カテゴリー: マンガ感想

最近読んだマンガ201212

とにかく下半期はこの1冊かな。吉田秋生さんすごい。この作品がはじまってからその新境地には驚かされてきたけど、5巻は紛れもない名作だと思う。高校時代に机の下で廻し読みしていた時代から早30年近く。今になってこんな超弩級ホームドラマを送り込んでくるなんて。だからマンガ読みはやめられない。

 
永野護は狂ってる。狂ってる天才だ。だけどそれを世に出したカドカワも狂ってることが、これを読んでいてよく分かる。

 

なんとまあ手堅くトーンダウンもせずこのクオリティを保てるなぁ。もう12巻。『プラネテス』の終盤のようなくらーい泥沼にはまりこむ危機を上手に回避して、作品のトーンも丁度ちょうど良いバランスを保っていて。このマンガや岩明均さんの残酷描写って結構苦手なんだけど、そんなおれでも読めています。おすすめしたい。

 

すでに神マンガ。これも12巻か。

 
ネタ切れ感満載だが、でも好き。

 

西炯子さんは作品ごと完全に読む・読まないが分かれていて気持ち良いほどだ。これも1つのあり方でしょう。2割打者くらいでいていただければ充分。これは…1塁打といったとこか。

 

西さんはエッセイに素晴らしい才能を見せています。この方面でもっと展開して欲しい。

 


4巻あたりから一度完全にトーンダウンし、恐らくそれなりの読者が離れていってしまっただろう『大奥』だけど、メインストリームの吉宗話が終わり、この8巻〜9巻からどんどん盛り上がった来た。いいすよ!

 
先日原画展が新潟に来て、羽海野さんのネームが完成するまでの流れを見た。想像はしていたけどやっぱりすごいね。そう、マンガはネームなんだ!

  

つれづれ(長女誕生日など)

長女が5歳の誕生日を迎えた。いつも通り料理を作って、手作りのケーキを作り、昨年同様にデコレーションは長女が担当。ロウソクをつけて電気を消し、ハッピーバースデーをみんなで歌う。7ヶ月の次女もだっこで一緒に。

歌いはじめたらふいに、涙をこらえられなくなった。妻も同じく、二人同時に。動揺を隠すのに難儀してやっと歌い終えた。
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2011年8月お盆休みのこと・『ヒックとドラゴン』『クウネル』『海街diary』『恋と軍艦』

お盆休みはひたすら家族と過ごした。極力外にも出ず、外食もせず、うちにあるものといただきものを料理して食べた。子供とビデオや昔の写真を見たり、ボードゲームやかるたをしたり、本を読んだり掃除をしたりして過ごした。いつもこういうことを書くべきかどうか、もしくはどう表現したら良いのか分からないけど、これ以上ない至極の幸せだ。色々な細かい条件や運や風向きや偶然やちょっとの努力なんかがすべて合わさってこのようなことが実現できる訳で。当たり前のことなどと、思ったこともない。

おかげでお金は殆ど使わない連休だったけど、外食に行かなかったのは申し訳ない。食材の関係で今家族全員で外食できるお店は、ごく一部の知り合いの店のみ。外食担当の自分はせめて明日から復活しガシガシお気に入りのお店を廻って買い支えますよ!

お盆休みのもろもろ。

『ヒックとドラゴン』は何度観ても面白い。4歳の長女は少しでも怖いシーンや意地悪なシーンがあると号泣して観れないのだけど、この映画にはなんとそのようなシーンが一切、ない。それでも極上のエンターテインメントとして成立させているのだからすごい。伏線と回収、主人公とトゥースレスの魅力、まわりのバイキング達の魅力、見事に矛盾なく組み立てられたストーリー、なにもかもが「気持ちいい」。飛翔シーンやバトルシーンなど、アニメ技術的な見どころも多い(リピート鑑賞できるポイントだよね)。うーん。弱点が見当たらない…。
小さい子と観るのにもオススメです。是非。

