最近、印象に残った文句。
●一流と二流の違いは0.5ミリ
良く聞くような言葉なのかも知れないけど、今の自分のタイミング的にピッタリだった。
(中略)その点、安藤(忠雄)と僕とはハードな到達点を持つので共通点があると思う。彼がいつも「一流と二流の違いは0.5ミリの勝負やで」と言ってるあのハードさね。彼はレンガの貼り方がちょっとはみ出てると、自分でハンマーで壊しちゃうから。
『作家の仕事場〜25人のデザイン・ジャイアント(インフォバーン)』浜野安宏インタビューより
トラブルと悩みと課題と難題だらけの我が仕事の現状なんだけど、一つだけ確かに言える、間違いのない指標がある。
「良いモノを作り続けることが、結局、(利益への)一番の近道だ」
この業界(グラフィックデザイン)に入って10年近く経つけど、きっとその時々で「0.5mmの違い」という言葉の受け止め方は違っていたと思う。勿論入りたての10年前には文字面通りしか分からなかったろうし、ココロにも響かなかったはず。少しずつ業界の仕組みが分かってきた5年前でも、今とはぜんぜん違う(今からすれば勘違いした)意味で、この言葉を受け止めていたことだろう。
先頭に立ち人を動かし会社を動かさなければならなくなった現在。会社の今後と利益を考え、「良いモノを作り続ける」ことを改めて強く意識するこの時期に、安藤忠雄のこの言葉はするりと、しかしココロ奥底にずしりと入ってきた。
環境の違いでも、バジェットの違いでも、地域の違いでも、業界の違いでもない、どんな立場にあっても、クリエイティブに携わる我々ならば、誰でも努力できる、努力すべきポイントがある。誰でもできる筈なのだけど、なぜか多くのヒトができてないコトが、あるのですよ。こういった色々な事情を理由に「イヤそりゃそうなんだけどさ」とみんなが言うのだけど、その実自分たちが省いてることさえも気づかないポイントが。
そんな真理が、この「一流と二流の違いは0.5ミリの勝負やで」という言葉に隠されてる気がします。真理とはいつも、殆どのヒトが実現できない自明の理、のコトなのかも知れない。自分だって多分できない。でも、努力しなきゃいけない。
インフォバーン (2004/03)
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