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ひよっこ#150(9/23)感想

昨日、和久井映見のベテラン演技に泣かされたと思ったら今日は佐々木の蔵ちゃんがそれを上回る説得力と見事な脚本の力で魅せまくり。


過去の告白と今の恋について悩みを打ち明ける愛子さんに対し、自分の奧さんとの別れ、後悔、今も少しも変わっていない思いについて語り、「私達は一緒ですね」というシェフ省吾。お互い亡くなった人への想いをなくさずに、でも恋はできるんじゃないかと優しく告げる。

観ている俺はと言えば、立ち聞きをしていた由香が放つこの台詞、そのままだ。
「もう無理!泣きすぎて頭痛い!」

(これ、獸木野生『パーム』ファンならお馴染み、フロイドのあの台詞を思い出すね)



今までハマった朝ドラはいくつもあるけど、最初始まった時から、最終週のこんなところまであまりテンションが変わらずに進む、こんなタイプは初めて。主人公は何も成し遂げないし、何モノになる訳でもないし(最後になるのかもだけど)、特に成長する訳でもない(経験は沢山積んだ)。

くしくも『ひよっこ』が始まる時に自分はこうTweetした。

情報ゼロで2話まで観ました。通常1週目は子役と過剰な演出に辟易し2週目でやっと本領発揮、そこで観続けるかどうか判断するという流れなのですが、1・2話でこれだけすんなりと入り込めたのは初めて。違和感がない。どうなるんでしょう。そして今回の主人公が何者になるのか

予想してみますた。(1)料理研究家(料理&畑好きから)(2)女優(女優志望の親友を追い越すあまちゃんスタイル)(3)脚本家(親友をサポートするうちに…)(4)流通王(実家の野菜を営業するウチに才気を見せ巨大スーパー立ち上げ)う〜む…ここから芸能モノになったら凄いな…

この予想のどれもが外れていた。主人公は何にもならない。このドラマは「○○モノ」ではない。だけど、これぞ人生。

来週いよいよフィナーレ!

MARUU『うさぎのまんが』

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獸木野生『パーム』オフ会でお会いしたことのある、MARUUさんのコミック新刊『うさぎのまんが』をやっと入手。半分はタイとインドネシアへの旅エッセイ、あと半分が猫エッセイとその他。私のあたり(このニュアンス)のヒトには皆オススメしたい。普段思っていて他にはあまり話せないような気持ちも沢山詰まっていて、同意を声高に叫ぶのではなくゆっくりと頷きながらお茶を呑む。決してプラスの感情ばかりではない1冊ですけど、充実した時間を過ごせました。きっと時折読み直したくなるんだろうな。

冒頭まえがきの

「私は今
望んでいた
しあわせの中に
いる」

という台詞はパーム読者的にもぐっとクる所。
(吉本ばななさんの巻末コラムで知ったのだけど)大変な思いもされてきた作者だからこそ、皆が健康で笑っていられる「奇跡みたいな瞬間」の大切さが伝わってくる。そしてこれを「実感」することこそがワタクシの人生のポリシーなのです。

最後まで(読み逃していたらすみませんが)男なのか女なのか分からないままだった、旅のパートナー「かおちゃん」の存在がイイ。コズフィッシュさんのデザインと造本もイイ。真ん中に色紙ページが入ってて、中身とのマッチングが素晴らしい。

獸木野生『パーム』オフ会「パーム・ナイト」開催しました

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30年前に始まり、今も雑誌『Wings』で連載が続く大長編クロニクル漫画、獸木野生著『パーム』シリーズ。この作品を愛してやまない人が集まり、愛を語りたおす夜「パーム・ナイト」を、去る12月12日に池袋で開催しました。満足、大満足の一夜でした。そのレポートです。ずいぶんと時間が経っていて細かい所は書けるほど覚えていなかったりしますので(すみません)どちらかというと「このような体裁で会が行われました」というハードの面で見ていただけると良いかも知れません。
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「パーム・ナイト」参加申込フォーム

