフロシキを、期待を裏切ることなく毎度丁寧に畳んでいくゆうき氏ですからね。期待大です。

『PLUTO(7)』
次巻が最終巻、という予告を読んでなければ、もう「買うのやーめた!」宣言してると思うな。この作品も最近の浦沢作品の例に漏れず「いつまで読んでも混ざんねぇ交響楽みてぇなマンガかきゃあがってbyサイバラ」へとまっしぐらです。バーディーのような丁寧なストーリーテリングの後だと一層、読む気がしない。謎、謎、謎のコマ切れ…ああもう別にいいよ。オレが読みたいのは「ストーリー」であって「謎解き」でも「謎かけ」でもねぇんです。

『ヴィンランド・サガ(7)』『ヒストリエ(5)』『へうげもの(8)』、大好きなシリーズの新刊続々出てます!すべて満足の出来。

『宮本から君へ』復刊!!

知らないウチに復刊ドットコムから新井英樹『宮本から君へ』が復刊されていました。これは本当に手に入れるが大変だった思い出がありますから素晴らしいニュースですよ!!新井英樹好きな人は即買いです!!

shiroの一言感想へ

結局↑この感想を書いた後最後まで購入して読み切りました。最後は正直覚えていないくらい、その直前のクライマックスがすさまじい。トラウマになりそうな最悪の読後感(笑)。
はっきり言って誰にもお奨めできるタイプのマンガではありません。でも、凄い作品であることだけは間違いない。サラリーマン生活のイヤな所を必要以上に(笑)照らし出します。

↓ただこの(1)がどういう内容で、全何巻なのかとか分かりません。もっとちゃんとインフォメーションしろよ→ブッキング

定本 宮本から君へ 1
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新井英樹
太田出版

『CONTINUE』ゆうきまさみ特集を読んで

イヤほんとね、ゆうきまさみってすごいんですよ。日常の描写が。脇役まで含めた人物の存在感が。
SFやラブコメにカムフラージュされた「日常マンガ」の地味な凄さ。その頂点がコレ

『じゃじゃ馬』は…なんというか、ゆうきまさみの代表作には、あれを挙げてほしいというか、もうちょっと脚光を浴びさせてあげたいというか、そういう作品なんですよ。
(ゆうきまさみ1万字ロングインタビューより)

うんうんうんうんうんうんうんと、深ぁ〜くうなずきました。あとこないだ『鉄腕バーディー』全巻読み返したばかり。バーディーの幼少時代を描いた2巻は大傑作ダネ。むかでや昆虫の姿をしたバーディーの上司達に萌えまくりですよ。このキャラ作り、天才。

当サイト感想文へ
じゃじゃ馬グルーミン★UP!
鉄腕バーディー

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マンガ夜話『へうげもの』『ハチミツとクローバー』

我が家のキャンドルナイトはロマンチックでもなんでもなく、家計の窮乏と大地震の対処の話で2時間過ぎましたが。それはソレとして。

BSマンガ夜話見終わりました。今回は『へうげもの』と『ハチクロ』というすげぇラインナップでしたが、内容も期待通り!それぞれに満足させていただきました。

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パリの迷い方・一緒に遭難したいひと

『パリの迷い方』じゃん・ぽ〜る西
ジャケ買い。フランスのマンガに憧れパリに移住した作者の、自虐日常ルポマンガ。
一見間の抜けた絵柄ながら(表紙のイラストは一見して『ナニ金』だ。このセレクトはどうかと思った)、パリジェンヌ(笑)のいやーなところも素敵なところも鋭い観察力と風刺力ですべてお笑いに昇華している。パリのマンガ、から想像されるオサレ度も気取りも皆無。オモロかった。

『一緒に遭難したいひと(3)』西村しのぶ
西村しのぶの新刊である!それだけでも凄いことだ。もともとこの作者のナチュラリスト指向というかエコ指向はマンガの中にも深く影響していて、それが時代時代のトレンディーな神戸婦女子たちの姿を借りて語られ「何事も起こらない・けど読んでしまう」西村日常マンガの世界を生み出しているんだけど、だんだんこちらの読み手も年を食ってくると、登場するオサレ婦女子とそのエコ指向とのギャップに多少違和感を感じてくるようになってしまう。でもさすがに登場人物達も合わせて歳をとってきており(もう『サード・ガール』は無理じゃない?)、ギャップといっても最小限。

単行本が平気で2年おきくらいに出る上、その時代のオサレ感をとても大切にする作家なので、巻を重ねるうちに設定も随分と変わっていくのでしょう。移り行く西村マンガ、いまだ健在と思いました。

巻末の掲載歴を見ると、どうも4巻が出るのは2010年になりそう。ひえー。

パリの迷い方

パリの迷い方

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じゃん・ぽ~る西
集英社 (2008/03/19)

