獸木野生『パーム』トークイベントへ

2014年4月10日(木)、獸木野生氏作のコミック『パーム』シリーズ、初の公式トークイベントが池袋ジュンク堂本店で開催され、新潟より行ってまいりました。30年以上続いてきた作品の、初の関連イベントです。言わずもがなファンにとっては本当に本当に貴重な場となりました。かなり長文で余計なことも書いてしまいそうですが、レポートを残したいと思います。

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『パーム(36) TASKⅠ』(獸木野生著)刊行記念トークイベント
「今夜は「パーム」を語り尽くそう!!」

日時:2014年4月10日(木)19:30~
会場:ジュンク堂書店池袋本店 4F喫茶
[ゲストパネラー]
唐木元(コミックナタリー編集長)
岡田育(編集者・文筆家)
ヤマダトモコ(マンガ研究者)
新書館告知ページ →コミックナタリー記事ページ →獸木野生さんブログ直前告知ページ

↓イベントの動画です!↓

前半

後半

  

私がパームにハマったきっかけは、『ぱふ』や『COMICBOX』(いずれも今はなき「漫画情報誌」。大切な存在でした…)の特集などでした。しかし古本屋さんで見つけて初めて読み始めたのは、その10年近く後のようです。なので同作品とのおつき合いは20年弱になります。

『パーム』という作品自体は、1巻の発行が1983年。昨年時点で30年も連載している、大長編クロニクル漫画です。開始時点から、物語の終わり方も、そこに至る章立ても決まっていました。そして、昨年の4月よりいよいよ最終話の連載が始まり、今年コミックスの最終話第一巻が刊行されたことを記念して行われたイベントだったのです。

『パーム』という漫画に関してココでちゃんと説明すべきなのでしょうけど、それだけでさっぱり前に進まなくなってしまいますし、私の稚拙な筆ではとてもとても伝えるのが無理なので、すみませんがパームファン向けのレポートモードで書かせていただきます。

『風の谷のナウシカ』や『The Five Star Stories』に並び私のベスト3に入る、本当に人生に多大な影響を与えた、時にバイブルともいえる作品の、史上初めての公式イベントですから、これは万難を排して行かねばなるまいと、3月の告知時点からバッチリ予定を空けておきました。

なのに、「要予約」と書いてなかったことに気を許し、「そのうち電話しよう〜」と思っていたら年度末の多忙に追われてすっかり忘れていて、ジュンク堂に電話したのがイベント3日前。当然「満席です。取りあえず来てもらえればキャンセル待ちで入れるかもです」と言われ、自分のバカさ加減に涙を流しながら、当日もし入れなかったらどうしよう…他に入れなかった人を誘って呑みにでも行こうか…いや最近パーム布教に成功した吉祥寺ヒトトの店長の所にやけ酒を呑みに行くか…などと極力楽観的に考えて当日を待ちました。

当日。スケジュールを調整し開始の1時間前に会場に着いたところ、なんとキャンセル待ち1番目でした。大丈夫。平日の仕事終わりイベントは絶対キャンセルが出るはず、と普段主催しているイベントのことを思い出し、無理やりに一息。受付時に携帯番号を書いて、開始10分前に来場してもらえば、そこからキャンセル待ち入場を始めるとの説明。ずっと並んでいる必要がない。無駄がなく分かりやすいです。この間ににさくっと一杯飲むことに。

予想通り、無事入場することができました。臨時の椅子をいくつか出してらっしゃるようで、恐らく5〜6人の当日参加者が無事入れたっぽいです。

さて、客層はどうだったか。これは恐らく来場した皆さんが(主催側も含めて)さっぱり予想できなかったのではと思います。パネラーの岡田育さんもTwitterで「まったく客層が読めない! 」と書いてました。しかして。

あくまで私の主観ですが、総勢30〜40人のうち、
アラフォー〜40代女性:80%
30代女性:10%
アラフォー男性:4〜5人
というかんじです。まぁ集まってみると、そうだよなぁと納得の構成。男性が意外と少ないのが気になりますが、まぁこれは「イベントに参加できる職業」的な問題もあるのかもね。