パームナイトお申し込みの方へ。
お申し込みの方全員に、24時間以内に返信メールをお送りしています。
万が一届いていないという方も、問題なく受付は終了しておりますので、BBSの詳細をご覧になって会場にお越しください。(お申し込みいただいた方は全員参加いただけます
特に携帯メールの方は、こちらからの返信メールが弾かれてしまう場合があります。申し訳ございません。

【申込終了しました】
「パーム・ナイト」への参加申込は、11/20で一旦締め切らせていただきましたが、その後会場を絞るにあたって参加人数に余裕ができたため、3〜4人の追加申込を受け付けております。下記フォームよりお申込ください。

定員近くに達しましたので、申込を終了させていただきます。「これまで見逃していて、どうしても!」という方はご一報ください

こちらは、2014年12月12日(金)19時頃から開催される「パーム・ナイト」の参加申込ページです。

「パーム・ナイト」ご案内ページ

参加ご希望の方は、以下のフォームに必要事項をお書きの上、お申込ください。

お申込後、万が一、こちらから2日以内に確認の返信がない場合は、
恐れ入りますが下記のBBSにその旨書き込みをお願いします。
PALM LOVER’s BBS

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獸木野生『パーム』トークイベントの動画がアップされています!

4月10日、池袋で開催された『パーム』トークイベントの様子(→レポート)が、終了直後にYouTubeにアップされていたんですけど1日で非公開に。そのままの状態で3ヶ月を経た今、ついに公開されていました。前後編の2本。→こちらに貼り付けましたので、当日来れなかったパームファンの方々、是非。

また、このあまりに希有で楽しい機会が忘れられず、イベントレポートのフォームを通じて参加者の皆さんとやりとりし、是非また開催しよう!と固く決意しましたので、連絡用BBSを設置しました。

パーム掲示板

4/10にいらした方も、いらっしゃることができなかった方も、是非足跡を残してってください(←この言い方、懐かしいね)。

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獸木野生『パーム』トークイベントその後

先日の『パーム』トークイベントのレポートでは、参加者の皆さんから熱いアツイ!メッセージをいただき、こちらまで再びアツクなってしまい、しばらく日常に戻れませんでした…。皆さんありがとうございます。とてもとても一回だけでは終れません!またお会いする日を楽しみにしています!

さてジュンク堂さんからイベント映像がアップされていましたよ!まだ全部観ていませんが、取り急ぎ貼付けを…

【追記1】
観る前に非公開にされてしまっていました。何か問題あるならぜひ編集して再公開してください!>ジュンク堂様。日本中の池袋に行けなかったパームファンが待っていますよ!

【追記2】
めでたく公開されていました!(2014.07.19)全国のパームファンの方、是非。

前半

後半

  

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獸木野生『パーム』トークイベントへ

2014年4月10日(木)、獸木野生氏作のコミック『パーム』シリーズ、初の公式トークイベントが池袋ジュンク堂本店で開催され、新潟より行ってまいりました。30年以上続いてきた作品の、初の関連イベントです。言わずもがなファンにとっては本当に本当に貴重な場となりました。かなり長文で余計なことも書いてしまいそうですが、レポートを残したいと思います。
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最近読んだ漫画。

『宇宙兄弟(23)』
『宇宙兄弟』の一番の魅力は「ちゃんと才能のある人達がまっとうに努力をしてまっとうに報われる話」をとことん丁寧に描いている、ということだと思う。
この巻数でいまだにこのクオリティ。ありえない。むしろここからクライマックスに向かって進んでいくカンジに思える。22巻から読み返しても、何度涙ぐんだか分からない。そして打ち上げシーンでは頭の中にあのオネアミスのBGMが鳴り響いていました。