ダーリンは外国人withBABY

『ダーリンは外国人 with BABY』小栗左多里&トニー・ラズロ
大好きなシリーズの最新作。いつもは夫婦の異文化ギャップモノなのですが、最新作は殆どまるごと出産育児マンガに変身してます。

とはいえ出産育児マンガ大好きオトコですので(笑)最初から最後までじっくり楽しませていただきましたよ。旦那トニーを愛情たっぷりにしかも面白可笑しく表現したその筆力は、BABYトニーニョ(こういう名前なのです)を描く際にもそのまま発揮されています。考えてみればどちらも同じ「異文化ギャップ」モノ。納得ですね。

出産育児モノとして、これまで読んだ中で一番「あるある〜!」の回数が多かったかも。すごく共感できました。しかも前2作では「あんたってやっぱりトニーだよ…」とマンガを読んだ相方に外国人扱いされた自分ですけど、今作もまさにそのまんま。作中で起こる夫婦のプチ対立もまさにウチと似ています。ウチはもっとおだやかですけどね。

Amazonに出てたこんなレビューに「そうそう」と思いました。

意外と小栗さんもトニーさんも、子育てとなると、普通の人なんだなと思いました。

なのでいつもの『ダーリンは外国人』ノリを期待してるとイマイチかもしれません。あくまで日本の・スタンダードな出産育児マンガになってます。

前半トニーが殆ど出ないのがちょっと不満ですが、以上のような条件付きでオススメです。

ダーリンは外国人 with BABY

小栗左多里&トニー・ラズロ
メディアファクトリー (2008/03/12)
売り上げランキング: 18
おすすめ度の平均: 3.5

3 トニーニャ現象。
4 トニー&さおり節復活!!
4 with 赤ちゃん、エッセイ

【育児関連レビュー】その3・椅子と加湿器

その1その2の後日レポです。

CAROTA miniチェア
使いやすいです。子供も抜け出れなくて、しかも意外と余裕がある。最初小さいと思ったのだけど、充分でした。あとバーの有無で色々対応できるのも良い。

オススメです。

ボネコ気化式加湿器
掃除しないとすぐ臭くなると相方が指摘(前回のエントリにも「すぐドブ臭くなる」とのコメントをいただきました)。1週間に1回くらいは掃除が必要みたいです。相変わらず潤い感はないですが、水は順調に減っています(笑)。何でしょ、高断熱高気密なマンション住まいの方には良いのかしら。
まだしばらく使い続けようと思います。

メモ

『もやしもん(6)』…フランス編、上手くウンチクを消化していて実に好き。人気が出てこう動くのはトテモ好ましいです。

『3月のライオン(1)』…羽海野チカ新作。相変わらずぐっときてしまった。今後に期待大。合間の将棋コラムもオモロ。1巻で未だタイトルの意味分かんないトコとかすごくイイ。

『機動旅団八福神(7)』…もう最初から読み返さないと全然分からん。でもオモロク読めた。

【TVバナシ】
●ファンケルのCM(がっちりマンデーでしか見たことない)はファブリーズのイヤァな主婦役を使っていてどう考えても失敗。
このページの化粧品編

●ほっかほっか亭のシズル写真はあの手のチェーンの中で最強であると、常々思ってきた。分裂した後に従来の代理店がどちらにつくかって結構デカイぞ。

●そういえばM2の片割れの宮台って最近見ないね。宮崎はあんだけ活躍してるのに。

●BSの『熱中時間〜忙中”趣味”あり〜』で発動機マニアの小林隆男氏(32歳・若い!)が出てて、その発掘レポとかすごくオモロかったんだけど、その直後に見たタモリ倶楽部が偶然にも全く同じ特集だった。ビックリ。まぁどっちも録画で見てるんで単に自分タイミングだけなんですが。

小林氏が会長をしている茨城県発動機遺産保存研究会の「運転会(ただエンジンを回すだけ)」にタモリ倶楽部がおじゃまするというモノ。しかもホンコン、山田五郎、半田健人とオレ的最高メンツ。まぁ結果的にはタモリ倶楽部としては平凡な回に終わったのでしたが…。保存研究会の方々をイジリきれてなかった…。残念。しかし発動機、良いなぁ〜。地元で運転会あったら行っちゃいそうだ。

ノロ?