次に特筆したいのが、会場を包み込んでいた「空気」について、です。

まず2代前の編集さん(獸木さんにビアトリスで描かれていた方だそうです)が初っぱな「本当に埋まりましたね〜」と言っていたり(そこは新書館さんだけは信用しようよ(笑))、参加パネラーの皆様が口々に「同時に3人以上のパーム読者に会ったことがない」「本当に集まるのかまったく分からなかった」的なことを言っていたことからも分かるように、『パーム』というのは「他の読者に巡り合う機会が極端に少ない」作品なのです。

私は幸運にも新潟で3人の読者に巡り合う機会があり、さらに一人の布教に成功し、総勢5人で「パームカフェ」なるイベントを今年開催しました。何のことはない、獸木さん関連書籍をすべて並べ、それをつまみに美味しいお酒と料理をいただき話しまくろうという内輪の会だったのですが、まぁ一言で言って最高でした。そして5時間位やっていましたけど『パーム』の他にBLもテーマに入っていたこともあり、全然話し足りなかったです。(ちなみに参加者は私以外全て女性で、女性4人のうち3人は程度はあれどBL好きだったり完全腐女子だったりです)

今回のイベントに参加し、二次会で読者の皆さんと交流する中で、この私の環境がどれだけ!どれだけ!恵まれているかが分かるのですが、それは後の話。

『パーム』関連で初めてのイベントが30年越しにいよいよ開場する、その場を占めていた空気は…

「他に読んでいる人、いたんだ…」
「しかもこんなに、いたんだ…」
「パームの話できる人なんて、ほとんどいなかったのに…こんなに…!」
「良かった…パーム好きはちゃんと実在したんだ…」
「うれしい…でもなんか緊張する…」

こんな感じなんじゃないかと思います。これは二次会での話や、Tweet(ハッシュタグは#今夜はパーム)でもある程度分かります。

とにかく、他に話す場が少なかった。自分一人もしくはごく限られた人だけで感想を共有していたのが『パーム』という作品。だけど、その愛は深い。特にトークイベントにまで足を運ぶ人なら、なおさらです。他のどんなジャンルにもあてはまらない、他人に説明するキャッチフレーズが思いつかない、故に拡がりづらい、スケールは大きく、ストーリーは練りに練られて、何度もの再読に耐える、どころか読み返すたびに新しい発見と喜びに溢れ、すべてのセリフに無駄がなく、心を打つシーンは数知れず、すべてのキャラクターが魅力的で、愛は深く、愛は深く、愛が深い漫画。それが『パーム』。作者が中学生の時にストーリーを考え、初期の頃からストーリーの終わりも章立ても明示され、そのままに物語は進み、構想が始まった40年後の今、ついに最終話が始まった。それが『パーム』。

なんだこれ。

自分で書いてても、やっぱ分かりづらいし得体が知れないなぁ。あと軽い気持ちで参入できないわ(笑)。

だからこそ、この愛を共有できるファンが、あれだけ集まったこと、それだけで本当に本当に感慨深いのです。それだけでもう、来て良かった〜。なんですよ。


笑っちゃいますよね。

さてトークが始まりました。詳しくは後で動画がアップされるそうですので、それを貼付けます。メモがとれずあやふやな記憶で書いてしまいますので、もし間違いなどあればコメントで指摘ください。

岡田育さんはジェームスやルージュメイアンを意識した黒のピタっとした長袖で、まじにリアルパームでした。カッケーでした。(ただショートヘアと振舞の感じがどちらかというとアビー姉さん)あと唐木さんはフロイドを意識したスーツ姿だったらしいのですが…??普通?(笑)(普段のスーツや服装を見ているとまた違うのでしょうけど)ヤマダさんは特に衣裳をパームに合わせてということはなかったようです。そしてお客さんの中でも別に岡田さんに影響された訳ではなく「自分の持ってる衣裳の中で1番パームぽいの」を着てきたという方もいらっしゃって。なんか自然にこゆことするのって独特のアレですよね。面白いなぁ。仕事帰りじゃなかったらちょっとやってみたかった(誰?)。
写真
冒頭は御三方の「本当にいたんだ」トークが、会場の気持ちを鷲掴みにします。参加者がお互いの実在を知ったことによる幸福感が会場をどんどん満たしていくのが分かります。その後は御三方のパームとのなれ初め話。今回のパネラーさんはそれぞれ60年代、70年代、80年代生まれ、なんですね。(順序通りにヤマダ氏、唐木氏、岡田氏)確か唐木さん岡田さんが人からのオススメで、ヤマダさんは自分で見つけたという話じゃなかったかな。

