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ドラマ『妻、小学生になる』感想を改めて

平日。夕方から急に、すべてのやる気が失せた…

こんな時に見るべきエンタメは、いったい何だろう、と考え
Netflixで『妻、小学生になる』を一話から見始めた。二回目の鑑賞。

最後にどうなっているか分かっている上での再見は、ちょっとヤバい位に、1話から泣けてしまって、というか変な声が出てしまい絶対誰とも一緒に観れない状態で。そんなこんなで、2日間で全10話見直してしまった。

インスタ投稿では1話の感想しか残ってないけど、最後まで完璧に好きだった。2回目の鑑賞でその思いを新たにした。


【あらすじ】

10年前に愛する妻(石田ゆり子)を失い、生きる意味を失った夫(堤真一)とその娘(蒔田彩珠)。彼らが思わぬ形で妻と奇跡の再会をするところから物語は始まる。なんと妻は生まれ変わって、10歳の小学生の女の子マリカ(毎田暖乃)になっていた! 夫と娘はそんな妻の姿に戸惑いながらも、10年ぶりに彼女に尻を叩かれ叱咤激励される。この物語は、彼らのみならず、一家に関わる周りの人々が「生きること」に再び向き合おうとするちょっと変わったホームドラマである。

【感想】

あらためて、奇跡のようなドラマだと思った。ちょっと信じられない位に色々なものが巧く噛み合わさっていて。

最初にこのタイトルを見た時の、鼻白んだ第一印象を憶えている。
「よくある転生もの?妻との恋愛を小学生に変えてなんか胸キュン?みたいな?
あーーー。見なくていいかな。」
大好きな毎田暖乃主演にも関わらず、この勝手な思い込みのせいで、観るのがなんと遅れたことか。

だから、このドラマの数少ない、そして最大の弱点は「タイトル」じゃないだろうか。(ちなみに漫画原作なのでタイトルの変更はあり得ない)

観てよかった。出会えてよかった。自分にとって本当に大切なドラマになった。

【以下ネタバレあります】
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福嶋伸洋『リオデジャネイロに降る雪』

未だ半分位しか読んでないけど、これもいいのよねぇ。

こないだ北書店にいらしてた、ポルトガル語翻訳家・福嶋伸洋さんのブラジル滞在記『リオデジャネイロに降る雪』。
まったく異世界文化。祭りを愛する彼の国の人が、土地が、愛しくてたまらない。旅したくなる。高校生の頃に初めて吉田秋生『カリフォルニア物語』を読んだ時の、あの愛する感じに似てる…と思った。

装幀も、すごくかっこいい。

斎藤真理子さんはじめ、新潟出身の翻訳家総勢4名(全員が翻訳家大賞受賞経験者!)が集まったトーク「新潟と、ことばと、翻訳と vol.2」も初回に続きとっても面白かった。感想はまた今度。

『妻、小学生になる。』1話が既にすごい

Netflixで配信中のTBSドラマ『妻、小学生になる。(2022)』1話が凄かったのでメモしておきたい。

【あらすじ】
心から愛してやまない妻(石田ゆり子)を、不慮の交通事故で亡くす夫(堤真一)。
娘(蒔田彩珠)と二人、抜け殻のように10年を過ごしていたある日、自分は亡くなった妻だと言う小4の女の子・万理華(毎田暖乃)が家を訪れる。あまり邪険にも扱えない二人に対し、万理華はまるで当たり前のように話し始めた。

【感想】
ドラマの1話だけなのに、まるで映画1本のような満足感。
(だから未だ2話も観ていない)

こんな荒唐無稽でリアリティがなくて、いっくらでもアレな作品になり得るような、難しい設定なのに。
すみませんもう1話からちょっとビックリするほどに泣いてしまった。

脚本・演出、そして何より、俳優のチカラ!
何度も書くけど、いくらでもコケそうな話をこれまでの傑作にしているのは奇跡。ちょっとタイムリープものの感動にも似ている。

万理華役の毎田暖乃がマジで!神がかってる石田ゆり子にしか見えない
もう以前から私イチ推しの俳優。
おちょやん→あなたのブツが、ここに→虎に翼などなど、出てくる度に感心させられてきた。よくある「ギフテッド」=天才の子を演じる子役俳優って、なんて大変なんだろうと思ってきたけど、このドラマの難しさも、似たトコあるよなぁ。やーすごいよ。

堤真一:プロデューサーのインタビューで
「かつて堤さんが主演された映画『クライマーズ・ハイ』がすごく好きで」オファーした、と書かれていてまぁ嬉しい。

蒔田彩珠:彼女も私イチ推し。『重版出来!』からかな。『おかえりモネ』はじめ、ちょっと書き切れない。今は『御上先生』で活躍中。

堤の会社の上司・森田望智:彼女もいくつもあるけど『おかえりモネ』『作りたい女と食べたい女』が良かったなぁ。もちろん虎に翼は最高!


毎田暖乃のお母さん・吉田羊:1話では出ただけ。

これだけ好きな俳優ばかり出ていて、(当時評判もめっちゃ良くて)何故!今の今まで観ていなかったのか!バカバカバカ。
ひとえにタイトルのせいなんだよな…。なんというか、分かりますかね?
でもこればっかりは原作モノらしいので仕方ない。

脚本は『凪のお暇』『サヨナラまでの30分』『水は海に向かって流れる』の大島里美。
プロデューサーは『凪のお暇』『重版出来!』『JIN(第2期)』の中井芳彦
※当アカウントで過去の作例を表記する場合、自分が観たものだけを書いています。

1話があまりに良くて、すぐに2話を見なくても満足しちゃってる。こんな体験はあまり覚えがない。また続きが楽しみなドラマが増えた!