『クウネル vol.51』で、長野陽一さんが自宅を建てる際のレポートがとっても「うんうん」な内容。タイトルは「ふつうが いちばんむずかしい」。そうなんです。つるつるの漆喰壁が当たり前じゃん!と思ってなんとかそれを目指したけど、実現することがどれだけ難しかったか。外壁、サッシ、床、壁、屋根…すべてにおいて自分が「ふつうだと思っていたこと」が、今の住宅業界では全然「ふつう」じゃないことに、まず愕然とするところから、家づくりは始まりました。逆境に向かうのが別に楽しみでもない自分は、だから無事家作りを終えた時に本当にほっとした。ひとより努力したとかそんなことは全然思わないけど、「なんでふつうのことができないの!」とは思い続けていて、それが逆境に向かう原動力になりました。長野さんの記事、本当に激しく同意。この夏久しぶりに自宅の取材を受けて、改めて建築当時のことを懐かしく思い出した。

益子スターネットの馬場さんの震災との向き合い方はとても勉強になった。あと「あれはセンサーを外して生きているんだよ」って、自分も良く思うことだ。なんで?なんで?は未だに消えない。消えない替わりに、身の回りに「なんで?」って思うような人は少なくなっている気がする。どっちが先なのか分からないけど。

永井宏さんの伝言。残念ながらご存命中にお会いすることは叶わなかったし、これまで多くのことは知らないままでしたけど、身近に大きな影響を受けている人達が多く、お話は聞いていた。今更だけどいくつかの書籍を読み、この「伝言」に出会って、やっとその理由の一端が分かった気がした。遅いですけど、これから少しでも軌跡を辿りたいと思う。

何冊か読んだマンガの中では吉田秋生『海街diary 4』が最高。吉田さん、まさかこの路線に来ていただけるとは、くらもちふさこの『天然コケッコー』に継ぐヨロコビ。YASHAとかのミーハー路線があまりにもソリが合わなかっただけに、このフトコロの深さが見れたのは本当に嬉しい。『ラヴァーズ・キス』も良かったけど、もう断然こっちの生活感が好き。4巻は純粋コイバナが花開くのですけど、これはもう40代以上限定の中学生恋愛物語じゃないだろうか、と思ってしまうくらいクラシックでオーソドックス。

西炯子の新刊『恋と軍艦』…「なかよし」連載ですからね。って読み終わってから気付いた。
西さんは『姉の結婚』がまったく琴線にひっかからない内容で、その前にも色々『ふわふわポリス』とか『ちはるさんの娘』やら色々…つか最近どうしたんですか?という位多作ですねという中でちょっと自分的に流し見な内容が続いていましたのです。基本全部買ってますけど。
『恋と軍艦』。雑誌の対象年齢なのかどうなのか、キャピキャピおばか中学生女子が40オーバーの男性に抱く恋心、という、枯れ専も極まれりというか(笑)いや全然「枯れて」る男性ではないんですけどね。とにかく私的には非常に感情移入しにくい設定なんですけども、この相手の40オーバーの町長さんと、謎の同居をしている外国人のエロ漫画家ヒゲオヤジという二人のキャラの佇まいが、何だか中学生相手らしからぬ「西臭(にし・しゅう)」を放っていまして。一巻だけではどうにも判断できない潜在能力を感じているのです。西さん、アンタ中学生相手に何をやらかすつもりだい。え?これ位今は常識?新橋にたむろするネクタイ頭巻きサラリーマン萌えの中学生女子とか普通?←そこまで言ってない。

2011年の盆休みでした。生活の底にはすべて、福島の事故と日常をめぐる放射能問題が横たわっており、相方は毎日食材に悩まされています。

島本先生ラブ

以前リンクで紹介したけど、何回読んでも好きなので引用。島本和彦先生のラジオがなくなったのが本当に残念。ぜひpodcastで復活して欲しい(以前の本放送は北海道だったので)。正月に1回放送したらしいんだけどpodcastやらなかったんです。残念。

羽海野
炎尾先生って、誰かに相談されると一緒に悩んじゃって、悩んでいる過程もダダ漏れで。最後に出す結論が正しいかわからないけど、やっぱりいいんですよ。こんなに正直にマンガを描いて、みっともないくらいオロオロしてるのにかっこいい。「私はこういうマンガ家になりたい」と思うし、あのおかげでアシスタントさんに対する接し方が楽になりました。弱音吐いてみたり、逃げちゃったり、「怖くてもいいんだ、先生」って。