小山氏の作中アイデアのすごさについて前回書いた記事
そうそう、中で出てくるロゴやポスターのデザインがちゃんとしてるのも好感。こういうところでどっちらけたりするんで、作家じゃなくてちゃんとデザイナーに頼まないと明らかに違和感が出てきてしまう。小山氏本人がデザインやっている、という可能性もなくはないけど(だとしたらすげえけど)、まずないでしょう。編集さんだけの考えでもダメだろうし、恐らく本人の希望か。
※ちなみに妻はこれまであさりちゃん程度の漫画しか読まない(他書籍も一切読まない)ような人だったにもかかわらず、結婚してから自分の蔵書(少年青年少女OLファンタジーBLまで…)をすべて読破したのだが、恐らく一番ハマったのが『宇宙兄弟』ではないかと思う。

『青い花(1)』パームカフェでオススメされてメモした。キュンキュンしすぎて少し辛いくらい。この後自分は買うのだろうか。

『ママはテンパリスト』
期待通りの面白さ。そして赤ちゃん&育児漫画好きの長女のお気に入りになるのは間違い無し。全部買う。

『ペコロスの母に会いにいく』
大傑作。今年10本の指に入ること間違いなし。かわいくヘタウマな絵柄とは裏腹な技術力の高さ、頃合いを見計らうセンス、構成の技術に恐れ入るばかり。ずっと持っていたい1冊(親のボケに備えて)。

『ナガサレール イエタテール』
これもすごい1冊だった。東村アキコさんのような類い稀なギャグセンスを持った漫画家が、3.11と親の癌と祖母の認知症に一気に出会いどんなレポートを残すのか。プロ根性に涙が出る。初版のみ著名漫画家数人による応援イラストがついているが、その絶賛ぶりも納得の面白さ。

『もやしもん(13)』
完結した。時に泣いた。以前のレビューで「恋愛がメインでない大学生モノにぐっとくる」と書いたけど、最後は色んなカップルのアレをほのめかすシーンも多い。だけど決してそれありきじゃないんだよね。ハチクロだってそうだったと思う。あれもこれも、shiroの中では広義の「仕事マンガ」なんだよな。
最後は急にファンタジーだったけど、ファンタジーそもそも大好きだし、「あ、そう言えば『純潔のマリア』の人なんだもんな〜」と今さらながらに思ったりしたのが自分で面白い。10年弱、お見事な展開と締めでした。ありがとうございます!

  

『パーム』シリーズ最終話がはじまりました。

およそ作者が生きている間に完結するのかどうか、はなはだ疑問に思っていたほどの超大作漫画が2つあります。

一つは永野護『The Five Star Stories』
もう一つは獣木野生(前・伸たまき)『パーム』シリーズ。

どちらも私の生涯ベスト3に入る漫画で(もう一つは宮崎駿『風の谷のナウシカ』)、
どちらも30年以上続いていて、今も現役で連載しています。

なのですが、このたび『パーム』の最終話がはじまりました。3月末に単行本第1巻が発売されます。ついに終わりが見えてきた訳です。こっちもドキドキしてしまいます。
色々機会があって『パーム』シリーズをお勧めすることが最近重なりました。本当に自分の人生観にも大きな影響を与えた作品です。一言では言い表せません。ですけど『パーム』の作者が書いた私の大好きな文章を、この機会に引用したいと思います。以前作者の獣木野生さんがご自分のサイトに書かれていた、「TIME TABLE」というページの一文です。

ところでその前に『パーム』という作品は、作者が中学生の頃に既に全体像を考えていたとそうです。

●中学3年、みんながそろそろ進路を考えるころだったのだが、わたしはすっかり漫画家になるつもりでいた。シリーズ名もなかったPALMではあったが、とにかく自分の書こうとするものが、いつ終わるとも知れぬ大長編なのがわかっていたので、高校や大学に行って、余計な時間を費やすのはたいへん好ましくなかった。たしか夏休み前だったと思うが(定かでありません)、この考えを知った担任の先生が、わたしをたしなめにかかった。とにかく誰でも高校に行くようになっていたころで、中学生くらいの子がバカな思い込みをするのは、先生にしてみればよくあることだったろうから、親切で言ってくれたのだろう。「紙切れでメシは食えないよ。」と先生はおっしゃった。非常に生意気な中学生だったわたしは、「先生、人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのです。」と返した。
公式サイトより〜Biography/10〜19