そのうちに岡田さんの導入からコミックナタリー編集長・唐木氏の自邸話に。彼の自邸はこれまで鍵をかけたことがなく、自分のいない間に勝手に人が入っていてソファでゲームをしているような、朝食に誰かがいきなりいるような、そんな家が理想で、それを実現したそう。その元ネタが『パーム』のカーター・オーガス邸だと。造りもあの半屋外?家の中と外とのつなぎ目がうやむやなあの感じが似ているそうな。分かるなぁ。分かります。アレにあこがれる気持ち、すっごく分かる。だけど新潟じゃ寒くて無理。

次に(順序もあやふや)、パームが連載された当時のこと。最初に掲載された本誌の実物を前にトーク。会場のお客様にも連載当初から読んでいた方が2人もいらっしゃって、その話を聞いただけでも何だか嬉しいのでした。(あと最近、イベントといえば自分(4?歳)が1番年上、というシチュエーションが多くて、どうもここはそうでもないっぽいぞ、と思ったのも嬉しいポイント)

連載当初の『Wings』は(当時でも珍しく)中性的なイメージ。会場の御1人はその判型について言及されていて、そのサイズの判型(『ぶ〜け』よりちょっと小さい位?)は当時一つのジャンルでもあった。というような話。『Wings』をSF雑誌と思って買っていて、で全然SFじゃない『パーム』をどう思いましたか?とパネラーからの質問に「普通の漫画からの強烈な違和感があり、それが「SF的」だと思った」とか。内容は詳しく覚えていないけど、この会場のお二人のお話を聴いただけで、おおー来て良かった〜と深く思ったことは間違いなく覚えています。

パネラー御三方のパームとの関わり、当時のパームの立ち位置的な話が続きます。唐木さんの自邸話から、岡田さん唐木さんがカリフォルニアに行った時の印象。リアルさについて。タイトルなど英語の「本物っぽさ」について。カバーデザインの特異さんについて。岡田さんと唐木さんは、『Wings』で最終話『TASK』の連載が始まった号に付録で付いていた『Petit PALM BOOK』にも寄稿されていて(この付録素晴らしいんです。読む前は「これまでのあらすじ」程度かな?と思っていたらとんでもない充実度のファンブックでした)、その内容ともかぶりながら熱き思いを思い入れイッパイに語ります。

舌鋒鋭い岡田さんが先導し、見事な表現で愛を語り、唐木さんに突っ込み、唐木さんが自分なりの愛を語り、ヤマダさんが年輩らしく歴史を踏まえ理論立てて渋く脇を締め、愛を語る。という。とにかく「愛だよ、愛」な内容。

なのに「愛でなく」で脱落した読者が結構多いという話も。(個人的にはあまり理解できない。「愛でなく」の環境会議やその周辺の話は初見時から好きだった)その人達に、「最終話が始まったんだよ!信じられないでしょ!せっかくだから最後まで読もうよ!」とこれから呼びかけたいと。そうなんです。恐らく昔からの読者誰もが皆感慨深いのが、「30年も経っているのにほぼ最初の設定が変わらずに、終わりまで進もうとしている」ということなんです。最近の作品を読んで次に20年前の初期の巻を読み返しても、「ああ、さっき見たシーンがここに、20年前にすでに描かれていた」ということに驚愕します。しかもほぼ矛盾のないままに。『パーム』は初期の頃、既に物語の最後の結末と、そこに至る道程が明示されています。年表があるのです。

年表があれば普通に最後まで矛盾ないまま書き通せるんじゃない?って?そんな簡単にいくことは稀です(私見)。私は漫画家さんしか知らないけど、ほんの10年もすれば絵柄もがらっと変わり、好みやブームも様変わり、同じ話をすることには早々に飽きてしまい話が最初の設定とはどんどん変わってしまう。そんなのが殆どだと思います。多分「飽き」は長い間の連載や超長編を書く作家の大きな問題なんでしょう。(エッセイや1話完結なら未だしも)30年もの間、年表の決まっているひとつの話を描き続けていて、それが当初の約束と変わらずに最終話に向かおうとしているなんて、これを奇跡と言わずして何と呼ぶ!