志村
塀内夏子さんのマンガ指南書みたいな本があって、私、それが大好きなんですけど……。

羽海野
私も買ってみます。

志村
そのなかでも、島本先生との対談というか、会ったときの話が書かれてるんですよ。で、島本先生は「私を炎尾君と同一人物と思わないでください」って言うんですけど、編集というかマネージャーをされてる方が「いえ、ほぼ一緒と考えて結構です。そのまんまです」って、すごく冷静に言う(笑)。

羽海野
私もそう思います。

志村
やっぱりそうなんですね(笑)。

羽海野
これ、ちょっと自慢なんですけど。島本先生がメールを下さるときに、まず「羽海野! 元気か?」って書かれてて。で、ダーッとスペースが入って「よーし、いい返事だ!」って書いてあるんですよ(笑)。

志村
かわいい!

羽海野
もう「大好き!」って。本物の炎尾先生だなあって思います。ああいう先生になりたいな。

志村
なりたいです。

フジテレビ『青い花』公式サイト・羽海野チカ×志村貴子スペシャルトークより(太字shiro)

町山智浩-新井英樹対談を聴く

こんなん買っちゃいました。
町山智浩の、漫画師に訊け!新井英樹の巻(全巻セット¥1,100)』
価格分の価値があるかどうかと言われれば、同額の書籍を読む時間と対比すると考えると「ない」と思うし、中身から受けるカタルシスやレア度から言うとかなり「アリ」ですね。

自分は新井英樹の著作を殆ど持っていますし、その全部を二度以上読んでいます。だけど彼の作品は、本来自分の趣味とは対極の世界。普段見たくない世間のイヤな所、人間のイヤな所、殺人、いじめ、不条理、抵抗できない権力や絶対的な暴力、考えるとホントどうしようもなく、答えを出したくないような問題について、イヤでも考えさせられる。最低の世界が全開のマンガです。

でもね、読んでしまう。彼の著作には魅力がある。他の凡百な青年誌アリガチ暴力グロセックスマンガとは違います。要するに「怖い物見たさ」で見てるのではないんです。そこには本当のリアルがある。

例えば『ザ・ワールド・イズ・マイン』では、出た直後に惨殺され、その後一切出てこないような脇役にもすべて「命」を感じます。殺される前の日常描写が異様に執着を持って描かれているからです。それこそこの箇所だけでも、他の追随を許さないくらいに。セリフの1つ1つ、表情、服装、エピソードまでもが、その殺される人を表わすために描かれます。

もちろん主役級に関しては言わずもがな。ああ、こんな人いるよな。でも普通マンガで書かないよな、何故なら楽しくないから(笑)ってキャラクターも沢山出てきます。

これらのこだわりが新井マンガの魅力だと思うのですが、インタビューではその裏の意図について、どういう気持ちで書かれたかについてが、本人によって語られています。

何より意外だったのが、新井氏が弁が立つこと(笑)。町田氏のラジオをそんなに聞き込んでる訳でもないshiroにとっては、最初町田氏と判別が付かない位に、ちゃんとしゃべる。「そのように書いた意図」ってゆうのは、話したがらない漫画家もいる訳じゃないですか。しかし彼はちゃんと理論立てて、しゃべることができる。すごい。

個人的には『宮本より君へ』の話題があんなに聴けたのが意外ですっごく嬉しかった。あの衝撃のラストは実は○○○によるものだと分かったり。『ザ・ワールド・イズ…』と『キーチ!』の比較だとか、それによる『キーチ!vs』の今後の展開だとかの話も、まずここでしか聞けないんじゃない?裕木奈江擁護論だとか、あの人のモデルが高田純次だとかって話は笑い転げるほどウケた。

