カテゴリー: あまちゃん

『3.11を心に刻んで』より〜大友良英さん

「ダサいくらいなんだよ、我慢しろよ!」
(NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の主人公、天野アキが親友に向って言う台詞)
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 80年代以降の僕ら日本人がたどって来た道をたったひとことでばっさり。そのくらい、このことば、わたしには衝撃的でした。
 「ダサい」ってことばは、わたしの記憶にある限り、70年代の後半くらいから使われだしたように思います。それ以降、僕らは、正確にはオレたち田舎育ちの人間は、この言葉に縛られてきました。ダサいと言われたくない=洗練されたい、都会的と見られたい。とりわけ福島に育ち、東京に出てきたわたしのような青年にとっては、切ないくらいの呪縛力を持ったことばでした。都会育ちには、この感じ、わからないだろうなあ。
 この「ダサい」をどうやって克服したかと言えば、自分がそれなりに自分の仕事をするようになり、社会に認められ、海外でも認められ……って、あああ、やっぱ、こう書くとオレめっちゃダセえ。でもそうやって、いつのまにかこのことばが恐怖ではなくなっていきました。
 でも、否応なくそんな過去を思いださせたのが震災でした。なんで福島に原発があるのか。なんで事故がおこったときにこんなことになるのか。そのときに翻弄されるオレたち福島出身者や福島在住の人たち。「ダサい」という言葉に翻弄されていた自分と、2011年の翻弄される福島とがどこかで重なって来て、自分自身正気ではいられないくらい動揺しました。なんでだろう、最初はそう思いました。その謎を見事に解き明かしてくれたのが開沼博の書く『「フクシマ」論』(青土社)でした。「ダサい」に翻弄されていた自分と、田舎に原発が作られる土壌の見事なくらいの一致。震災と原発事故を経て、2012年に入った頃から、自分の残りの人生は地方と中央の問題をどうにかしていくことに焦点をあてよう……そう決心しました。
 そんな中で、自分もその制作に関わって生まれたのがNHKの朝ドラ「あまちゃん」です。あそこには地方と中央の関係が等身大で見事に描かれています。宮藤官九郎さんの脚本は、決して難しいことばを使わずに、日常的なやり取りの中だけで見事にことの本質を射抜きます。今もことあるごとに、わたしはこの言葉を思いだします。なんでだかわかりません。でも、それが、地方と中央の関係を根底からくつがえす原動力になるような気もしています。二度と原発みたいなもんを作らないためにも。
(おおとも よしひで・音楽家)

岩波書店WEBサイト3.11を心に刻んで』より

あまちゃん再見

あまちゃん終わった次の週の月曜日から、NHKオンデマンドで1話より再見を始めていますんで、「あまロス」どころか今まさにブームの最中のような心持ちです。序盤の岩手編、とにかく楽しい。今日見てたのは春子がアキに2階の部屋で自分のアイドル論を語り始めたら止まらなくなって、スナック休んで「あ、その前にママお酒持ってくるから」とか、もう最高。

全部見終わって、すべて分かってからの再見はまた全然違う楽しさがあります。正直本放映中は、続きや結末が気になって1話からの再見なんてとてもできなかった。
でも最後が分かって、たくさんのクライマックスを経験し、そこまでの伏線(もしくは偶然)を辿りながら、でもどこか新鮮な気持ちを思い出して観る『あまちゃん』の楽しさったら、もう最高!たとえば放映終了後に新聞にキョンキョンが寄稿したあまちゃんに対する思いなんかを読んでからの春ちゃんの序盤の演技、ですよ。こんな楽しみがまだまだ百何十話も残ってる(しかも先が分かってるのであせらなくてイイ!)おれにとって今年は最後まであまちゃんイヤーです!