※関係記事を検索しようとするとネタバレにあたりまくるのがちょっと辛い。我慢しないと。

泥ノ田犬彦『君と宇宙を歩くために』感想

NHK『あたらしいテレビ』で吉田恵里香さんが推していた、泥ノ田犬彦『君と宇宙を歩くために』(アフタヌーンコミックス)既刊分読了。

【あらすじ】
勉強もバイトも何故かうまくいかない、どこか生きづらさを抱えているヤンキーの小林。そこに変わりモノで生真面目な転校生・宇野が現れる。彼も様々に生きづらさを抱えているが、メモ帳に対処法を書いて持ち歩いていた。彼のメソッドの凄さに気付き尊敬していく小林。2人は次第に仲良くなり、一緒に天文部へ入部することになる。

【感想】
すごく好き。この気持ち良さは『ヤンキー君と白杖ガール』に似ている。「誠実なヤンキーの魅力」か。いや、相手役となる転校生・宇野と白杖ガール・赤座ユキコとの共通点もあるような。この組合せ、今後もいけるんじゃね?

とかそんな簡単なもんじゃなくて、両作品に共通しているのは徹底した当事者目線と取材の深さ、エピソードへの落とし込みの巧さ。「ちょっとこれ、おかしくない?」て所がない。ひっかかりがないんだよね。あと本当にイヤな人が出てこない。

ちなみに主役の2人、明らかに発達障害の傾向がある。ADHDやひょっとしたらLDも。ではなぜこういった名称が出てこないかと言うと、これも直接の明言ではないけど「舞台が平成だから」と作者が1巻あとがきにやんわりと書いていた。あの頃、世の中で「発達障害」とその詳細がどれだけ認知されてたかということだと思う。なるほど。

確かにこの10年で認知度は大きく変わったし、書籍やエンタメも多く世に出て来た。おかげで我が家もすごく助かった部分がある。
このマンガで救われる人もきっと多いだろう。

「このマンガがすごい!オトコ編1位」他いくつも賞をとっているのも嬉しい。多分もうドラマ化なんかも動いているんだろうけど、頼むよ…
色恋沙汰とか変なアレンジしないでね。ちゃんと、お願いしますよ。

『ヤンキー君と白杖ガール』のドラマ化は本当に、本当に素晴らしかった!主演は去年のドラマ女王だった杉咲花。

ちなみに『ヤンキー君…』のドラマが放映された2021年を過去記事で振り返ると…すごいなぁ。
大豆田とわ子、コントがはじまる、おかえりモネ、ヤンキー君(杉咲)、今ここにある危機とぼくの高感度、おちょやん(杉咲)、秘密の森…
当時もそう思ってたけど、あとから見ても改めて、とんでもない年だったんだ。

さて2025年、どんな年になるでしょうか。


我が家の漫画コーナー

NHK『あたらしいテレビ』感想

元旦恒例のNHK『あたらしいテレビ』。

NHK、民放、映画、配信、出版、ネット界隈に関わらずさまざまな業界人を集め2024年のコンテンツを1時間に渡って振り返る番組。

今年は吉田恵里香、山中瑤子監督が入っておお〜と思ったが、内容的には去年おととしのような、すげー!というとこまではいかなかったかな。でも面白いから興味ある方はプラスでやっている間にぜひ。

YouTube界隈の話はまったく知らない世界ばかりで、その人の肩書きや業界がどうのということでもなく、もう皆が知ってる共通の話題なんてあり得ないんだ、ということが改めて分かる番組だった。かろうじてテレビが少し繋ぎ止めている、という位で。

だから自分にとってアトロクがどんなに貴重なのかってことなんだよな…。

●NHK『舟を編む』の脚本家、蛭田直美さんが2025推しに選ばれていたのが嬉しかった。『海に眠るダイヤモンド』でエライザさんいいじゃん、とちょっとでも思った人には『舟を編む』絶対観て欲しいなぁ。2024ドラマのベスト。エライザさんが凄まじく、良いです。

●フジテレビの田中良樹D(『新しいカギ』など)が言ってた「テレビは5〜6年前にあせって上の層(年輩)ばかりを狙っていた時期があって、今はそこからリカバっている最中」的なこと言っててへぇー。

●高石あかりちゃんの2024レコメンドのラインナップがなんか良かった。XGいいよね…

●インティマシーコーディネーターについての高嶋政伸コラムを挙げたドラマ批評家の方がいて、かなりの時間を割いてICについて当事者が説明していた。確かにそうで、こういうNHKの番組で挙げてもらったのは絶対良かったのだけど、あのコラムはあれであまりにもメンタル面をすべてICに?という誤解も生みそうで、IC入れればOKって話でもないというまた次のステップの話があって、とかあるよね。あとふてほどのあの回の酷さに言及はなく…当たり前か。そう言えばふてほどを挙げている人はいなかったな。

●吉田恵里香さんの推しマンガ『君と宇宙をあるくために』買うぞ。

『GALAC』12月号で虎に翼の記事を読む

テレビとラジオの批評誌『GALAC』12月号

初めて買った。編集発行は「NPO放送批評懇談会」。

たしか岡室美奈子さんのXで知った「朝ドラ『虎に翼』が開いた扉」特集が素晴らしい。全20P。

冒頭の座談会、脚本の吉田さん制作統括の尾崎さんまでは良く見るとしても、梛川善郎チーフ演出、石澤かおるPまで加わった4人はなかなか読めない。その後の寄稿も、どれも素晴らしかった。

そもそもの企画の発端と、その後尾崎さんがこの人達を座組として選んだ理由が、詳しく語られている。また、『家庭裁判所物語』という著作があるNHKの清水聡・解説主幹もキーマン。彼は「歴史司法」戦前戦後の司法を専門にした記者だが、これらの本はNHKの取材ではなく個人で時間をとって調べ上げ書いたそう。この清水氏が制作チームの一員として考証に入っている。NHKで脚本作業をしていた吉田さんが「普通は脚本家が直接会うことの少ない」考証の人とNHKの食堂で気軽に会えることの大切さを語っている。現場のこんな話、なかなか聞けない。清水さんは同誌別ページで考証の寄稿もされている。

『虎に翼』は現代の問題を盛り込み「今過ぎるのでは」という声も聞こえた中、それが単なる場所借りではなく、調査や検討により「昔もそうだった」という推測に至った話とか。