で、町田さんの解説がウマイじゃないですか。ファンが聴いててカタルシスを感じるツボを分かってて、誘導してる気がする。それに新井さんもちゃんと答えてる。いやーこの人には、もっとしゃべって欲しいなぁ。なんてゆうんだろう、下手したら軽くなりがちだったり端折らなければならなかったりするヒトや世間の「本質」的な話ね、そういうのがすらすらと出てくるのがすごい対談ですよ。

これは絶対活字よりも音声の方が面白いね。イイ企画でした。
新井英樹ファン限定ですが、オススメです。

関連記事
新井英樹ブーム
キーチ!ショックとパーム最新刊の製版

『娚の一生(2)』『とろける鉄工所』

西炯子『娚の一生(2)』

前回書いた感想は撤回。スマンかった。オノ・ナツメとかのアレでは全然なかった。

この50代オサレオヤジ「海江田」はリアルなのか。

勿論全然リアルではない。リアルではないけど、この2巻になって「あの」西炯子節が炸裂。

ここに出てくる海江田は、50代だけど、嶽野(昔のBLの主人公)であって、ご隠居(『三番町萩原屋…』)と一緒だった。リアルかどうかなんて関係なかった。あの魅力的なキャラが帰ってきた。『三番町萩原屋…』末期からの長い停滞期を終え、『STAY』シリーズで目覚め、多くの短中編で完全復活した西炯子。ここまで来た後だからこその定番キャラ復活にshiroは感慨深いものがあります。西を読まない人には一つも分からない文章でスマン。

野村宗弘『とろける鉄工所』
一気に3巻まで読んだけど、2009年に出会ったマンガではNo.1です。

『とろける鉄工所』ほか

ここ数ヶ月は主催するイベントの準備でてんてこまいで、特に夏からはまともにマンガも買っていなかった。なんで久しぶりにちょっといっぱい買いました。

ゾルゲ市蔵『8bit年代記』インベーダーに始まりナムコ黄金期を経過したshiroと同世代作家の青春期。『パックランドでつかまえて』のマンガ版と言えば話が早いか。アニメ話があるのも嬉しい。ほんと、あの頃のゲーセンを復活したいなぁ。お金あればやるのになぁ。

野村宗弘『とろける鉄工所(1)』面白い!講談社がまたやってくれた!

よしながふみ『きのう何食べた?(3)』このペースなら永遠に続けて欲しいかんじだ。しかしゲイの方は盆と正月ってアレだなぁ。

よしながふみ『大奥(5)』4巻からさっぱりダメ。つか3巻までが奇跡的にすごかったからなぁ。あの後どう続くんだと思ったし。やっぱり無理だったか。

幸村誠『ヴィンランド・サガ(8)』衝撃の展開。残酷描写が苦手な人にはオススメしないけど、これ本当に傑作。

尾瀬あきら『蔵人(9)』完結。良いところで終わったと思う。尾瀬あきらさんは本当にハズレがない。次回作も大期待です。

中村嘉宏『オーバーマン・キングゲイナー(7)』6年の年を経て遂に完結。この人の絵、大好きだ。しかし富野ネーミングは読んで(聞いて)るだけで気持ちいいよな。キッズ・ムント、ロンドン・イマ、ウルグスク、ママドゥ先生、ガウリ隊、セント・レーガン、ウッブス、バック・ハロン、etc…

武富健治『鈴木先生』…7〜8巻一気読み。とんでもない世界までイっちゃってます。一読の価値アリ!!

あとまだまだ買ってないのがあるので後ほど…

『もやしもん(8)』

石川雅之『もやしもん(8)』

相変わらずお上手。見事。前巻はワイン、今巻は地ビールなのだけど、美味しんぼでも神の雫でもない、パターン化に陥らずキャラを上手に生かしたストーリー展開。まぁこの計算だとあと2巻くらいで終わらせないとイカンのですが…。

地ビールを毛嫌いする武藤が冒頭その知識で業界をこきおろすシーンもスッキリするが、後ででそんな自分自身のかっこ悪さに自ら気づくプロット、溜飲が下がります。そして新キャラの「はな」が物語にリズムを与えている。石川氏は女性の好みがイイんだと思います(衣裳の好みはアレですが)。ここに出てくるのは仕事にしろ学業にしろバイトにしろ「ちゃんとやってる」女性ばかりだもの。