あまちゃん第139回:この顔

ついに3.11がやってきた先週。当日のことを描いた月曜日(第133回)の歴史に残る素晴らしい演出についてはどこかでまた書くとして、正直火曜以降の展開はあまちゃん始まって以来のダラダラ脚本だったように思う。確かにそれがリアルだった。3.11後のあの空気が少し蘇った。だけどドラマとしての、これまでのあまちゃんの密度からしたら、自分的には少しがっかりした週だった。

さてさて、そんな雰囲気も今週からは少し変わってきたようだ。特に震災を経たユイちゃんの演技がすごい。目が離せない。

ちなみに(ユイちゃんとは関係ないけど)昨日の放送(139回)でもモーレツに印象に残って忘れられないのがこの表情だった。
20130909
奇跡の生還を遂げた三陸鉄道の車両を、倉庫で待っていた地元民達。当日ユイちゃんと一緒に列車に乗っていた鈴木のばっぱが、
「オラのことを守ってくれた北鉄さ、お礼言わねば」
と語っているのを聞いている、吉田副駅長の顔。

  

あまちゃん第121回〜『おらたちの大逆転』

Twitterだと迂闊にネタバレは書けず、かといってこの気持ちをどうしたら…というかんじなのでとりあえずブログに書きます。

今週は、毎日泣かされることになりそうです。

先週の最後の最後に、夏ばっぱが自宅で倒れているのを大吉が発見。
その後の予告編がまた…もう心臓つぶれそうでした。

えてして人というのは、このように予告無く大病にかかったり、ある日いきなり倒れたりします。そしてその瞬間からいきなり、目を覚まさなくなってしまう。
周りは前日までの元気な様子を思い返し、「ああ、元気なうちにもっとちゃんと話しておきたかった。あれも話したかった。あのお礼もしたかった。もっともっと一緒にいたかった」などと後悔の念に苛まれることになる訳です。なんとかして1日前の、いや数時間前のあの時に戻れれば、一言だけでも感謝の気持ちが伝えられるのに…と。ひたすら悔しく思う訳です。

でも現実は、決して後戻りできない。

自分でも驚いたのが、ドラマの出演者である夏ばっぱに対して、それと同じような感情を抱いたことでした。

夏ばっぱが倒れることなんて、先週の最後の最後まで知らなかった。倒れてしまって、元気な姿が見れなくなってしまっている今、ああこんなことになる前に、ばっぱの元気な姿をもっとちゃんと観ておきたかった。何度も何度も観て、ばっぱの一言一言を、もっと噛みしめておきたかった。皆が元気だった、先週までのあの幸せな時間を、もっとちゃんと自覚して味わっておくべきだった。みたいな後悔の念が押し寄せてくるのです。
いかに自分が『あまちゃん』と共に毎日を過ごしているのか。思い知らされました。
(いやもちろんこの後のことは分かりません。きっと元気で戻ってくるんだよね。)

【本日(121回)のぐっときたポイント】

スクリーンショット 2013-08-19 21.56.51これは正確には前回:第120回のラストのシーン。
大吉からの「お母さん倒れた!」のメールを受けて
「どーせ嘘だから。気にしなくていいからね〜」と一蹴した(ように見える)春子。
その直後事務所にかかってくる電話。ソッコーで子機の受話器のスイッチを押すアキ。
でもそれよりもっともっと早く、一瞬でデスクの受話器を取り上げている春子。
どれだけ春子がこのメールに動揺していたか。
何の説明もせずに、動きだけで魅せる素晴らしいシーン。

※この直後に今週の予告が入るんだけど、改めて観てみると、予告の作り方も上手いよなー。これでもちゃーんと、サプライズを残しているんだよね、いつも。時間軸を自在に行き来しながら、1週間を巧みに数秒でまとめている。

 