どうもノロウィルスにかかってしまったようです。まだ確定じゃないのですが…。下痢はひどくても吐き気がまったくないせいでずっとそのままにしてたら、そのうち腹痛が堪え難くなってきて、二日目にしてやっと病院に行った次第。

で、相方とムスメを実家にやり、一人もくもくとマンガを読んでいました。

佐藤史生『夢見る惑星』4度目くらいの再読?
最後が悲しいお話だと記憶していたんだけど、全然違ってた。で、はたと思い出しました。清水玲子『竜の眠る星』と勘違いしている!!悲しい結末はあっちの方だった。
しかし連載が昭和55年ですか…オレ10歳だ。

西村しのぶ『RUSH』3度目?
西村しのぶだったら何でも同じように楽しめる…だろうと思ってテケトーに選んだのだけど。プレゼントは万引きだわ子犬を盗んできて楽しそうに一緒に暮らしてるわ…の冒頭が異様にひっかかる。昔は「マンガのギャグ」として全然気にならなかったと思うんだけど。特に子犬をフツーの家から平気で盗んでくるあたり(しかも「子犬をくれたらセックスさせる」という約束のために)がだめ。自分に子供産まれると色々変わります。他の西村作品も読み直してみようかしら。

山田芳裕『度胸星』講談社版再読
あと2巻でヤンサン版は終了みたい(打ち切りになった)なのですが…。本当に傑作ですよこれ。大好きな『プラネテス』や『11人いる!』を思い起こさせるSF大作。ぜひ書き下ろしで完結させて欲しい。再読して改めて感じます。

TONO『カルバニア物語』3度目?
佐藤史生は病気真っ最中の時にずぶずぶと入り込んで読むのに最適だし、こっちは病気直りかけの明るい気分で読むのにぴったし。しかし『夢見る惑星』とは書かれた時期も全然違うし、考証のレベルは天地ほども違うけれど(何せカルバニア王国の地図にはど真ん中に「このへん考えてない」という場所がどーんと占めている)、勝敗付けがたくどちらも好きだなぁー。特にカルバニアはこのテケトーなマンガ内でジェンダー問題とかお仕事の話とか身分の話とかをさらっと語っていて、ソレがまたツボを突くんです!!1年1冊ペースだけで現在続刊中だけど、未だ面白さ衰えず。

他には
『日出処の天使』や須藤真澄『アクアリウム(大傑作!)』などつまみつまみ。『日出処の天使』は相方にも好評でした。コレは高校の授業中読んでたっけ。

相方とかムスメにウツらないことを祈っています(ノロ)。

羽海野『3月の…』を読まねば

さる12月1日付のポッドキャスト版『島本和彦のマンガチックにいこう!』を聴いた羽海野チカさんはきっと涙したんじゃないだろーかね。彼女の尊敬する島本氏が、羽海野さんの『ヤングアニマル』での新連載『3月のライオン』をベタ褒めしていましたヨ。

(『3月のライオン』は)毎回毎っ回ねー、私的にはねー、100点を付けてもいいモノをねー。凄いと思ったね。
(中略)

1作目はさーやっぱり楽なのは、楽って言ったらアレだけど、だいたい学園モノ描くの。学園ものって描きやすいし、自分の、生の若い頃の気持ちとか出すし
(中略)

(囲碁とか将棋とかテニスとかをテーマにすると)その世界観をまず確立させるのと、その一番低レベルの所からトップまでを把握して、どういう風にその人(主人公)が成長したり何だリするってゆうのを、分けていかなきゃいけないの。
だから、作品を描きながら勉強しようなんて思ったら、大ゴケしますよ。

ポッドキャスト版『島本和彦のマンガチックにいこう!』12/1より。()内shiro

なんでも『3月のライオン』の編集担当は島本氏の担当になったこともあって、「私の時には実力を発揮していなかったんだけど、羽海野さんの時は…」だって(笑)。

あーー早くコミックス出ないかなぁ。

【私信】vickeyさん、もし見ていることがありましたら、以前webにアップされていた「バーミックスで作る簡単美味しいスコーン」のレシピを教えていただきたいです。

『トライガン・マキシマム』『この恋は実らない』他

内藤泰弘『トライガンマキシマム(13)』
もうさっさと終わって新しい話始めてヨ内藤さん!とずっと思っていましたが、やっと次号で完結するようです。後半のジャンプ的天下一武闘会的展開??はもう、見るに耐えなかった。この人はこんなに延々と戦いばかり書いててオモロいんだろうか。後書きに描いてあるように、ただ(悪い意味で)ハマっちゃってただけなんじゃないか。同人誌時代の中短編みたいな和やかSF描いてくれたら、イヤそこまでいかずともせめてジャンプ的ストーリーじゃなければ、もう何でもイイです。とにかく新しい話を魅せてくださいな。

武富智『この恋は実らない(3)』
コレも大好きな作家の書いた大駄作。ホストあがりのイケメンが「本当に恋した」お嬢様と結ばれるまでの、セックス描写の為だけのようなストーリー。説得力ゼロ。3巻はアタマにきて全部読んでませんが、今号で完結。ヤングジャンプは遂に1人の才能ある漫画家をダメにしてしまったのか。『EVIL HEART』の打ち切りで「さすがヤンジャン」とあきれさせておいて、次はコレ。ある意味怒濤の展開。