同じく30年以上一つの長編を描き続けた永野護氏は、主に「飽き」だと思われる理由によって、昨年その物語に出てくる固有名詞の殆どを一新、「リブート」しました。元々の話が非常に難しく覚えなければいけないことが多岐に渡り「勉強しないと読めない」と言われ、むしろそれ故に愛された『The Five Star Stories』の読者は、その「リブート」の内容を見て天を仰ぎました。何しろ今まで一生懸命覚えてきた名前がすべてやり直しなのです。


まぁでも永野氏のアレは、恐らく世界でも他にないことだと思うので、アレはアレで本当にすごいと思う。全然追えていませんが。

話を戻し、『パーム』ファンが最終話『TASK』が始まって非常に感慨深い、というのは↑こういう理由からだということね。

30年前から構想され描かれ続けてきた物語が、当初考えられたエンディングの通りに、今終ろうとしている。

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ほかトークの内容。出てくるファッションの話。唐木さんの語る「スーツの正確さ」。絵のセンスについて。他人への説明の難しさ。
しかし誰もが『パーム』に関しては「私なんて大したファンじゃないのでトテモトテモ」と必ず言いますね。面白い。そりゃ30年も続いている作品だから、自分がそのすべてを完全に把握している真のファンだなんて、たとえかなーり詳しい人でも自信持って言えないですよね。だから皆がそう思うのは当たり前。でもさすがに今回は「大したファン」が大勢いたように思います。それは比較問題でね。絶対的な完璧コンプリートファンなんてこの場合なかなか存在し得ないと思うから。

さて、そうこうしている間に楽しい時間はあっという間に過ぎていくもので、締めの獸木先生ビデオレターの放映に。「ええ〜!もう終っちゃうの〜!」とう気持ち。このビデオは獸木先生ご本人が撮影から編集まですべて手掛けられたそうです。ご自宅の紹介がほんのちょこっと。後は獸木さんを知る友人が獸木さんを語る、という街頭インタビューのような体になっていますが、これも獸木さんのヤラセ入り。獸木さんのブログに良く出てくるボランティア仲間さん達の映像がビデオ総時間の7〜8割くらいという印象で、漫画の話などは殆どありませんでした。事前募集した質問にビデオで答えてくれるのかな〜と思いきや、残念。質問へは会場配布のちらし内で返答されています。

しかし近年どこでも見れることのない獸木さんの近影が、今回ちゃんと放映されました。これは参加者にとって大きな大きな特典だったように思います。一言で言って、カッコイイ。そして、お元気そうでした。何よりです。

このビデオを最後に、トークイベントは終りました。

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私は当日0時過ぎの終バスで新潟に帰ってくる予定だったのですが、当初から、イベントが終ったら片っ端から声を掛けて誰かとパームをつまみに呑もうと思っていました。で、当日のあの空気、あの感じを体感してしまったらもう完全に「やっと会えたね…(c)つじじんせいと岡田さん」状態になってしまい。一層、「この人達をこのまま帰してしまってはいかん!」という焦燥感まで感じるように。編集の方にもお願いして、終了後すぐに二次会のアナウンスをさせていただいたのですが、その時点での反応はサッパリでした。で、ああこれは一人でも捕まればいい方なのか…などとがっかりしていたのですが…出口で一人の女性が声を出したのがきっかけで、どんどん「私も私も…」というお客様の声が起き始めます。

「このままでは帰れない」という周りの声を聞いて「そうでしょそうでしょ!」とほっと一安心。と同時に自分の印象の悪さに弥が上にも気付かされてしまった次第。無念。集まった数は10人ほど?最終的には12人だった気がします。

後から来る人達へ伝えてもらうためにジュンク堂へ私の電話番号を置いて、皆で店を探しに。女性でも声が通る静かなカフェやファミレスなんかが良いだろうなぁと思っていたのですが、驚愕の、というか当たり前の事実。池袋ど真ん中あたりのファミレスは、大人数が一緒に座れる席なんてどこにもないのです。結局見つかったのは居酒屋でした。席に着くや早々に編集の方より電話で、御三方を始め関係者の皆さんが一緒に来られるとのこと。もともと12人で取った席に追加で8人くらい入るとのことですが、なんとか計算してギュウギュウで入れることが分かり、お待ちすることに。