これだけネタを渡り歩きつつクオリティの落ちない『もやしもん』。何故だろう。やっぱりね、未だに色恋沙汰ゼロを徹してる所ですよ。それによってある意味夢の大学共同生活が送れるんです。結局最初から変わってない、だからだと思う。

前回のもやしもんレビューへ

えと、オレは『もやしもん』好きだけど、菌達にはまったく興味ありません。だからぬいぐるみカワイ〜!とか思ったこともない。

西炯子『娚の一生(1)』

最近好調な西炯子の新刊。50代オヤジと30代OLの恋の話。オノ・ナツメのオサレオヤジ(の浅さ)にはどうしてもついていけずに断念した自分としては、このビジュアルを見てちょっと不安だった。

うーん。予想通り今の流行りのアレっぽいんだな。30代くらいまでの男性(特に学生)を描かせたら本当に女性作家とは思えない位リアルな描写をしてくれる西女史なんだけど。うーんうーん。この50代オサレオヤジ「海江田」はリアルなのか。仮にこんなイタリア人みたいな(言動の)オッサンがいたとしてもだ。オレ的にはどーも魅力を感じられん。つかコレはひがみなのか(笑)。

ちなみに自分の好きなオヤジ@少女マンガといえば、逢坂みえ子、須藤真澄。この2人の描く50・60代、おじいちゃんはすごく好き。あんまし恋愛とかに気ぃ入れないのは当然として、なんつだろ、普段見てるオヤジどもの素敵さに気づかせる、そういう描写なんだよね。

西炯子の描く「オヤジ」と言ったら途中で失速していった『三番町萩原屋の美人』のご隠居くらいしか思い浮かばないけど(オレ知らない所でベタベタのオヤジBLとか描いてる?)、アレはオッサンとは設定だけで実際は30代みたいなもんだ。すごく好きなキャラではあった。

話を戻して。そのオヤジ「海江田」以外の設定はとっても良かったし、田舎の一軒家を舞台にゆったりと進む物語は西作品にはあまり見られないシチュエーションで楽しめました。主人公のOLもモロストライクな感じ。『ハケンの品格』の大前春子をずっと美人に性格良く当たり良くしたような。

そうだね、きっと生理的な問題。BL的オヤジはオレ、ダメなんだな。きっと。

『鉄腕バーディーEVOLUTION(1)』『PLUTO(7)』他

『鉄腕バーディーEVOLUTION(1)』
ヤンサン廃刊→ビックコミックに移っての第一弾。廃刊はゆうき氏にとって本当に厳しい事態だったようだけど、正直ちょっと間延び気味だった『バーディー』にとっては良い転機だったのかも。ヤンサン版最終巻から二年の間、バーディーが仮眠状態になり、その後さて…という所から物語は始まる。バーディーがつとむの中に入っていることが他にバレないように動く、という前提がヤンサン版最終巻でカミングアウトされ、今後は宇宙テロリストのクリスタル・レビ(早々に正体が明らかになった)との対決が主軸になるのかな?地球の日米政府が本格的に「対宇宙」の軍備を始める、というコレまたフロシキが一層広がりそうな展開なのだけど、その広げたフロシキを、期待を裏切ることなく毎度丁寧に畳んでいくゆうき氏ですからね。期待大です。

『PLUTO(7)』
次巻が最終巻、という予告を読んでなければ、もう「買うのやーめた!」宣言してると思うな。この作品も最近の浦沢作品の例に漏れず「いつまで読んでも混ざんねぇ交響楽みてぇなマンガかきゃあがってbyサイバラ」へとまっしぐらです。バーディーのような丁寧なストーリーテリングの後だと一層、読む気がしない。謎、謎、謎のコマ切れ…ああもう別にいいよ。オレが読みたいのは「ストーリー」であって「謎解き」でも「謎かけ」でもねぇんです。

『ヴィンランド・サガ(7)』『ヒストリエ(5)』『へうげもの(8)』、大好きなシリーズの新刊続々出てます!すべて満足の出来。

『宮本から君へ』復刊!!