スクリーンショット 2013-08-19 22.07.09オーディションに向かうアキと父と水口。立ち止まって「やっぱ怖ぇな」とつぶやくアキに、さらっと「やめるか?アキ」という父・正宗の口調が、優し過ぎず、かといって冷たくもなく厳し過ぎず、妙に印象的だった。
ずっとダメ親父のように出演し続けていた正宗だけど、なんというのだろう、これまでの出演のすべてが、このシーンを見た瞬間にぐるっとまとまって、なんかやっぱ良いパパじゃん、なんて思わせるんです。その後のアキのセリフ「オラには、夏ばっぱがついている」も、水口の「俺も、クビになって以来だよココ来るの」も良かったけど。一番ぐっときたのは正宗さんの演技だった。

 
スクリーンショット 2013-08-19 22.20.12病院で、弥生さんが歌いはじめた「いつでも夢を」。ユイちゃんが歌い始めるシーン。ベタな演出なんだけど、完全に観てるこっちは北三陸の連中と気持ちがシンクロしている。そりゃ歌うわな。ばっぱに目覚めて欲しい、なんとか起きて欲しい、その気持だけなんよ。

 
ところでオリジナルの『いつでも夢を』。
改めていい歌だねぇ。

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閑話休題。
最近読んだこの、もんじゅ君によりよる大友良英さんのインタビューは、震災と『あまちゃん』を巡るテキストの中で今のところ一番好きな文章かも知れません。ぜひ多くの人に読んでもらいたい。無くなるといやなのでまた後で引用させていただきます。大友さんも、そしてやっぱり聞き手としてももんじゅ君も素晴らしい存在です。

もんじゅ君の「ズバリ聞きますだよ!」第4回 –

【前編】じぇじぇ!大友さん、『あまちゃん』は2011年夏の福島から始まっていた、ってどういう意味ですか?

【中編】じぇじぇ!大友さん、『あまちゃん』にジャズやブルースを取り入れたのには、どんな背景があるんですか?

【後編】じぇじぇ!大友さん、『あまちゃん』から「中央と周辺」の問題を考えた、ってどういうことですか?

富野由悠季監督、あまちゃん褒める。

人以外あまり褒めてるの聞いたことないので新鮮。

富野新作Gレコの正式?タイトルは「Gのレコンギスタ」」より抜粋。

富野:お話だけじゃなくて、テーマ曲も、なるほどツボにはまった時はこれかよー、作り手はコワいところにくるよねー、って見事にハマってるっていう意味で、要するに、ものをつくる・作品を作るって時に一番憧れるところに今あるのが、あまちゃん。

富野:観てない人にもうちょっとお話しなくちゃいけないのは「単純に視聴者に対して元気を与えているから、朝の連ドラとして」だけではないんです。これは宮藤官九郎さんの作劇論が優れているのもあります。どういう事かと言うと、言ってしまえば360度の視点を一つの劇に集中させている作り方をしている。

富野:逆にNHKこいつら、図に乗ってるんじゃないかこいつらと思っているのは(会場笑)、ある方法があります。たった3秒1cutの為に、エキストラ20人動員してバチッ。違う場所でロケセット組んで撮るなよ! ってぐらい贅沢な撮り方をしてるんだけれども、その2、3秒の別cutの入り方含めて巧妙なんです。ってことはどういうことかと言うと、一つの目線での物語論じゃなくて、何人もの人の目線がありながら、なおかつあまちゃんの話をドーンとやってるというつくりは、かなり見事ですね。

富野:「こう来るかぁー」って意味での作りの巧妙さ。二、三重の作りこみというのが、そりゃあ見てて気持ちが良い。だから何故あれが正味12分半に入るんだろうか、というのが時々寒気がするぐらい。

塩澤:今回、能年さんの魅力って大きいかなと。
富野:それに関してはスタッフに対して敬意を表します。よくあの人を、あの子を使う気になったなと。ホントに舌を巻きます。