「TIME TABLE」というページは今は存在しないのですが(※)、最終話(パームでは「話」と呼んでいるが、その一話が時に10年の連載になることもあった)まであと2話を残すことになった2006年に書かれています。そこで、作者はこれから「最終制作段階に入り」、「PALM完成までの間はPALM執筆以外の活動の停止・制限」を行う。たとえばインタビューやコメント、イベント出演、作品制作以外のイラスト制作などの仕事を行わないという宣言でもありました(多分このあたりのポリシーが変わったからこのページ消しちゃったんじゃないかな)。

※2016年追記:獸木先生がご覧になって、2015年1月にページを復活していただきました。ありがとうございます。
TIME TABLE

その宣言に続いて掲載されたのが、この謝辞のような文章です。なんというのか、あの大好きな『パーム』を書いた人が、このような文章を書いてくれて、私は本当になんというか、嬉しいというか、自分がいつも思っていたことをずばり形にして残してくれたと思ったのです。だけどこのずばりずばりなかんじって、これいくら説明しても分からない人には全然分からないんだろうなぁ。
以下引用します。太字は原文で色変えされていた箇所です。この文章を、大好きな人達に捧げたい。

さて、人間同士がきちんと礼を交わして別れることは意外にまれです。特に作家には決まった退職年齢もなく、読者に改まって感謝を述べる機会もそうありません。
わたしは長い物語を書いているので、話が終わるときには、ずっと読んでくれた人にきちんとお礼を言いたいものだと常々思ってきました。そして今その時が来たようです。
もちろんPALMはあと2話残っていて、そのあとも書くものが残っていますが、人間同士が互いに別れを言い損なうのは、もちろん前もって言っておかないからに他ならないわけで、わたしはこの最終段階の区切り、最後かも知れないチャンスを逃すべきでないと決めました。

考えてみるとわたしの周囲にいる人間は息子以外ほとんどわたしの作品を読まないので、ずっと読んでくれた人とは、たとえ一度も会うことがなくても、ある意味深いつながりがあったと言えます。作家から読者への通常のお礼の言葉は「長い間ご愛読ありがとう」ですが、そんな言葉は大して意味がない。

覚えている人がいるかどうか、わたしはいつかどこかで、PALMが終わるころには何らかの人生の秘密、すべてのわけにたどり着きたい、それをできればみんなと分かち合いたい、と書いたことがあります。
すべてのわけにはやや早すぎるものの、PALMのおかげで今までいろいろな発見があったことはありました。そのひとつで比較的最近のものをここに書いて、感謝を表したいと思います。

それは幸せになる方法です。
多くの人が幸せを求め、まだ来ぬ幸せを待ちわびていますが、幸せの厄介なところは非常に気付きにくいものだということです。蜃気楼のように遠くにいる時はよく見え、近くではまるで見えなくなってしまう。見えないそのわけは、 もちろん自分がその中にいるからです。
わたしを含め、わたしの知っているほぼ全員はすでに充分幸せですが、それを自覚し謳歌している人間は少ない。

どうか今の幸せをのがさないでください。

うちのキャラのひとりが「地獄は死んでから行くところじゃねえ。ここが地獄なんだ。」と言ったことがありますが、それは忘れてください。
「天国は死んでから行くところじゃない。ここが天国だ。」の間違いです。
要するにどっちも事実なわけですが、どうせなら天国を多めに認識してください。
幸せは未来や遠い場所にはない。今ここにあることに気付いて、どうか心ゆくまでそれを味わってほしい。
悪い習慣を遠ざけ、良い習慣を続け、なるべく健康で、五感を研ぎ澄まし、全身でそれを感じてほしい。できれば毎日満ち足りた気分を味わってほしい。
それがわたしの願いです。

