いよいよフィナーレの『らんまん』。
最後まで来てまたドン下げか!という関東大震災(まぁ史実だからしゃあないのだけど)が起こりまた辛すぎる日々。
今週驚いたのがすえちゃんのこのセリフ。
目が見えなくなっても八犬伝を完成させた馬琴先生のことは、身分の違う特別な人だから出来たんだと思えた。でも図鑑を完成させようとする夫に対しては「万ちゃんを特別と思いたくない」「あなたは特別だから描けて当たり前って、そう思いたくないんです」というセリフ。
これってある意味、有名人をモデルにした朝ドラでは、メタな含みも感じるよな。て思って。
こんなセリフ、朝ドラで聞いたことないな。すごいなーと思った。
あと金曜のあさイチ、神木君の登場回。まぁ充実しまくっていました。最高。
この中で仲良しの志尊淳との役作りエピソードが色々紹介される中で
「万太郎がこのままでは嫌われ者になってしまう。なんとかそれは避けたい」
と、前後のセリフを工夫したり、竹雄のセリフ、それに対する万太郎のやりとりの声のトーンをコントロールしたり、恐らく相当な手入れと調整をしていることが感じられる話をしていた。
こういった名優(=名演出家でもある)たちの数多くの工夫によって、あの愛すべき万ちゃんが最後まで愛されるままでいられたんだな。
それができてない例って、今までの朝ドラで山ほど観てきたよね。愛したいけど、これでは愛せないよ、ってゆうディテールの杜撰さが、どこまで俺たちの思い入れ・没入を阻んできたことか。
愛されない主人公級のキャラ、いっぱいいたのですよ。これまで。
それを避けることができたらんまん、すごい。
あさイチは脚本家・長田育恵さんのコメントにもぐっときた。万太郎の「自分は競っている。人間の欲望と」ってゆうセリフ。明らかに戦争も指していて、今だからこそのすごいメッセージの強さを感じて、めちゃ印象に残っていた。ああこのドラマはちゃんとやる気なんだ、と。
このセリフなんと神木君のアイデア(本人覚えてなかったみたいだけど)。長田氏自身だけではあまりに強くて書けない言葉だったと。それを神木君が言ってくれたことでふっきれて、以降の脚本にも影響が大きかったそうだ。
裏側を垣間見れて楽しかった。
さて最終週だ。