知らないウチに復刊ドットコムから新井英樹『宮本から君へ』が復刊されていました。これは本当に手に入れるが大変だった思い出がありますから素晴らしいニュースですよ!!新井英樹好きな人は即買いです!!

shiroの一言感想へ

結局↑この感想を書いた後最後まで購入して読み切りました。最後は正直覚えていないくらい、その直前のクライマックスがすさまじい。トラウマになりそうな最悪の読後感(笑)。
はっきり言って誰にもお奨めできるタイプのマンガではありません。でも、凄い作品であることだけは間違いない。サラリーマン生活のイヤな所を必要以上に(笑)照らし出します。

↓ただこの(1)がどういう内容で、全何巻なのかとか分かりません。もっとちゃんとインフォメーションしろよ→ブッキング

定本 宮本から君へ 1
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新井英樹
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『CONTINUE』ゆうきまさみ特集を読んで

イヤほんとね、ゆうきまさみってすごいんですよ。日常の描写が。脇役まで含めた人物の存在感が。
SFやラブコメにカムフラージュされた「日常マンガ」の地味な凄さ。その頂点がコレ

『じゃじゃ馬』は…なんというか、ゆうきまさみの代表作には、あれを挙げてほしいというか、もうちょっと脚光を浴びさせてあげたいというか、そういう作品なんですよ。
(ゆうきまさみ1万字ロングインタビューより)

うんうんうんうんうんうんうんと、深ぁ〜くうなずきました。あとこないだ『鉄腕バーディー』全巻読み返したばかり。バーディーの幼少時代を描いた2巻は大傑作ダネ。むかでや昆虫の姿をしたバーディーの上司達に萌えまくりですよ。このキャラ作り、天才。

当サイト感想文へ
じゃじゃ馬グルーミン★UP!
鉄腕バーディー

コンティニューvol.43
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マンガ夜話『へうげもの』『ハチミツとクローバー』

我が家のキャンドルナイトはロマンチックでもなんでもなく、家計の窮乏と大地震の対処の話で2時間過ぎましたが。それはソレとして。

BSマンガ夜話見終わりました。今回は『へうげもの』と『ハチクロ』というすげぇラインナップでしたが、内容も期待通り!それぞれに満足させていただきました。

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パリの迷い方・一緒に遭難したいひと

『パリの迷い方』じゃん・ぽ〜る西
ジャケ買い。フランスのマンガに憧れパリに移住した作者の、自虐日常ルポマンガ。
一見間の抜けた絵柄ながら(表紙のイラストは一見して『ナニ金』だ。このセレクトはどうかと思った)、パリジェンヌ(笑)のいやーなところも素敵なところも鋭い観察力と風刺力ですべてお笑いに昇華している。パリのマンガ、から想像されるオサレ度も気取りも皆無。オモロかった。

『一緒に遭難したいひと(3)』西村しのぶ
西村しのぶの新刊である!それだけでも凄いことだ。もともとこの作者のナチュラリスト指向というかエコ指向はマンガの中にも深く影響していて、それが時代時代のトレンディーな神戸婦女子たちの姿を借りて語られ「何事も起こらない・けど読んでしまう」西村日常マンガの世界を生み出しているんだけど、だんだんこちらの読み手も年を食ってくると、登場するオサレ婦女子とそのエコ指向とのギャップに多少違和感を感じてくるようになってしまう。でもさすがに登場人物達も合わせて歳をとってきており(もう『サード・ガール』は無理じゃない?)、ギャップといっても最小限。

単行本が平気で2年おきくらいに出る上、その時代のオサレ感をとても大切にする作家なので、巻を重ねるうちに設定も随分と変わっていくのでしょう。移り行く西村マンガ、いまだ健在と思いました。

巻末の掲載歴を見ると、どうも4巻が出るのは2010年になりそう。ひえー。

パリの迷い方

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じゃん・ぽ~る西
集英社 (2008/03/19)

ダーリンは外国人withBABY

『ダーリンは外国人 with BABY』小栗左多里&トニー・ラズロ
大好きなシリーズの最新作。いつもは夫婦の異文化ギャップモノなのですが、最新作は殆どまるごと出産育児マンガに変身してます。