おかげさまでわたしの人生も、自分の想像をはるかに超える幸せなものでした。いつも新しい何かにチャレンジする幸せ、難しいハードルを克服する幸せ、何かに命をかけて燃えるように生きる幸せ、無防備に深く激しく愛する幸せを味わった。
今までとこれからのPALMを通して、この幸福をあなたと分かち合えたらと思います。

みなさんの輝く日々を願って。

2006年7月
獸木野生

獣木野生さん、これまでありがとうございます。これから最終回まで、何卒宜しくお願いいたします。

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町山智浩-新井英樹対談を聴く

こんなん買っちゃいました。
町山智浩の、漫画師に訊け!新井英樹の巻(全巻セット¥1,100)』
価格分の価値があるかどうかと言われれば、同額の書籍を読む時間と対比すると考えると「ない」と思うし、中身から受けるカタルシスやレア度から言うとかなり「アリ」ですね。

自分は新井英樹の著作を殆ど持っていますし、その全部を二度以上読んでいます。だけど彼の作品は、本来自分の趣味とは対極の世界。普段見たくない世間のイヤな所、人間のイヤな所、殺人、いじめ、不条理、抵抗できない権力や絶対的な暴力、考えるとホントどうしようもなく、答えを出したくないような問題について、イヤでも考えさせられる。最低の世界が全開のマンガです。

でもね、読んでしまう。彼の著作には魅力がある。他の凡百な青年誌アリガチ暴力グロセックスマンガとは違います。要するに「怖い物見たさ」で見てるのではないんです。そこには本当のリアルがある。

例えば『ザ・ワールド・イズ・マイン』では、出た直後に惨殺され、その後一切出てこないような脇役にもすべて「命」を感じます。殺される前の日常描写が異様に執着を持って描かれているからです。それこそこの箇所だけでも、他の追随を許さないくらいに。セリフの1つ1つ、表情、服装、エピソードまでもが、その殺される人を表わすために描かれます。

もちろん主役級に関しては言わずもがな。ああ、こんな人いるよな。でも普通マンガで書かないよな、何故なら楽しくないから(笑)ってキャラクターも沢山出てきます。

これらのこだわりが新井マンガの魅力だと思うのですが、インタビューではその裏の意図について、どういう気持ちで書かれたかについてが、本人によって語られています。

何より意外だったのが、新井氏が弁が立つこと(笑)。町田氏のラジオをそんなに聞き込んでる訳でもないshiroにとっては、最初町田氏と判別が付かない位に、ちゃんとしゃべる。「そのように書いた意図」ってゆうのは、話したがらない漫画家もいる訳じゃないですか。しかし彼はちゃんと理論立てて、しゃべることができる。すごい。

個人的には『宮本より君へ』の話題があんなに聴けたのが意外ですっごく嬉しかった。あの衝撃のラストは実は○○○によるものだと分かったり。『ザ・ワールド・イズ…』と『キーチ!』の比較だとか、それによる『キーチ!vs』の今後の展開だとかの話も、まずここでしか聞けないんじゃない?裕木奈江擁護論だとか、あの人のモデルが高田純次だとかって話は笑い転げるほどウケた。

で、町田さんの解説がウマイじゃないですか。ファンが聴いててカタルシスを感じるツボを分かってて、誘導してる気がする。それに新井さんもちゃんと答えてる。いやーこの人には、もっとしゃべって欲しいなぁ。なんてゆうんだろう、下手したら軽くなりがちだったり端折らなければならなかったりするヒトや世間の「本質」的な話ね、そういうのがすらすらと出てくるのがすごい対談ですよ。

