『SING』感想

『SING』(吹替版)をやっとシネコンで観ました。先に観ていた妻と次女も絶賛してたけど、ホントに傑作。吹替がまた最高。「次に字幕版観たってこれ以上良くなりようがないでしょ?」と思える位。歌モノとしても群像劇としても、そしてイルミネーションの新しい可能性を見た一作としても大満足。

アホなギャグ連発でストーリーなんて大してアレな(失礼)これまでのイルミネーション作品(怪盗グルーやペット、どれも大好き)とは少し違う、ちょっとシリアス入ったギャグ映画になってる。

途中若干ダレたり、主人公のダメさに呆れたりすることがあっても、最後のライブシーンで全部帳消し。特にMISIAが歌うクライマックスは音楽ライブとしても最高、鳥肌出まくりの名シーン!

↓以下ネタバレ

以下は音楽ナタリーの、吹替版演出:三間雅文&音楽プロデューサー:蔦谷好位置のインタビューから抜粋しつつ感想を。この素晴らしい吹替版ができた裏側でどれだけの気遣いがなされていたか、声優陣の才能がどれだけ発揮されていたかが良く分かる。

MISIAとスキマ大橋卓弥氏の演技はテストからこっそり録音。MISIAはテストの採用もかなりあった。

日本語の訳詞は映画のためにすべて書き下ろし。←当たり前のことかも知れないけど「ええー!」て思うよね。これがまず大変。しかもアナ雪みたいに映画オリジナルの初出曲ならまだしも、イルミネーションが選択するのはすべて何年も何十年もヒットした名曲揃い。我々はもちろん知ってるし、愛している曲も沢山。それを(リップシンクさせなきゃなので英語と韻をを合わせつつ!)改めて訳すことのプレッシャーといったら。

これは原曲ママだけどスペンサー・デイヴィス・グループの「Gimme Some Lovin’」で始まるOPってだけでまず涙が出るほど嬉しいし、クライマックスのスティービー・ワンダー「Don’t worry ‘bout a thing」とかの選曲も最高。前者は60年代終盤、後者は73年でどちらもP.バラカン氏が70年代ソウルを語る際の定番曲でもあり。今度の県政記念館DJでかけてくれるとイイなぁ。イルミネーション作品は毎回選曲センスの良さが特筆モノ。

何故かライブシーンなのに英語詞の歌が1曲出てくるんだけど(BGMは英語詞が殆ど)、これは本国で日本語歌詞を付ける許可が下りなかった歌。ただ、たとえそうであっても、本国版をそのまま流用するのではなく、日本の声優が英語詞を練習し、本国と見まごうばかりの素晴らしい歌唱を見せてる。実際自分も「え?これ本国版の流用?でも声はさっきまでと一緒だし…ええ?」と分からなくなっちゃった位。

その英語詞を歌った一人、豚役のトレンディエンジェルの斎藤司は、もともと社内公用語が英語の企業で働いてた。この対談でも彼の演技はすごく褒められています。素晴らしい仕事ぶり。今後もオファーあるんじゃないかな。

ゴリラのジョニー、スキマ大橋卓弥氏には「ゴリラの体格でこういう動きだから、もっと足を踏ん張って言ってみてください」とかの、動きからの演出もつけている。練習シーンでも歌が「上手くなり過ぎちゃう」ので、イコライザーで少し声を細くするなどの調整も。

「日本のスカヨハと言えば長澤まさみしか思いつかない」と選ばれた彼女。収録がミュージカル出演のタイミングとも重なり、ボイストレーニングも相当重ねて最初から声が完璧に仕上がった状態だった、とか。演技も見事。
長澤まさみの歌の上手さは既に周知済みだけど、今作はまた違った音色で、彼女ガールズバンドのボーカルとかやったらいいのにと思った位。

長澤まさみのハリネズミ、本国のスカヨハのボーカルはよりパンクっぽく聞かせるために音質を細かくいじっているようだ。だけどそのいじった設定を聞ける訳ではなく、そもそも元の声質が違うので教えてもらっても無理だし…。

「少しでも近付けるために、リバーブや歪みとか、いろんな数値をコンマゼロ単位で」日本語スタッフが調整している。

三間「手の込んだ料理を食べて、レシピなしで再現するようなもんでしょう? 改めて考えてみれば、相当な無茶振りじゃないですか。」

蔦谷「いい比喩ですね(笑)。でもそのおかげで、ハリウッド作品の音楽がいかに細かく作り込まれているか、改めて体感できた気がします。アッシュに限らず、キャラクターの持ち味をEQの数値レベルに置き換えて表現する作業はすごく勉強になりました。」

イルミネーションにしては初めての「ギャグ満載突っ走り」から少し離れた作品だっただけに、多国語演出も迷うところがあったんじゃないかな。それを結果的にここまでの仕上がりにしてくれた日本語版スタッフには本当頭が下がります。イルミネーションファンとして感謝しかない。

早くディスク出ないかな。特にライブシーン、家族で何回でも観ることになると思う。

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