痺れたのは撮影のこと。
「今作はマスターショットがうまい。従来朝ドラのようにマルチカメラスイッチングでバンバン繋いでいくのではなく、アングルを決めてそこの中で芝居をするというショットが多用されている」そうで。

配信ドラマはもちろんNHKのドラマも軒並み映像のクオリティが上がっている中「朝ドラだから映像はそこそこで仕方ない」とは言えない。朝ドラにありがちな「小さなセットを写すためのワイドレンズでルーズな俯瞰」という画になった瞬間、途端に醒めてしまうから、できるだけ長い玉(レンズ)でひいて撮るようにしている。全部にピンが合うワイドレンズでどこを見たらよいか分からない映像よりも、1枚の画で役者の芝居と世界観が表現できるようにしたいと考えた。この撮り方は美術にも影響を及ぼしつつ、従来の朝ドラとは違う撮影が実現できた。

あの印象的なカットの数々は、こういう名監督の元で生まれたのだな。

前に「とらつばナイト」で書いた、女学校の先生のカット。これは脚本ではなく梛川演出によるものらしい。座談会でわざわざ取り上げられていて、感激。

同じ方向を向いたさまざまなスタッフがお互いに意見を出し合いそれを採り入れていく現場。
「撮影現場でも、年齢も性別も違うメンバーが、とりあえずこのシーンをどうするかについて相談するときだけは、誰もがフラットに想ったことをしゃべれるという空気を一番大事にしていました。それは『虎に翼』の芯にある憲法14条の精神みたいなことで、このドラマを撮っている以上、そうでなきゃいけないだろうと。」という梛川さんの言葉に痺れた。

仕事としてではなく、個人として、経験談を話したり議論が起こるような撮影現場だったそう。
「例えば女性の照明スタッフが、寅子が再婚して苗字をどうするかというエピソードの撮影時には、自分はどうするんだろうと真剣に考えてしまったという話をしてくれたり、彼女と伊藤沙莉が撮影後にそんな話をしていたり」

以前『虎に翼』は歴代朝ドラの中でNo.1とか、そういうベスト枠には嵌められない、別枠だ。ということを書いたけど、この特集を読んでやっと分かった気がする。

今作は、受け取った人がその中身を自分事にしてしまう力を持っている。別世界のドラマではなく自分のこととして語り出し、つないでいくバトンを確かに手渡したのだ。だからロスどころか、これから引き継いで、続けていく物語なのだと思う。

『虎に翼』以前との違いは、何が正しいのかわからなくなったとき、憲法第14条が、そしてこのドラマが、私たちを等しく照らし出す『灯台であり続けるということだ。
それは朝ドラの未来への1つの希望に違いない。
(批評の目「朝ドラの現在地と『虎に翼』が紡いだ未来」岡室美奈子 同誌より)

『虎に翼』が終わった。大感謝。

NHK朝ドラ『虎に翼』が9月末に終わった。

この半年、本当に楽しかった。これまで何度も書いているけど、NHK朝ドラの出来というのは日本全体のメンタル景気を左右すると思ってる。それ位大切なコンテンツ。おかげさまで幾度ゴミのような気分の朝に救われてきたことか。

とてつもなく多くの人に、それも老若男女・主義主張関係無く、問答無用でまずは観てもらえるという超・特殊なTVドラマ枠、「連続テレビ小説」通称朝ドラ。

だからこそ少し変な風潮や常識やタブーがまかり通り、一見制約だらけのように見えた、その枠に。

ジェンダー問題・法律問題をはじめあらゆる社会問題をブッ込み、エンタメとして成立させ、どころかすべての登場人物が愛おしく、心から愛せる物語を書き上げた脚本家・吉田恵里香。その脚本を至上の映像に創り上げた製作陣、期待に応えきった俳優達に、心からのリスペクトと感謝を捧げます。ありがとうございました。

直近では『らんまん』が大好きで、かなりインスタでも感想を上げていたのだけど、とらつばはもう毎日が見どころ満載で、とても画像付きのインスタでは追いつかずThreadsでしか書けなかった。

今週末には「とらつばナイト」がいよいよ開催なのだが、そのために全エピソードダイジェスト(各話一言紹介)を見直していると、1話に対していくつも話したいポイントがあって、とても追いつかない。まず時間内では皆さん話しきれないんだろうなーと思う。
そうなったらまたお茶会でもなんでもやろうよ。いつまでだって話して、いい!

さて面白い朝ドラが放映されるとおよそ「歴代朝ドラベストはなに?」的な話題が盛り上がるのだけど、自分は『虎に翼』が自分内ランキングのどこにも収まらないと思ってる。それ位異質だよね。もしとらつばで初めて朝ドラに触れた人がいたらお伝えしたいけど「こんな朝ドラは金輪際なかった」のです。これからも、期待するのは厳しいように思う。

ちなみにとらつば以外の自分ランキング

1)カーネーション、あまちゃん、おかえりモネ
2)ひよっこ、あさが来た、スカーレット
3)おちょやん、べっぴんさん、らんまん

そもそも朝ドラを観るようになったのは『カーネーション』がきっかけ。それから今までは全部の朝ドラを、最低2週間は見るようにしている。(という自分ルールを初めて破ったのが『おむすび』だった…)上に挙がっていない作品は多くが、どこかで離れてしまった。

NHKオンデマンドがはじまってからというもの、リアルタイム放映の朝ドラがNot for meな場合に、毎朝同じ時間からオンデマンドでお気に入りだった朝ドラを観直すという「自主朝ドラ」を始めた。これでメンタルの平穏をなんとか保っている。昨年は『おかえりモネ』『あまちゃん』を終えた。どちらの作品も、もう1度見直しても良い位傑作だと思う。

だから『虎に翼』が終わって、今ロス?かと言うとまったくそんなことなくて、今は自主朝ドラで絶賛放映中なのです。今日は直言の無罪が決まり、ヒャンちゃんのお兄ちゃんが連行された。今リアルタイムでめちゃ盛り上がってますすみません。

