「アルザにいがた」主催・「アルザフォーラム2025」基調講演
吉田恵里香「『はて?』の果て~小さなモヤモヤを物語にして~」
入場抽選に無事通り、行って来ました。

2時間の開催時間すべてが質疑のスタイル(前半は事前質問・後半は会場質問)というのは、最初どうなんだろうと思っていたけど、司会者の意見も最小限、吉田さんの回答は超詰めツメで手加減なくギッシリだったので
「2時間で吉田さんから最大限の内容を得られるスタイル」
だったんじゃないかと思う。すごい密度だった。
自分的クライマックスは
「寅子が穂高先生に花束を渡さなかったことに対しての視聴者からの否定的なリアクションについて」
たっぷりと吉田さんの考えが語られた部分だったように思う。
しかも両論併記型ではない。あそこで花束を渡してちゃんちゃん、にしようとするシステムっておかしいよね?が大前提。このことがとても嬉しかった。今回のトーク全編に言えることなんだけど。
この論は、後に会場からの質問に答えた中にも出てくる吉田さんのポリシーに関わる。やるべきか、やらざるべきかは未来の自分が後悔しないかどうかで決める。今この人を止めておかないと後で他に困る人が出てこないだろうか。
イヤな食事、イヤな花束。イヤイヤ飲みこんできたそれらの事象が、後になって「あなたは食事に来ていたんでしょ?なら同意してたってことでしょ?」と被害の隠蔽に使われるのが当たり前になっちゃってる。
あと後半で質問していた20代の会場の女性からの質問と、それに答える吉田さんの話を聞いてて何だか泣けてしまった。理由は良く分からない。彼女は学生時代周りの友人達も恋愛や結婚にあまり興味がなく、自分もそんな感じで卒業して就職した。そしたら急に周りから恋愛と結婚が大前提のように話しかけてくる。今とてもプレッシャーを感じている。果たして自分は、興味もないのに「社会経験として」恋愛をした方が良いのか、分からなくなってしまったと。
吉田さんは「単に話すネタがなかったのかも知れない」という注釈付きではあるが、まず興味もないのにそんなことをする必要はないと答える。会社での相手に対しては「今は興味なくて」とやんわりと断るか「私はいいですけど最近そういうのはちょっと良くないかも知れないですよ」とするか。他者に被害が及ばないようにすべきなら後者。とか。
一貫している彼女のポリシーは「対話」。
分かり合えない相手ほど対話して「本音」を探り出す必要がある。
他のメモなど。
とらつばの打ち上げの時に主要スタッフから「これからはお子さまとの時間を大切に」と言われたこと。その場では感情的になりすぎるから2か月後にちゃんといやな気持ちを伝えたこと。子供との時間をないがしろにしていたと決めつけられるのも心外。
そういう嫌な気持ちを伝えるのが苦手でどうしたら良いか、という会場からの質問に対し、いつ言っても相手はどうしたって感情を害する。自分はそれでも後悔するのがいやだし、そこでやるべきことをやらなかった自分が許せない、使命感のようなものを重視するタイプだけど、そうでない人は無理に言う必要もない。関係性もある。
とらつばの最終週は本当は一周かけて平成編をやりたかった。100年前から何が解消され、どんな問題がそのまま残っているか、など。
自分の感想▶結局、桂場の「時期尚早」を100年もずっと言い続けてるんだよな。この日本。
会場から質問「自分と正反対のような人、たとえば排外主義に賛成するような人と、どのように対話すれば良いか」
答え「相手との関係による。SNSは(中略)なので同じ土俵には乗らない。知り合いであればその本当の本音はどこにあるのかを聞き出すべき。否定せずどんどん聞き出すと、元々の理由は何なのかが見えてくるかも」
世の中を良くしていくために。
特に私達女性は「連帯」が苦手と感じる。男性に比べフォルダ分けが多く、少しの違いを気にして団結できないことが多いように思う。女性運動の成功体験を作るために、このフォルダ分けを雑にする方法がないか考えている。
子育てと仕事の両立はできているか
一番多い質問。「できていない」と答えるし、両立しようとは思わない。無理。「両立」という言葉を生み出した人が悪い。1つだけこれだけ守る、などをやっている。吉田さんの場合「寝るときは笑って」。
質問:地方女子の流出対策について世間で言われていることにモヤモヤする。
その裏にある邪悪さ(人口対策のため、つまりは出産マシーンとして必要なので女性を留めたい)に気付いちゃうから当たり前の話。給料を上げたり要職に就けたい訳ではない、というのが透けて見えるからだろう。
これでも字数制限で相当カットしました。
完全ではないメモとウロ覚えが元なので元の発言と意図が変わってしまっている部分もあるかも知れません。その点ご了承ください。
昨年医学町ビルで開催した『とらつばナイト』参加のお一人が、今回のイベントの企画関係者でした。何と嬉しいことでしょう。
終わった後会場に来ていた知り合い2人と、向かいの喫茶店で甘味を食べながら(トークで頭使ったのよ…)2時間弱アフタートークしてました。とっても良い時間だった。ありがと〜!