皆さんが来られるまでの間、自己紹介もないままに話は急激にヒートアップ。何しろ皆さん話す場がなかったのです。今まで「他にパームファンがいることが信じられなかった」気持ちなのです。実在することが信じられなかった人達が周りにこれだけいてこれから一緒にお酒を飲むというシチュエーション。これがアガらずにいられるかと。お酒もないままにどんどん盛り上がります。

これは、10年以上前にやってた「オフ会」に似てるなぁと思いました。Googleがインターネット世界の隅々を照らし尽くすその前、私たちはブログではない「WEB日記」なるものを書きたいままに書き、「日記猿人」や「テキスト庵」「ReadMe!」等の更新サイトに掲載して交流していました。Google検索がないおかげでおかしな(クレームのための)クレームを付けてくる人もおらず自分の思うことを素直に書く事ができ、気が合う人や趣味が合う人はBBSで交流し、その果てに「オフ会」を開きました。東京や関西で行われたオフ会に参加すると、初対面からまるで長年の友人のように話すことができました。その当時のWEB知りあいは、今でも何らかの繋がりがある人がいらっしゃいます。

その、久し振りのかんじ。しかも参加者は同年代が多いこともあって申し分なき盛り上がり。すぐにトークの御三方と『パーム』歴代編集の新書館の方3人、他関係者の方が合流。乾杯となりました。私はトーク御三方の席とは離れていて最後まで殆ど個人的に話すことはできませんでしたが、獸木先生の今の一つ前のご担当、もう一つ前のご担当(司会の方)とお話することができました。

当の編集の方と『パーム論』を語っていたのは、今考えるととても不思議なんですが、基本他の皆さんと同じく「パームファン」としての立ち位置の話でしたね。それにつけても一緒に呑んでた皆さん、今回限りでお別れしてしまうのが実に勿体ない。今度またトークやりましょう。できれば朝まで、ね。

『パーム』が好きな人の、他に好きな漫画の話も。初期の西炯子さんや紫堂恭子さん、須藤真澄さんあたりもあまり仲間がいないので嬉しかった。同時に『サード・ガール』話とか西村しのぶとか森薫さんとか…楽しいねぇ…。そうそう、隣の女性が内藤泰弘氏の初同人誌『サンディと迷いの森の仲間たち』を知ってたとか(大好きな作品なんです)…もう凄すぎて訳分かんない。

編集の方にはファンブックの発行を強く強く推していたワタクシです(すみません…)でもイベントで「ファンが3人以上いるのを初めて見た…」と言って盛り上がっている位ですんで、採算考えて大手さんからの発行は難しいですわな…。欲しいなら自分たちで作らなきゃ、ですね。『パーム』のためなら一肌でも二肌でも脱ぎまくります。本業はデザインです。取材・ライティング以外の企画・編集・デザイン〜印刷納品まではすべてできますので、やりたいという方はお声掛けください。

また、今回ご一緒した方、Twitterもブログもやっていないという方も結構いらっしゃいましたが、このままではこれっきりになってしまうので、この記事に何かコメントいただけると嬉しいです。Twitterアカウントはお教えした通りです。「#今夜はパーム」でTweetされている方はいらっしゃるのですが、それがあの席の誰なのかが分かりません。そのあたり(二次会で座っていた席や話題など)教えていただけるとても嬉しいです。

話を飲み会に戻し。自己紹介では人生と『パーム』の関わりについて、などを聴くのも楽しかった。そうそうBL作家さんもいらっしゃいました。それで思ったけど、ちょうど締切に追われて参加したくてもできなかった作家さんとか、絶対いらっしゃったんだろうなぁと。『Wings』を創刊号から買っていたという驚異の女性(イベント冒頭で話されていた一人)とも話せました。綺麗な方でお若く見えたけど、何歳だったんだろう(笑)。でも皆口を揃えて「ほんとに他に読者がいるのか信じられなかった」とおっしゃいます。

知りあいだけで「パームカフェ」ができた自分の、何とシアワセなことだろうと思います。

さて、私はバスの時間が近付き、本当に名残惜しくも中座することに。その後のことは詳しく知りませんが、Twitterによれば三次会もあったようですね。いずれにしても、またお会いすることができるのかどうか。Twitterもブログもやってらっしゃらない方は一期一会の可能性も高い。でも新書館さん、ぜひまたこんなイベントをやっていただきたいんです。お願いします。