今回とらつばナイトに事情で参加できなかったとらつば好きの皆さんがいたら、いつでも付き合うのでお茶しましょう。
ではでは、週末。

2023年に観た映画ベスト

2023年映画・ドラマ振り返り

2023年、劇場で観た映画は8本、自宅鑑賞が33本、計41本。多分。
例年に比べると劇場鑑賞がとても少ない(昨年を除き通常は20本程度?)。自宅分はまぁ、平均的な本数。

9月以降はずっと、何も観る気が起こらないというか動ける気がしない期間が続いた。なので年間ベストは上半期ベストと殆ど変わっていない。いくつか次点が追加されただけ。映画館に行く気力も自宅で観る気も起こらなかったけど、TVドラマは、特に地デジをいくつか追っかけていた。

あと特に後半、なぜか韓ドラがピタっと止まってしまった。気力がない。『D.P.』S1は例外的に完走したがこれは1シーズン6話という前情報があったから、だった。

それぞれの感想は #movie_tv_dsm に書いてある、のだけど今のインスタの仕様では10数本しか遡れないんだよな〜。残念。インスタ感想文は自分自身が読み返すため、というのが大きなモチベーションなので、この仕様変更をきっかけに映画感想zineをつくることを決心。したのだけど、未だ全然進んでいない。

映画よりもドラマの方がインパクトあった年かも…
よしながふみ原作『#大奥』『#きのう何食べた?』2作の奇跡的な実写ドラマ化については先日書いたばかり。

見返すとこのアカウントでの露出が一番多かったのは朝ドラ『らんまん』だった。観るたびに「黙ってられない!」て感じだったのだろう笑。久しぶりに毎朝が楽しみだった!心より感謝。

Netflix『#舞妓さんちのまかないさん』はたしか3回観た。色々メンタルが低空飛行している時期で、その頃一番助けられた覚えがある。サントラは今でも会社BGMリストに入っている。大傑作。

NHK『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』主演の河合優実が本当に素晴らしい。ダウン症当事者の弟役の吉田葵も。そうそう福地桃子も最高だった。このドラマは前半が特に素晴らしかったように思う。

Netflix『ONI 』は、『トトロ』の後継、新しい日本のスタンダードじゃん。と観てる間思っていた。日本とハリウッド(ピクサーOB)の融合。#トンコハウス の今後に大きく期待しています。

掲載していない作品で記憶に残っているのは
『君たちはどう生きるか』面白かったとは単純に言えないけど、絶対に映画館で観る価値があった。
『FALL』強烈なホラー。
とか、かな〜

今年は正直メモもあやしくて、落ちてる作品もありそうだけど、まぁいいや。
このブログに掲載している作品を見て、結構気が合いそう…と思った人はぜひ2024年一緒に「あれ良かったよね〜」話でお茶しましょう。そういう時間が好きなんです。

映画『無限ファンデーション』感想

新潟シネ・ウィンドさんがFacebookで激推ししていた『無限ファンデーション』の最終上映に。ナイト上映はありがたいな〜!ネタバレ無し感想。

とある発表会を巡る演劇部女子高生の日常を、なんとほとんど「即興」で撮った作品。2018MOOSIC LAB参加。監督は『お盆の弟』大崎章。『リンダリンダリンダ』の監督補をやっていたのを知った時はなるほどと思った。匂いが似ている。

こんな「演技」は滅多に観れるもんじゃないな。どんな演出もきっと叶わない、ドキュメンタリーとすれすれの生々しい演技。当然セリフも被ったりするし。どう展開するかも役者まかせだったそうだ。途中で女子アルアルな分裂に入った時はウチの娘の様子や昔の記憶も被ってちょっとひいちゃうところがあったけど、全体になんとも言えない魅力があって惹き付けられる。で、きっと自宅のTVで見ていたらこうはいかなかっただろう。

(お互いそうだと思うけど、「男だけだったら絶対こんな嫌な感じにはならないよな…」って類いの女子グループのギスギスあるじゃない。アレのめっちゃ静かでリアルな描写があってね。コミュ障主人公が「女子ってもっと素敵な生き物だと思ってた」ってセリフに苦笑)

すごく難しいだろうけど、できれば「即興で撮った」という前情報は無しで観たかった…。ストーリー展開が任されている以上、役者はその後の物語にどうしたって責任を感じちゃう部分があるだろうな〜なんて想像しちゃうし、「後でこうするために、だからこういう反応だったのかな?」って余計なノイズが入っちゃうところがあって。それは残念。

劇中に出てくるウクレレとピアノで歌うシンガー、西山小雨。歌も、天使のような役柄も最高!最高!彼女だけでも観る価値があった。観終わってCD買っちゃったんだよ…。(YouTubeにもあるのでぜひ)
コミュ障で服飾デザイナーに憧れる主人公を演じた南沙良もすごく良かった。『だから私は推しました』のハナを思い出す。これは撮り方なのかも知れないんだけど、南沙良、シーンによって驚くほど違う顔になる。別人?と一瞬思うほど。

即興演出の結果が通常の映画演出を「超えた」とは思わないけど、別物で、これはここでしか観れないものだったし、観る価値はすごくあった。

【苦言】先生役の人の演技がちょっと…。演出をしない、という手法が裏目に出ちゃった例ではと個人的には思う。

女子高(当作は女子高じゃないけど男子生徒は一人しか出ないし殆ど喋らない)の演劇部モノといえば吉田秋生の超名作『櫻の園』、随分前の作品だけどもう1回観てみたいな…
あと藤田貴美の『ご主人様に甘いりんごのお菓子』に入ってる短編が神作で、あれはぜひ映像化して欲しい…

ウィンドでは安藤さくら&井浦新『かぞくのくに』と『ボーダー二つの世界』が面白そうだった。要チェック。

『バッタを倒しにアフリカへ』他感想

併読するにも程があるってもんで、手が付いてないのも、読み終わってないのも沢山。でも皆面白くて…。

『重版出来!(12)』12巻にしてまったく衰えないどころかアップグレードしてる。安井さんがここにきて…脱帽。

『古本屋台』日本酒を飲みながら読むのに最高お薦め。

氷川竜介『倍蜜の人生』自費出版の自分史で、年ごとの時事ネタが懐かしい。セルフ出版で編集者がいないとはこういうことか、と比較して初めて意識されるものですね…。でもだからこその勢いが読み所。出会えて良かった。

