『シュガー・ラッシュ』

映画館で(2D吹替)。評判通りの快作。
sugar

ゲームセンター閉店後にはじまる、人間たちの知らない「ゲームの裏の世界」。そこでは「仕事」を終えたゲーム・キャラクターたちが、それぞれに交流しながら生活していた。
アクションゲームの悪役「ラルフ」の願いは、皆に愛されるヒーローになること。ある日我慢ができなくなり飛び出したラルフが入り込んだのはお菓子の国のレースゲーム『シュガー・ラッシュ』。そこで出会った少女ヴァネロペは不良プログラムと呼ばれ、レースにも出れず孤独な生活を送る、でもとっても元気でカワイイ女の子。彼女がレースに出るのを手伝い、自分も「ヒーロー」になるためのメダルを得ようとするラルフ。しかしヴァベロペがレースで優勝すると彼女の存在が消滅してしまうと『シュガー・ラッシュ』の王様から聞き苦悩する。また、逃げ出したラルフのせいでゲーム世界全体に危機が訪れていた。ラルフを追うアクションゲームの主役フェリックスと3Dゲームの主役カルホーン。ヴァネロペに隠されていた秘密とは…そしてゲーム界の危機を救うことはできるのか?

冒頭10分くらいの説明ブロックが少しダレ気味なんだけど、その後はラストに至るまでずっと笑い・涙・笑い・涙…盛り上がりっぱなしの最高エンターテインメント作でした。70年代の8bitゲームから現在のリアル3Dゲームまでが、何故かシームレスに同居する、これだけで夢のようなゲームセンターが舞台。現実世界では既には消滅してしまった、オレら世代のユートピア。

いやいや、そんなところが主題じゃなくて…。この映画はレトロゲーム世代向けにニヤニヤするポイントがあちこちにあって勿論とってもオススメなのだけど、そういう思い入れのまったくない、ゲーム自体殆どやったことのない人でもさほど問題なく楽しめる、少女とおっさんの物語です。shiroは特に自分の長女と重なってしまってしょうがなかった。小さい女の子の小生意気でイキイキとした姿がよく映し出されている。子供と観るのもオススメします。早くDVD買って一緒に観たい。

以下お気に入りポイント。ネタバレ含みます。

●こんなかっこいいエンディングロールは初めて観た。個人的に歴代No.01エンドロールかも。DVDでもっとゆっくりチェックしたい。特にゲームのクレジットのところ。全体に音楽のセンスが抜群です。AKB48の『シュガー・ラッシュ』もいいねぇ。

●shiroはどういう世代かと言うと、小学生高学年にドンキーコング&ドンコンJr.がゲーセンに出て、補導員をかい潜りながらゲーセン通いをしていた子供だった。中学生はナムコ黄金期。アーケードのゼビウス〜ドルアーガあたりにハマりまくる。あの「ナムコ文字」を一生懸命ノートに書いていたガキだったから、この映画のグラフィックはもうそれだけで涙出ちゃうわけ。同じゲームが舞台でも、日本のあの時代(30年前)のゲームのテイストを存分に生かしている、心からのリスペクトが感じられる映画だった。

●地元では吹替しか上映していなかったのだけど、主人公ラルフ役の山寺宏一さんがイイ仕事し過ぎ!サイコー!これだけキャリアがあって声優としてはマイナスにもなりかねない「色」が付きまくっているとも言える方なんだけど。なんだこれ。素敵すぎるよ。声だけでラルフに惚れるよ。またラルフのキャラも必要以上にイジイジしていなくて気持ちいいんだよね。少し天然入ってて。ヴァネロペは勿論サイコーに可愛いのだけれど、ラルフもこれ以上ない愛されキャラだと思う。

●上上下下には笑っちゃったなー。あとコーラ&メントスとか。メタルギアの「!」とか。

●描かれている「皆に好かれるヒーローにならなくてもいい、誰か一人にとって大切な人になれれば…」というテーマを見事に爽やかにストーリーに織込んでて見事。ベタだって?それをココまでエンターテインできる作品がどれだけ希有なことだろう。『ヒックとドラゴン』『トイ・ストーリー3』に並ぶ名作がまた誕生した。しかしこの映画、どうみてもピクサーなんだけど…これでディズニー映画ってのがまた今後に期待させるね!

●本来悪役のラルフとは反対サイドである、アクションゲーム「Fix-It Felix」の主役キャラ「フェリックス」の立ち位置が気持ちいい。その明るさ、機転の利かせ方、優しさ…名脇役。

●カーシーンのカッコ良さたるや!元ネタは間違いなくマリオカートなのだけど、ただでさえ面白いゲームのツボを映画ならではのアングル、カット割りでカタルシス3倍増させている。クライマックスで落ちていくラルフを拾うヴァネロペのあの動き!空前のゾクゾクシーンだ。
しかしカートでクラッチまで表現するとは思わなかった。アレで特訓シーンの意味がちゃんと出てくるのがまたいいね。

逆にこれはイマイチ、というポイントは…

●最初に書いたように、冒頭の説明シークエンスがちょっとテンポ悪い。「あーこのまま続くとちょっと厳しいかも」ってイキナリ思っちゃった。結果それは最初の15分位?だけだったんだけど。・

●最後の「ヴァネロペがお姫さまだった」というオチの後のやり取りもなんだかなー。いじめてたレーサー達のセリフも、それを受けて「自分は王女じゃなくて選挙して大統領制にする」?だっけ?というヴァネロペのやり取りも唐突すぎて「はぁ?」というかんじ。これは翻訳の問題もある?

くらいかな。最近は「これはDVD買うわ!」という映画が多くて幸せな限りなのだけど、本作も見事我が家のライブラリー入りが決定しました。オススメです!

★★★★☆

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