とはいえ出産育児マンガ大好きオトコですので(笑)最初から最後までじっくり楽しませていただきましたよ。旦那トニーを愛情たっぷりにしかも面白可笑しく表現したその筆力は、BABYトニーニョ(こういう名前なのです)を描く際にもそのまま発揮されています。考えてみればどちらも同じ「異文化ギャップ」モノ。納得ですね。

出産育児モノとして、これまで読んだ中で一番「あるある〜!」の回数が多かったかも。すごく共感できました。しかも前2作では「あんたってやっぱりトニーだよ…」とマンガを読んだ相方に外国人扱いされた自分ですけど、今作もまさにそのまんま。作中で起こる夫婦のプチ対立もまさにウチと似ています。ウチはもっとおだやかですけどね。

Amazonに出てたこんなレビューに「そうそう」と思いました。

意外と小栗さんもトニーさんも、子育てとなると、普通の人なんだなと思いました。

なのでいつもの『ダーリンは外国人』ノリを期待してるとイマイチかもしれません。あくまで日本の・スタンダードな出産育児マンガになってます。

前半トニーが殆ど出ないのがちょっと不満ですが、以上のような条件付きでオススメです。

ダーリンは外国人 with BABY

小栗左多里&トニー・ラズロ
メディアファクトリー (2008/03/12)
売り上げランキング: 18
おすすめ度の平均: 3.5

3 トニーニャ現象。
4 トニー&さおり節復活!!
4 with 赤ちゃん、エッセイ

【育児関連レビュー】その3・椅子と加湿器

その1その2の後日レポです。

CAROTA miniチェア
使いやすいです。子供も抜け出れなくて、しかも意外と余裕がある。最初小さいと思ったのだけど、充分でした。あとバーの有無で色々対応できるのも良い。

オススメです。

ボネコ気化式加湿器
掃除しないとすぐ臭くなると相方が指摘(前回のエントリにも「すぐドブ臭くなる」とのコメントをいただきました)。1週間に1回くらいは掃除が必要みたいです。相変わらず潤い感はないですが、水は順調に減っています(笑)。何でしょ、高断熱高気密なマンション住まいの方には良いのかしら。
まだしばらく使い続けようと思います。

メモ

『もやしもん(6)』…フランス編、上手くウンチクを消化していて実に好き。人気が出てこう動くのはトテモ好ましいです。

『3月のライオン(1)』…羽海野チカ新作。相変わらずぐっときてしまった。今後に期待大。合間の将棋コラムもオモロ。1巻で未だタイトルの意味分かんないトコとかすごくイイ。

『機動旅団八福神(7)』…もう最初から読み返さないと全然分からん。でもオモロク読めた。

【TVバナシ】
●ファンケルのCM(がっちりマンデーでしか見たことない)はファブリーズのイヤァな主婦役を使っていてどう考えても失敗。
このページの化粧品編

●ほっかほっか亭のシズル写真はあの手のチェーンの中で最強であると、常々思ってきた。分裂した後に従来の代理店がどちらにつくかって結構デカイぞ。

●そういえばM2の片割れの宮台って最近見ないね。宮崎はあんだけ活躍してるのに。

●BSの『熱中時間〜忙中”趣味”あり〜』で発動機マニアの小林隆男氏(32歳・若い!)が出てて、その発掘レポとかすごくオモロかったんだけど、その直後に見たタモリ倶楽部が偶然にも全く同じ特集だった。ビックリ。まぁどっちも録画で見てるんで単に自分タイミングだけなんですが。

小林氏が会長をしている茨城県発動機遺産保存研究会の「運転会(ただエンジンを回すだけ)」にタモリ倶楽部がおじゃまするというモノ。しかもホンコン、山田五郎、半田健人とオレ的最高メンツ。まぁ結果的にはタモリ倶楽部としては平凡な回に終わったのでしたが…。保存研究会の方々をイジリきれてなかった…。残念。しかし発動機、良いなぁ〜。地元で運転会あったら行っちゃいそうだ。

ノロ?