大作SF『零號琴(れいごうきん)』にも夢中だがまだ途中。

それより一気に読み終わった大傑作が『バッタを倒しにアフリカへ』。学問研究エンターテインメント。お調子者な表紙&タイトルのくせに、中身はまっとうにバッタ研究を追い続ける学者の苦闘のドキュメント。それを見事な文才で波瀾万丈のエンタメに仕上げている。学者とは何をどうして食べていってるのかが、すごく良く分かる。クライマックスが何度も訪れ、泣かされる。筆者の「研究」に対する意欲と愛が全編を貫いていて、感動を呼ぶ。

黒田硫黄の新作はちょっと…。こういうとこで前述の吉田秋生やゆうきまさみやくらもちふさこの、何十年経っても新しい感動を生み続けるという奇跡を思う。『かげきしょうじょ!』の作家も晩年の『ぶ〜け』に描いていたらしいので当時は読んでいたのかも。これも大傑作。

榎本俊二『映画でにぎりッ屁』もさほど。漫画家の映画エッセイはいくつも出ているけど、いわゆる「映画好き」や「シネフィル」なマンガ家の描いてる内容はいままでも大抵ピンとこない。このニュアンス伝えるの難しい。自分はもともと映画嫌いだから見どころも違うし当然ちゃ当然。自分の「脚本至上主義」が改めてよく分かる。
3月のライオンと乙嫁語りも新刊出てる。ああシヤワセ。

NHK『ワンダーウォール』感想

NHK『ワンダーウォール』観ました。渡辺あや脚本でNHK京都制作の単発ドラマ。7月に放映されてから各方面で大きな話題を呼んでました。いやー強烈だった。

そしてお膝元の京都からこないだ出たばかりのムック本をいただいたり。ええー買うのに!と思って奥付見たら誠光社さんが出しているんだ。なるほどこっちでは入手が難しいのかも。 @makotokawamura さん、サイコーです!ホントありがとうございました。これがもう最高に素晴らしい1冊で…言葉がタリナイ
ドラマは NHKオンデマンドで200円ちょっとで観れます。興味ある方はぜひ。

【ドラマあらすじ】
京都の歴史ある学生寮「近衛寮」は、一見無秩序のようで、私たちが忘れかけている言葉にできない“宝”が詰まっている場所。そこに老朽化による建て替え議論が巻き起こる。新しく建て替えたい大学側と、補修しながら今の建物を残したい寮側。議論は平行線をたどり、ある日両者の間に壁が立った。そして1人の美しい女性が現れる。
乱される心と秩序。純粋で不器用な寮生たちの青春物語。
(公式サイトより)

冒頭から引き込まれ、ドラマを通底する劇伴の素晴らしさ。サントラ欲しい(出てない)。
オーディションで集められた若手俳優達のリアルな演技。最初に対峙する「壁」への圧倒的な無力感。あの感じ。
敬語禁止、多数決禁止、全会一致が原則の今時期想像できないようなアナクロ学生自治寮。セットだと聞いても信じられないリアルな寮。その居心地の良さ。だからこそあのゲロはマジヤメロ〜(観てた家族全員で叫ぶ)
最後え?というあっけなさで終わるんだけど、だからこそ何度も観たくなり、考えさせられる。
美術と劇伴が素晴らしい。

このドラマにいたく感動した大友良英が自身の「JAMJAMラジオ」に渡辺あやを呼んだ回(全2回)がとっても良くて、その中で渡辺あやがこのドラマを作るきっかけになった、企画を持ち込んでいる25歳のNHKディレクターの話をしていて、その若い彼を通して、今も変わらず学生が心のどこかで求めている「目的のない場所」の必要性について語っている。

寮の大切さは建物だけではもちろんなく、そこに集まる学生たちを包み込む「場」の質。それを担保するのが建物だったりする訳だ。でも今の時代、こういう場所に出会う機会がそもそもない。だからなくなる危機自体に気付かないんだけど、ふとしたことで出会ってしまったそのNHKディレクターのような人が、そのことに気付き、それを動機として物語を作ろうとしているのって、とても正しいんじゃないかと思って脚本を受けることにしたと。この話がやけに印象に残っている。自分も寮じゃないけど、やっぱり大学時代に一瞬だけど、そんな場の力を感じることがあった。同じように古くて、今はもうないサークル棟だ。酷い時は毎日のように吞んでビデオを編集して、泊まっていた。あの夜越しに友人とした話の内容は、何故か今でも結構覚えている。

【ムック本】
ちょっとドラマの写真集とはとても思えないクオリティです。あの空気感が見事に現れている。
撮影&著者が澤寛。

寄稿が内田樹、澤寛、渡辺あや、大友良英。それぞれがイチイチぐっとクる。
内田樹さんはご自分が勤められていた神戸女学院の校舎を設計したW.M.ヴォーリズの設計意図をもって、あらゆるところにあった「学びの比喩」について語る。

渡辺あやは、「田舎」がそのパブリックイメージにより「捨ててもいい」という見られ方を当たり前にされることに対して「名前のついていない病気のようなもの。だから誰も気にせず淡々と進行する」と書く。その極めつきが学校がなくなること。それは未来と同時に過去を奪われてしまうこと。共同体が癒やしようのない傷を負い、いずれは死に絶えてゆくしかないということだと。死因の1位が「自殺」である田舎と、その原因を20年越しに考えて続けてきた彼女に、今回のNHK京都のオファーはすっと落ちたらしい。

でも、この本の中にはモデルになった「吉田寮」のことは一言も書かれていない。一番肝心なその場所を巡る話、その場所が渡辺あやや役者やスタッフに与えた希望と絶望について、一切書かれていない。渡辺あやはその「書けない」ことについてもちゃんと言及している。「私達は今、そういう社会に生きている」