これは絶対活字よりも音声の方が面白いね。イイ企画でした。
新井英樹ファン限定ですが、オススメです。

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新井英樹ブーム
キーチ!ショックとパーム最新刊の製版

キーチ!ショックとパーム最新刊の製版

新井英樹『キーチ!(8)』いやースゲかった。いよいよ佳境、なんだろうか。それともまだまだコレから話がデカくなってくんだろうか。『ザ・ワールド・イズ・マイン』のちょっとフカサク映画の中のような、現実離れした気違い沙汰とは違い、より今風にリアルな気違い沙汰。新作のたびにどんどん新しいタブーを暴いていく新井英樹。よくも悪くもまず読んでおけ、と周り中に言いたい気分。

読んだあとはしばらくショック状態で、そんじょそこらの漫画なぞちゃんちゃらオカしくて読む気がおこらないのだが、獸木野生『パーム』だけは別。いついかなる時だって最高なのだ。なんとまぁ知らぬ間に新刊が出ていた。28巻、『午前の光II』。セブンアンドワイの新刊予定マイページにはひっかからなかったぞ!獸木でも獣木でもだ!どうなってんだ!

相変わらず楽しませてもらったのだけど、どうしても気になるのが、新シリーズ『午前の光』からどうやら製版方法が変わってしまったらしいこと。細いペンの線にまでいちいち網点(?ジャギー?)が入ってしまい、まったくもってシャープさに欠ける。

漫画の単行本でコレに近いケースは良く見られるんだけど、それは雑誌掲載時にカラーだった場合。単行本でモノクロにする時に網点が入って読みにくい仕上がりになってしまう(4色ー→1色に分解する関係でしょうがない)。しかし『午前の光』は元原稿も普通にモノクロのはず。ひょっとして完全デジタル入校に変更したのかな?マンガの印刷方法に関しては専門じゃないんで良く分からないんだけど。

●「製版」とは、オフセット印刷に使う「版」を作る作業、とでも言えば良いのか。通常4版の透明なフィルムをアルミ版に光で焼き付けて原板とする。最近はフィルムを省略し、出力機から直接アルミ版(刷版:さっぱん)を出すことが殆ど。モノクロからカラーのさまざまな原稿を取り込んで、オフセット世界での「カラー(4色)」もしくは「モノクロ(1色)」に落とし込み、版を出力する作業が、まぁ大雑把に言えば「製版」だ。

何万色もある原稿をたった4つとか1つの色にするワケだから当然さまざまな方法がある。さらに漫画の場合は、通常は製版段階で発生させる「網点」が最初から入ってる(スクリーントーン)という特殊な原稿のため、オレの知ってる10年前くらいの時点では殆どがアナログ作業だった気がする。つまり漫画家の描いた原稿をネガに焼き、ネームの写植をネガに焼き、重ね焼きして一枚のポジフィルムにまとめるとゆう作業だ。この作業ではスクリーントーン以外に網点の発生することはなかった。

※ちなみに最近は、パソコンで作った原稿がそのまま1〜4版に分かれて出力機から出てくる、フルデジタル方式。
※「網点」というのはオフセット印刷において色の中間調(グラデーション)を表現するための、文字通り網のように見える点の集合。この点の大きさや密度の違いで色の濃さを表現する。なのでスクリーントーンのことを「網点」と呼ぶのは厳密に言うと違う。

まぁいずれにしても『愛でなく』までは通常の漫画と同じ製版だった。スミベタの部分は、髪の毛のような細かい線まで、ジャギーも入らずキレイに表現されていた。作中にはスクリーントーンとCG制作による網・グラデ表現が混在していた気がする。そのCGの割合がどんどん多くなっていき、結局『午前の光』からフルデジタル入校になったんじゃないかな?で、その入校の仕方に改善の余地があるんじゃないだろうか。いずれにしても髪の毛なんかの細い線にジャギーが入るのはとってもスッキリしないですよ先生。何とか改善された方が宜しいかと思いますが、如何に。

キーチ 8 (8)

キーチ 8 (8)

posted with amazlet on 06.03.08
新井 英樹
小学館 (2006/02/28)

パーム (28)

パーム (28)

posted with amazlet on 06.03.08
獣木野生
新書館 (2006/02)