そうそう、『パーム』がここまで続いてこんな場が持てたのは何しろ版元であり掲載を続けている『Wings』編集の方、そして版元新書館さんのおかげです。ちょっと長いですが前述の『Petit PALM BOOK』から獸木野生さんの書かれている文章を引用します。

デビュー後しばらくして、最初のアシスタントさんの知りあいの占い師が「占ってあげましょう」と言うので、『年中(当時)廃刊になるかも知れないから覚悟しておけ』と言われるが、新書館やウィングスは大丈夫ですか?」と、みてもらったところ「あなたが書いている間は大丈夫です!」と言われた。

そのときは半信半疑で「しんどい」年月が流れたが、その後もうダメかと思われるあたりで、突然人気のある漫画家さんが次々出るなどして、それまでとは比べ物にならないほどメジャーな感じになり、同時に雑誌のジャンルがマニア向けから女性向けに変わって、獸木でもそうと分かるほどPALMは雑誌にそぐわなくなった。それまでの作家陣も次々にいなくなった。

気がつかないふりをして書き続けていたら、「出版はビジネスだが、どんな内容のものを載せているのかということも大切なのです。(当時の担当藤森君の言)」と、追い出されるどころかそれまで以上に大事にしていただき、さらに自由に書かせていただいた。

ただの1度も流行に迎合する必要も、妥協を迫られることもなく、今やとうとうPALMは最終話に至り、今の今まで雑誌もほんとうに存続した。その間約30年間。何よりうれしいことだ。

デビュー前、「漫画界は汚いところだから、あなたのような理想主義は絶対通用しない」とか、よく言われた。PALMみたいな話を完結させるのが、今の世の中ではラクダが針の穴を通れるかどうかくらいむずかしいことはよくわかる。

しかしPALMが最終話に到達したことによって、良心的な出版社や編集者はここに存在すること、信じて書き続けることによって理想は達成させることが、証明されたと思う。

PALMはそれ自体が大きな奇跡の証なのです。ほんとうにありがとう。

〜『Wings』付録『Petit PALM BOOK』より、「マンガ家になって一番うれしかったこと、しんどかったことは?」という質問に対して「うれしかったこと」の答えより一部抜粋〜

奇跡を体験させていただいた、新書館の皆様。トークでも飲み会でも何度も申し上げましたが、本当にありがたいです。心より御礼を申し上げます。後は獸木先生が、最後まで無事に、健康に、書き終えられることを祈るばかりです。

///////////////////////////

イベントレポートはこれで終ります。まだ書き足りないことはあるのですが後日に。

この記事だけで私に接する人も多いと思いますので、漫画自己紹介を。『パーム』ファン解析の一例としてご参照ください。

私の好きな漫画、漫画家。
女性作家:佐藤史生、西炯子、特に初期のPFコミックス、須藤真澄、西原理恵子、大島弓子、よしながふみ、吉田秋生の時に初期と『海街diary』、紫堂恭子全部、桑田乃梨子、『日出処の天子』、くらもちふさこ、逢坂みえ子、耕野裕子、『カルバニア物語』、『おいしい関係』、『ぼく地球』、清水玲子、羽海野チカ、市川春子、『ぽっかぽか』、萩尾望都、東村アキコ、『ご主人様に甘いりんごのお菓子』
男性系:岩明均、ゆうきまさみ、『度胸星』、『へうげもの』、尾瀬あきら、新井英樹、大友克洋、士郎正宗、五十嵐大介、幸村誠、黒田硫黄、上条淳士、石川雅之、奥瀬サキ、井上雄彦、『JIN』、『お〜い!竜馬』、『龍』、『湘南爆走族』、福島聡、花輪和一、鶴田謙二、『MASTERキートン』

あ、あとライフナンバーは6です。カーターやシドと一緒です。自分的には「分かる〜」てかんじ。

【リンク】同じイベントに参加された方のレポート
きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

【追記2014.07.19】
たくさんのメッセージありがとうございました。是非またあんな集まりができると良いなぁと思い連絡用BBSを作りました。足跡を残していただけると嬉しいです。
パーム掲示板

 

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