あやさんのドラマがなぜ心に響くのか、前述のJAMJAMラジオで大友氏がずばっと聞いていて、それは単純ではない社会の複雑さ、壁のこちら側だけではなく向こう側までも平等に、ちゃんとドラマに落とし込もうとしているから。ドラマならそれができると信じているから。いいも悪いもなく事実を配置し、その配置で感じてもらうことができるから。
でも、だからこそ、「壁」に阻まれお蔵入りになっている脚本が、彼女にはたくさんあるらしいです。彼女自身もそういう「壁」とリアルタイムでずっと戦ってきた人なんだな。もちろんこのドラマも。

『SWITCH 是枝裕和の20年』2015


買いそびれていた2年前の特集号を取り寄せ。最近ラジオで是枝監督が話していることを聞く機会が幾度かあって、それは映画監督じゃなくBPO(放送倫理・番組向上機構)の委員長としての立場からだったりもあるのだけど、仰ることがイチイチ符に落ちて共感できるので、もっとこの人の言ってることを読んでみたいと思った。分厚い単行本に手を出す前に、『海街diary』ファンとしてこの1冊。

すげーー良かった!!!冒頭の樹木希林との対談(これは海街は殆ど関係ない)からがっつり引き込まれ、海街の4姉妹全員それぞれの個別インタビュー、4姉妹全員+監督のディスカッションと続き、どれも素晴らしい内容。斎藤工君の監督へのインタビューも実に鋭くて気持ちいい。節々に少しづつ出てくる吉田秋生先生とのやり取りの軌跡を感じるのも原作大ファンとして嬉しいポイント。

映画・海街diaryファンは絶対読んだ方が良いと思う。
だめだー盛り上がっちゃって、もうこれは豪華版BD-BOX買うしかないな。菅野よう子のサントラもすごく良いのだよね(音楽に菅野さんを推薦したのは長澤まさみさんらしいよ)。

くらもちふさこ『花に染む』完結

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くらもちふさこ『花に染む(8)』10年の時を経て完結。高校の弓道部をメインにしたこのタイトルだけじゃなく『駅から5分』や短編も含めたさまざまなストーリーが同じ街を舞台に展開していくという、大掛かりな設定。

10年以上も経つと正直覚えていられないので後で全部読み直さないと全部が頭の中で繋がらない。しかしくらもちふさこさんも、吉田秋生さんも、あの歳になって中高生の心の機微をこれだけ繊細に書けるのは呆れる程だし、これが少女漫画家を追っかける醍醐味だとも思う。

80年代に読んでた別マでくらもちさんは正直好きではなかった。紡木たくやいくえみ綾の全盛期で、絵柄のイケてなさもあったと思うけど、何よりその描かれていることの「普遍性」が、自分が別マに求めていたものと違っていたんだろうなぁ。その後の『天然コケッコー』でまずガツンとやられ、それ以降のくらもち作品はすべて大ファンだ。『夜叉』で一回離れてしまった吉田秋生さんに、『ラヴァーズ・キス』や今ナンバーワンとも言える大傑作『海街diary』で再び虜になってしまった経緯と似ている。くらもちさん、次回作にも大期待です。

吉田秋生『櫻の園』藤田貴美『ご主人様に甘いりんごのお菓子』再読

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久しぶりに吉田秋生『櫻の園』再読。『吉祥天女』や『河よりも長くゆるやかに』と合わせ高校時代本当に好きだった作品。時代感というか「恋愛観」の違いが気になって、最初は正直「あれ?」という感じだったのだけど中盤からその違和感も消えた。思うに吉田さんは男性の描写はものすごくリアルなくせに(最初は男性作家さんだと思ってた位)、女性の描写って時にファンタジー、というかお花畑なところがあって、そこがぐっと来たりするんだけども、こんな風に後から読むと気になる時もあるんだろうな。前半のヤる・ヤらないの話が終わり演劇部の部長の話になった辺りからはあの頃と同じ気持ちに戻っていた。やっぱり傑作や。

再読したのは、最近とあるBLをオススメされ読んで、自分は「恋愛が中心の物語は、ジャンルを問わず読まない」と思っていたんだけど、果たして本当にそうなのか、と疑問に思ったから。この大好きな『櫻の園』は(ヘテロも同性もあれど)普通に「恋愛が中心の物語」だろうに、何故?そんなことを再確認してみようと思って。で、なんとなく分かったのは「恋愛を『目的にしている』人」の物語に興味がないんだな、ということだった。何をしていようが否応なく割り込んでくる避けがたい感情、そういうものを描いた話は好きだけど、そこを目的にしている人達のお話には、興味が湧かない。ま、どーでもいいことなんですけど。

並んでいる藤田貴美の短編集『ご主人様に甘いりんごのお菓子(1)』。これ、分かってくれる人にはすぐ分かるんだけど(というかこないだTwitterでフォローしている人がこのこと書いててめちゃ嬉しくなった)、最後に女学校の社交ダンス部(演劇部だと思ってたら違った)を舞台にしためっちゃ好きな短編があるんですよ。ホント恋愛の話でしかない。だけどすべてのコマが愛おしい。櫻の園とルックは全然違うけど、櫻の園を読んだ後に読みたくなる作品です。改めて読むと足の描写がすごくて、作者もあとがきで「作ってても描いてても楽しかったですね。特に足」と呟いてた。藤田貴美の描く顔や身体のラインがすごく好き。と話がとめどなくなるのでこの辺で。

【日記】年末のこと

子供が産まれてからは、恒例だった年末の振り返りタイムを作ることが叶わなくなりました。だからって別になんだ、というアレじゃないんですけど。以前は手帖に1年の総まとめを何時間かかけて書いてたものです。

昨年末は仕事納めと同時にインフルエンザにかかった自分。今年は一家揃ってなんの病気もありません。休みに入ってからはずっと家族で家のことをしていました。飽きたら買い物出たり。皆で料理つくったり。本当に、これ以上ないシヤワセな時間です。たまには娘のバレエの時間やなにかを使って一人で映画を観る(今年からはずっとAppleTV内iTunesレンタルを使ってる)時間もあって。最高です。