槇村さとる『Real Clothes(3)』
期待通り良かった。槇村さとるは恋愛以外の、特殊な業界なんかの緻密な描写が入ると、いつもの説教臭さや「ああもう、分かったから」的なウンザリを、あまり感じさせません。でもきっと他の作品でも結局同じような事描いてる気がしますが…。少女マンガ定番プロットからの微妙なハズし具合がもう、職人ワザ。本当に上手くて、ちょっと鼻につく位。でもこの話は『美味しい関係』以来の大ヒットだなぁー。

くらもちふさこ『駅から5分(1)』
ああーーーこんな傑作を今でも現役で読めるシヤワセ。今後もめっちゃ楽しみです。

追悼カモ・その3

鴨志田穣の通夜の話。つづき

「柳美里の今日の出来事」3/22より引用

西原さんは喪主としてあいさつをしました。

彼はふたつの病と闘いました。ひとつはアルコール中毒で、もうひとつは癌です。アルコール中毒は致死率8割という難しい病気で、完治することは難しいのに、彼は、わたしを含め、周囲のひとに意志が弱いひとだと見放され、十年間もたったひとりで闘わなければなりませんでした。怖かったと思います。苦しかったと思います。たったひとりで闘って病を克服して帰ってきたのに今度は癌に……

彼と最後の日々をすごした3ヵ月間、彼は一度も愚痴や不満をいいませんでした。仕事が楽しい。生活できることがうれしい。生きていることが幸せだといっていました。とてもいい男でした。彼のことで嫌な思いをしたひとは、どうか忘れてください。ほんとうは彼は意志の強い男です。いい男です……
(後略)

漫画家いさやまもとこさんの日記・3/21より引用

(中略)
どうやら末期癌で最期の半年間は元妻と子供達と暮らしたらしい。
私は元妻に「大変だった?介護生活だったの?」と声をかけたら「あたしの持てる財力・コネを全て使いまくったけど、ダメだった」と答えた。
(後略)

気まぐれコンセプト クロニクル

買ってからもう一ヶ月くらい経ってる気がしますが、一向に終わる気配がありません。まだこんなトコ。KIMAGURE.jpg
マンガとしてはまぁどーでも良い類いですが、これだけ昔から、まったく変わらない作風で、ヒタスラにミーハーに徹して描き続けたコトには、どデカい価値があると思います。惜しむらくは解説。全部に付けて欲しかった。解説の方がオモロいんだから。

気まぐれコンセプト クロニクル

ホイチョイ・プロダクションズ
小学館 (2007/01/20)
売り上げランキング: 44

『EVIL HEART[氣編]』

武富智『EVIL HEART』の新刊です!ええー打ち切りなんじゃなかったのけぇーーー!そう、その通り。なんとこの「氣編」は全話書き下ろしです。ボリュームもたっぷり。値段もたっぷり800円。

この巻では舞台がアメリカに移り、ダニエルの暗い過去が明らかになっていきます。兄との確執から逃げるようで、最初は「え?」と思わされるんだけど、そこは『EVIL HEART』です。現地の男の子やダニエル母など魅力的な新キャラを交え、これまでのテーマ「強さとはどういうことだ?」がより深く語られるのです。あの陽気でひたすらにココロの広い(ように見える)ダニエルの陰惨な過去。その過去に向かい合った時の彼の変貌と、思わぬ人物からの救済。いやー見事!と唸らされます。

この人の漫画は、ここぞ!という「キメ」の場面における人物の表情が凄いんです。その表現(通常のキャラの顔を、どのように変貌させるか)が、飛び抜けて上手い。今回主役を張るダニエルの「決め顔」には、ホントに痺れました。

アレですよ。ルパン三世(新)の最終回「さらば、愛しきルパン(宮崎駿監督)」のクライマックスで、にせルパンが逃げようとした時に、その先に立ちふさがるシルエット。ぐぐーっとパンアップして画面に映る、「本物」ルパンの顔。その凄み。アレです。あの鳥肌を思い出しました。

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「おっかけっこは、幕にしようぜ、黒幕さんよ。」

いやーたまらん。って話がズレちゃたんで戻しますが、武富智は外れがありません。ほんと誠実に良い漫画をお作りになってる。でもその割に打ち切りになったり(まーヤンジャンだしな(笑))。恋愛だけじゃない*、甘酸っぱいセーシュンモノが得意です。
*この辺がヤンジャンで人気出ない原因か。

せめてコミックスは皆買ってあげましょうよ。未読の方は、ぜひお試しください。きっと全部欲しくなるから!

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