『夢見る惑星』佐藤史生

2407_07_2.jpgブックオフの100円コーナーで佐藤史生『夢見る惑星(1)〜(3)』(小学館PFコミックス)を。3冊しか読んでないとは信じられない位に、濃密でボリューム感のある本格SF。大満足。つか4巻までなんだけどさ。

最初、絵柄も話も諸星大二郎にとても似てると思ったんだけど、あんなに暗くないし、何よりキャラクターが魅力的。あと決定的なのはセリフ。セリフの深さや切れ味がさ、ほんとに素晴らしい。コレはアレだ、『パーム』と同系のスゴさなんだ。で、紫堂恭子さん的なほんわかさもチョコっと入ってて。こりゃ好みですよ。

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『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』『豪放ライラック』『パーム』他

最近買ったマンガとかテケトーにmemo。

●ゆうきまさみ『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』(小学館サンデーコミックス)を20巻ほど。とあるきっかけで競馬馬育成の牧場で働くことになった青年と、その牧場の人達とのドラマを描く競馬&ファミリーマンガ。

こんな地味なマンガが、よくコレだけの長期連載を続けられたモノだと驚く。「牧場の美人姉妹たちへの淡い恋」みたいなカタチで表面上はウケる要素を盛り込んでいて、その上っ面要素はいわゆる小学館サンデー、スピリッツ系「ラブコメ」と一見同じように見えたりするんだけど、実は違うくて。ラブコメはあくまでふりかけ程度で実際はファミリーマンガ。ゆうきまさみ、スゴい。地味な日常の描写がホントに上手い。丁寧だ。

高橋留美子やあだち充みたいなああゆうワンパターンラブコメってオレ実はすげぇ苦手なんだけど(好きなヒトいたらゴメンなさい)、コレはイケるなぁ。あ、あとオレ競馬にはコレっぽっちも興味ありません。プロ野球に次いで「世の中から無くなってもまったくノーダメージ」コンテンツです。そのオレをしてコレだけ読ませる。うーん。やるね。競馬用語バリバリな会話んトコはさすがにちょっと飽きちゃうけど。

●桑田乃梨子『豪放ライラック(1)』(ワニブックス・GUMコミックス)珍しく女子高が舞台。ソレなりに楽しんだけど、主人公チームにオトコノコが混じってる時の方がやっぱしオモロいかも。異性の友達との交流、みたいな描写が上手なのかな。

●吉野朔美『period』(小学館IKKIコミックス)相変わらずレベル高い。でも今はちょっと気分じゃない。子供を殴る父親に借金で逃げてきた伯父と小狡い伯母、サイテーの話ばかりなのに読後感はさほど悪くない。

●西炯子『STAY』(小学館フラワーコミックス)ああ、今気付いたけど『お手々つないで』の方が後編なのか。先に買って読んじゃってたよ。どーりでイマイチ分からんかった。西炯子復活をちょいと期待させる位にはオモロかった2作(特に『STAY』の方)。持ち味の魅力あるサブキャラも結構出てきて。だけど、まだまだ。今の西炯子はあんまりヒトには奨めよーとは思わない。

そう、『パーム』連載再開を祝して、バナーを作りました。マンガを読めるすべてのヒトにオススメします。最初の方は絶版になってますが、文庫が出てます(コレが1巻。だけど1巻だけはイマイチなのでまとめ買いすること)。ブックオフで見つけるとヒトにあげるために買っちゃおうかと思うくらい、好きです。獣木さん、死なないで

『パーム』再読

もう何回目か分からないけど伸たまき(現:獣木野生)『パーム』(ウィングスコミック)を再読中。いつどこで何回目に読んでもすぐさまにハマれる。感動できる。精神を落ち着かせることができる。このマンガと出会わなかった場合の自分を、考えたくない。雪の降る寒い中ブルーフレームにあたりながらコーヒーを飲みパームを読んでると、もうナニもいらないという気分になる。