どうもノロウィルスにかかってしまったようです。まだ確定じゃないのですが…。下痢はひどくても吐き気がまったくないせいでずっとそのままにしてたら、そのうち腹痛が堪え難くなってきて、二日目にしてやっと病院に行った次第。

で、相方とムスメを実家にやり、一人もくもくとマンガを読んでいました。

佐藤史生『夢見る惑星』4度目くらいの再読?
最後が悲しいお話だと記憶していたんだけど、全然違ってた。で、はたと思い出しました。清水玲子『竜の眠る星』と勘違いしている!!悲しい結末はあっちの方だった。
しかし連載が昭和55年ですか…オレ10歳だ。

西村しのぶ『RUSH』3度目?
西村しのぶだったら何でも同じように楽しめる…だろうと思ってテケトーに選んだのだけど。プレゼントは万引きだわ子犬を盗んできて楽しそうに一緒に暮らしてるわ…の冒頭が異様にひっかかる。昔は「マンガのギャグ」として全然気にならなかったと思うんだけど。特に子犬をフツーの家から平気で盗んでくるあたり(しかも「子犬をくれたらセックスさせる」という約束のために)がだめ。自分に子供産まれると色々変わります。他の西村作品も読み直してみようかしら。

山田芳裕『度胸星』講談社版再読
あと2巻でヤンサン版は終了みたい(打ち切りになった)なのですが…。本当に傑作ですよこれ。大好きな『プラネテス』や『11人いる!』を思い起こさせるSF大作。ぜひ書き下ろしで完結させて欲しい。再読して改めて感じます。

TONO『カルバニア物語』3度目?
佐藤史生は病気真っ最中の時にずぶずぶと入り込んで読むのに最適だし、こっちは病気直りかけの明るい気分で読むのにぴったし。しかし『夢見る惑星』とは書かれた時期も全然違うし、考証のレベルは天地ほども違うけれど(何せカルバニア王国の地図にはど真ん中に「このへん考えてない」という場所がどーんと占めている)、勝敗付けがたくどちらも好きだなぁー。特にカルバニアはこのテケトーなマンガ内でジェンダー問題とかお仕事の話とか身分の話とかをさらっと語っていて、ソレがまたツボを突くんです!!1年1冊ペースだけで現在続刊中だけど、未だ面白さ衰えず。

他には
『日出処の天使』や須藤真澄『アクアリウム(大傑作!)』などつまみつまみ。『日出処の天使』は相方にも好評でした。コレは高校の授業中読んでたっけ。

相方とかムスメにウツらないことを祈っています(ノロ)。

羽海野『3月の…』を読まねば

さる12月1日付のポッドキャスト版『島本和彦のマンガチックにいこう!』を聴いた羽海野チカさんはきっと涙したんじゃないだろーかね。彼女の尊敬する島本氏が、羽海野さんの『ヤングアニマル』での新連載『3月のライオン』をベタ褒めしていましたヨ。

(『3月のライオン』は)毎回毎っ回ねー、私的にはねー、100点を付けてもいいモノをねー。凄いと思ったね。
(中略)

1作目はさーやっぱり楽なのは、楽って言ったらアレだけど、だいたい学園モノ描くの。学園ものって描きやすいし、自分の、生の若い頃の気持ちとか出すし
(中略)

(囲碁とか将棋とかテニスとかをテーマにすると)その世界観をまず確立させるのと、その一番低レベルの所からトップまでを把握して、どういう風にその人(主人公)が成長したり何だリするってゆうのを、分けていかなきゃいけないの。
だから、作品を描きながら勉強しようなんて思ったら、大ゴケしますよ。

ポッドキャスト版『島本和彦のマンガチックにいこう!』12/1より。()内shiro

なんでも『3月のライオン』の編集担当は島本氏の担当になったこともあって、「私の時には実力を発揮していなかったんだけど、羽海野さんの時は…」だって(笑)。

あーー早くコミックス出ないかなぁ。

【私信】vickeyさん、もし見ていることがありましたら、以前webにアップされていた「バーミックスで作る簡単美味しいスコーン」のレシピを教えていただきたいです。

ABOUT

1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。