今年は長女が早い反抗期(小3)に入りいつも家庭内がギスギスしていましたが、自分が家にいてフルサポートしていれば、結構な平和です。なんのことはない、妻の不満は半分以上、普段家庭にあまりいない夫に対して発せられてるワケで。母娘喧嘩はありますが、今は頻度も少なく長続きもしない。長女も、夫婦揃っていることによる家庭の平和な感じを敏感に感じているようです。

姉妹には今どちらにも好かれています。まだ、家族がちゃんと繋がっている感じがちゃんと実感できる時期です。子育て、というか子供と共に育つ人生は、常に一瞬一瞬が、繰り返すことのないかけがえのない時間だと思います。

家のこと。年末近くに妻が普段の収納の不満を一気に解決すべく、これまで俺が許さなかった(笑)無印良品のプラスチック収納ケースを強行手段で大量に導入。そこでストレスが一気に下がったというのもあるんだろうな。相談しても言葉だけ聞いて(「古道具でそのうち探すから」が口癖)対策もとらない俺に郷を煮やし、これは「相談せずに強行」が最善策だと判断したそうです。いちいちごもっともでした。良い判断だと思う。しかもちゃんと表には見えない場所にだけ導入している。これはありがとうを言うべきところです。

マンガ問題。これは今も悩んでいます。家の設計上、父の部屋は開かれた半公共スペースになっています(これは自分が自営業で、会社にいくらでも自分の場所を作れているから)。子供は親の目を盗めばいつでも父のマンガを読むことができる。それ自体は問題ないと思っていたのですが、やはり反抗期も重なり、放っておくとそのことだけで何もしなくなってしまう。妻の悲痛な訴えにより、今年は殆どのマンガを段ボールに入れて出せないようにしていました。その結果、娘の自由時間は増え、その間に図書館から借りてきた年相応の本を読んだり絵を描いたり、まぁなんでもやるワケですよ。空き時間が増えた。

年始は大勢のお客が来るので、この段ボール状態も申し訳なく思い、この休暇中にまた一度すべて本棚に戻しました。で、今後は「娘に読ませたくないマンガ」を置かない、という自分内ルールを決めて、対象のマンガを一挙処分。「娘に読ませたくない」というのは、「自分の中でも解釈がハッキリしていない」ことでもあります。刺激や、何かの打開のきっかけとして読んでいたもの。そういうものは、俺からじゃなくて自分で出会って欲しい。高校生とかになったら別ですけども。自分も、1番マンガに出会ったのは高校生だったし。

それだけでなく、「俺が手許に残しておく意味ないだろ」というシリーズも処分。たとえば『バガボンド』『ブラックジャックによろしく』とかね。
前述の自分の中で整理できない『アイアムアヒーロー』とかも含めて、かなりキレイな状態のマンガもたくさん含めミカン箱2〜3箱ブックオフに持っていったのに総計3,000円弱。いつも間違いなく期待を裏切ってくれるぜ、あの店は。

年末に「今年の映画ベストを語る呑み会」を開催してからすでに数本鑑賞。特に『キングスマン』『海街diary』は完全にベスト上位に入る傑作。『海街diary』は原作信者としても本当に驚くほどの出来。吉田秋生原作映画としても勿論歴代No.1は間違いなし。BD出たら買いたい位です。あらゆるシーンの画の美しさったらない。そしてすべての演者が光ってる!原作の脳内補完も合わせて夢のような時間でした。

今年観た映画は、劇場、レンタルなど合わせて50数本。huluに入ったのも大きかった。レンタルはすべてiTunesに移行。TSUTAYAという会社の姿勢や店員教育など色々なことが好きじゃなくて、あそこにお金を落としたくなかったので、その目的は達せられて満足です。延滞もないし(つまらなかった映画に限って延滞するよね!)、全部貸し出し中で残念!ってこともないし、夜中でもその気になればすぐ観れるし、配信ていいですよ。500円は高いけど、レンタル往復のガソリン代だけでも結構使ってるよね。延滞1回で300円とかあるし。ただiTunesだけではとても観たい映画を全部フォローできないけど。基本新作ですね。検索なんかもAppleTVは超使いにくい。

あ、時間があればブログで50数本の一言レビューとかやってみたいな〜。難しいだろうけど。

さて、気持ち的にはTwitterじゃなくできるだけこちらのブログで書いていきたいのだけど、なかなか難しいかったです。来年はきっと新しいMacBookを買うので、それで少しでも移行したいと思う。来年に期待!
(ちなみに2015年、Facebookからはかなり離れました。完全に仕事宣伝用です。)

  

獸木野生『パーム』トークイベントへ

2014年4月10日(木)、獸木野生氏作のコミック『パーム』シリーズ、初の公式トークイベントが池袋ジュンク堂本店で開催され、新潟より行ってまいりました。30年以上続いてきた作品の、初の関連イベントです。言わずもがなファンにとっては本当に本当に貴重な場となりました。かなり長文で余計なことも書いてしまいそうですが、レポートを残したいと思います。
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あまちゃん第139回:この顔

ついに3.11がやってきた先週。当日のことを描いた月曜日(第133回)の歴史に残る素晴らしい演出についてはどこかでまた書くとして、正直火曜以降の展開はあまちゃん始まって以来のダラダラ脚本だったように思う。確かにそれがリアルだった。3.11後のあの空気が少し蘇った。だけどドラマとしての、これまでのあまちゃんの密度からしたら、自分的には少しがっかりした週だった。

さてさて、そんな雰囲気も今週からは少し変わってきたようだ。特に震災を経たユイちゃんの演技がすごい。目が離せない。

ちなみに(ユイちゃんとは関係ないけど)昨日の放送(139回)でもモーレツに印象に残って忘れられないのがこの表情だった。
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奇跡の生還を遂げた三陸鉄道の車両を、倉庫で待っていた地元民達。当日ユイちゃんと一緒に列車に乗っていた鈴木のばっぱが、
「オラのことを守ってくれた北鉄さ、お礼言わねば」
と語っているのを聞いている、吉田副駅長の顔。

