映画『ライオン 25年目のただいま』感想

『ライオン 25年目のただいま』(2017)をNetflixで。極力ネタバレ無し感想。

オープニングから、ほとんどセリフのない冒頭シークエンスを観ただけで「あ、これは信頼できる映画」と確信させる映像クオリティ。

【ストーリー&キャスト】
インドの貧しいスラムで生まれ、5歳の時に迷子になった主人公サルーは、家族と生き別れのままにオーストラリアに養子に出される。何1つ不自由ない青年期を送るサルーだが、あるきっかけでインドの家族への思いを抑えられなくなる。その思いを義母にも言えず一人苦しむ彼は、GoogleEarthであの時お兄さんと別れた駅を、自分の育った家を探すのだった。

2012年に世間を揺るがせた実話を映画化。主人公サルーに『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテル、恋人役にルーニー・マーラ。育ての母親役にはニコール・キッドマン。

子役が素晴らしい。良くこんな子を見つけてきたと思うし、子役演出の巧さなんだろうな〜。生き別れのお兄さんがもうね、もうね…言葉にならない位愛おしいし、サルーの気持ちにそのまま入り込んでしまう。

サルーは子供時代が超絶可愛くて、青年時代もイケメンでそれだけで幸せになれる。ルーニー・マーラっていつもはじまってしばらく経ってから「え?これルーニー・マーラなの?」って毎回気付くくらい(大袈裟)印象変わる。褒めてます。彼女の出てる映画に今のところ外れなし。今回観るって決めたのも彼女の名前がクレジットにあったのが決定打。

映像の美しさと劇伴のセンスの良さに圧倒される。冒頭からちょくちょく入る真俯瞰や上空からの撮影(オンリーザブレイブを思い出す。あ、あっちが後か)は、GoogleEarthにかけているんだろうけど、それにしても美しい。豪州とインドで、まったく違う環境なのに同じような見え方のカットを重ねたりとか。
そんな工夫された映像や静かな演出、俳優の素晴らしい演技の積み重ねで、ストーリーは想像通りなのに、まぁ最後は声が出る位に泣かされた。

オーストラリアの義母が劇中で「何故養子をもらうのか」について語る。自分は子を産めない訳ではない。世界には人が溢れている。子供を産むことで世界が良くなるだろうか?恵まれない多くの子を一人でも助ける方が大切だ。夫も同じ考えなので結婚した。と。演じるのはトム・クルーズとの間に実際二人の養子を迎えているニコール・キッドマン。貧富の差はあれど階級差のない日本では育ちにくいノブレス・オブリージュ。彼女への出演依頼は、実際のサルーの親族会議で提案されたそう。

ちなみに検索すると本物のサルーが「実業家」で出てきます。映画は彼の出版した自伝を原作としたそうで、この本、絶版ぽいのでさっそくネット注文しました。

あと義母が小さい時に見た白昼夢の話がなんだか『パーム(獸木野生)』みたいだな、とか。「ライオン」というタイトルの意味が最後に明かされたりとか、ツボなところがいくつも。
お薦めです。

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