  

あまちゃん第91回:ユイvsアキ

北三陸に帰省中のアキ(能年玲奈)は、ユイ(橋本愛)に呼び出される。かつて、地元アイドルとしてステージに立った思い出の海女カフェで、二人は本音をぶつけ合う。ユイはアイドルを目指し、上京を夢見ていたが、父・功(平泉成)の病と母・よしえ(八木亜希子)の失踪により北三陸に留まらざるを得なくなり、すっかり投げやりになっていた。アキに冷たい言葉をぶつけるユイ。アキはこれまで秘めてきた思いを伝えるが…。

NHKオンデマンドのあらすじより)

すごい回だ。
あまちゃん史上かつてないシリアス回。何がって、海女カフェにアキを呼びだしといて罵倒の限りをつくすユイ。ここでのアキとユイのやり取りがすごい。何段階も、これでもか、これでもかとやりつくす2人。そう、ユイちゃんの初登場シーンから実は見ている我々は気付いていた。ユイのこういう性格を。特に豹変した訳でもない。この状況(上京直前に父が倒れ、その次には母が失踪)に置かれたら、まぁこの子ならこうなっちゃうわな。言ってみれば至極真っ当な展開。

だけど、その至極真っ当な「ぐれちゃった」気持ちを、僅か4〜5分のやりとりでさくっと浮き彫りにして、しかも最後にはやっぱり素のユイちゃんの正直なところがすっと見える終わり方、にまで持ってくる脚本の素晴らしさ!

最後にアキ母・春子に泣いてすがりつくユイ。この「どーしたん?ダイジョブダイジョブ」のかんじ、娘持ちの親にはたまらんよね。
やっぱり、キョンキョンのママは最高ということ!

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しかもこのアキ×ユイのやり取りの合間には、カットバックでユイのお父さんのバーシーンが入る。ここでお父さん、実は奥さんの失踪に既に気付いていたことを、実に軽やかに気持ちよく、誰も傷つけることなく上手にさらっと告白しちゃう。瞬間のBGMの入りもいいし、役者・平泉成さんの実力も相まってこれまたぐっとくるシーンとなっている。他にもバーのいつもの面々がユイのことで悩むシーンとか、副駅長吉田の「(ユイは自分達にとって何なのだと問われ)んだ!アイドルに決まってるっぺ!」とキッパリ言うシーンとか。キョンキョンがアキのベッドに行ってお茶目に寂しかったってイチャイチャするとことか(こうゆうの分かる分かる!でもこういう状況でさくっとやれるのが良き母なのだ!)もう細々と名シーンが。くう。

 

さて、これを書いている段階ではまだ92回を見終えたところで、実は92回ではアキのドラマ登場シーンがカットされるというショックな出来事が重なり、アキはまったく救われないママ次回へ「つづく」となっている。

あまちゃん史上かつてない重重展開。さてどうなる次回!

アキ「だけどオラだって、オラだって必死に踏ん張って這い上がろうとしてるんだ。気楽な身分だなんて言われたくねぇ!」

ユイ「ふっ(笑)40位の繰り上げ当選のくせに自慢しないで!」

アキ「自慢じゃねぇ!それがオラの現実だ!

アキ「ダサいなんてそんなの……自分が一番分かってるよ。

アキ「どんだけ不幸か知らねえが、ここで過ごした想い出まで否定されたら、オラぁやってらんねぇ!!!(叫ぶ)」

カフェを走って出て行くアキ。

  

あまちゃん第79回:だめんずになった種市先輩

あまちゃんメモ。
第79回は、安部ちゃんのお店でアキと種市先輩が初めて逢い、一緒に寿司を食べに行く会。

2人でユイの話をした後に沈黙して、
「まだ付きあってんのが…」から始まるアキのふてくされセリフがなんともカワいくて笑える。

アキ「そーがそーが、遠距離恋愛続行中か!(キレ気味)

アキ「先輩も、なまってる方でねぐてカワイイ方がこれば良かったのにって思ってるクチだな!

アキ「そーがいそーがい。すいませんした」

種市「別にそんなこと言ってねーじゃん」

アキ「『言ってねーじゃん!』はーいづの間にやら標準語かー!

あぐらをかくアキ

アキ「かっこいいなー!『って南部ダイバーじゃん』?」

種市「天野!(怒鳴る)」
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あまちゃん屈指のアキ方言名シーンであった。

一方ウチの妻は、この後に種市が告白する内容を聴いて、呆れていた。
空港建設で海底作業をする筈が、工期の遅れでスカイツリーの現場に回された種市。そこで自分の高所恐怖症に気付き、耐え切れずに仕事をやめてしまう。「地元に戻り南部ダイバーの指導者になるか」「ユイも東京には来ないし」「仕事さねぇのに東京さいてもしょうがねぇ」と話す先輩を見て(先輩は変わってしまった)と思うアキ。

妻「はーよくいるんだよねぇこうゆうの。だいっ嫌い。仕事でちょっと何かあるとコロッと変わるヤツね。うんうん。だめ男あるあるだね。はーーーーーーーはーーーーーーー」
「(寿司をおごったことに対して)仕事してないくせに社会人風吹かせてんじゃないっての」

と、キョンキョンばりの早口で言い捨ててた。
妻の中で、種市先輩が一気にだめんずに墜落した。

まぁでも高所恐怖症ならしゃあないでしょ?という気も。それよりも、アキと種市先輩の間の、こうゆう気のおけない会話?みたいのが見れた方が嬉しかったなぁ。ちなみに妻は、アキのふてくされシーンは全く琴線に触れなかったようで、男女の見方の違いが分かりますね。
ちなみにこの回での妻のハイライトは副駅長・吉田君の
「(高い声で)おいおいやめろよ。彼女イヤがっているじゃないか」
だそうです。

さてさて、この後種市ちゃんはどのような復活を遂げるのでしょうかね。それともだめんずのママなのか。まさかそれはないでしょう?

  

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。