富野 このくらい好きな場合ってのは絶対に影響されます。イヤでも影響されます。
宇野:「ガンダム・ダイバー」とか(会場笑・殴りにいく富野)?
富野:そういうことではなくて! 例えばね、「リアリズムとフィクションの間での女性性ってのはどういうものなのかなぁー、アキちゃんだったらこうなんだけども、僕はやっぱり、ほんとはどっかでユイちゃんも好きだからこういう風に作ろうかな」とか。
塩澤:ガンダム48とか出てくるわけですか?
富野:うるせぇよ(会場笑)!
宇野:∀とか最下位なんですよね。
(へこむ富野)

  

あまちゃん第91回:ユイvsアキ

北三陸に帰省中のアキ(能年玲奈)は、ユイ(橋本愛)に呼び出される。かつて、地元アイドルとしてステージに立った思い出の海女カフェで、二人は本音をぶつけ合う。ユイはアイドルを目指し、上京を夢見ていたが、父・功(平泉成)の病と母・よしえ(八木亜希子)の失踪により北三陸に留まらざるを得なくなり、すっかり投げやりになっていた。アキに冷たい言葉をぶつけるユイ。アキはこれまで秘めてきた思いを伝えるが…。

NHKオンデマンドのあらすじより)

すごい回だ。
あまちゃん史上かつてないシリアス回。何がって、海女カフェにアキを呼びだしといて罵倒の限りをつくすユイ。ここでのアキとユイのやり取りがすごい。何段階も、これでもか、これでもかとやりつくす2人。そう、ユイちゃんの初登場シーンから実は見ている我々は気付いていた。ユイのこういう性格を。特に豹変した訳でもない。この状況(上京直前に父が倒れ、その次には母が失踪)に置かれたら、まぁこの子ならこうなっちゃうわな。言ってみれば至極真っ当な展開。

だけど、その至極真っ当な「ぐれちゃった」気持ちを、僅か4〜5分のやりとりでさくっと浮き彫りにして、しかも最後にはやっぱり素のユイちゃんの正直なところがすっと見える終わり方、にまで持ってくる脚本の素晴らしさ!

最後にアキ母・春子に泣いてすがりつくユイ。この「どーしたん?ダイジョブダイジョブ」のかんじ、娘持ちの親にはたまらんよね。
やっぱり、キョンキョンのママは最高ということ!

ama01

 

しかもこのアキ×ユイのやり取りの合間には、カットバックでユイのお父さんのバーシーンが入る。ここでお父さん、実は奥さんの失踪に既に気付いていたことを、実に軽やかに気持ちよく、誰も傷つけることなく上手にさらっと告白しちゃう。瞬間のBGMの入りもいいし、役者・平泉成さんの実力も相まってこれまたぐっとくるシーンとなっている。他にもバーのいつもの面々がユイのことで悩むシーンとか、副駅長吉田の「(ユイは自分達にとって何なのだと問われ)んだ!アイドルに決まってるっぺ!」とキッパリ言うシーンとか。キョンキョンがアキのベッドに行ってお茶目に寂しかったってイチャイチャするとことか(こうゆうの分かる分かる!でもこういう状況でさくっとやれるのが良き母なのだ!)もう細々と名シーンが。くう。

 

さて、これを書いている段階ではまだ92回を見終えたところで、実は92回ではアキのドラマ登場シーンがカットされるというショックな出来事が重なり、アキはまったく救われないママ次回へ「つづく」となっている。

あまちゃん史上かつてない重重展開。さてどうなる次回!

アキ「だけどオラだって、オラだって必死に踏ん張って這い上がろうとしてるんだ。気楽な身分だなんて言われたくねぇ!」

ユイ「ふっ(笑)40位の繰り上げ当選のくせに自慢しないで!」

アキ「自慢じゃねぇ!それがオラの現実だ!

アキ「ダサいなんてそんなの……自分が一番分かってるよ。

アキ「どんだけ不幸か知らねえが、ここで過ごした想い出まで否定されたら、オラぁやってらんねぇ!!!(叫ぶ)」

カフェを走って出て行くアキ。

  

あまちゃん第83回メモ。

ユイ(橋本愛)は、万引きしようとしたところを春子(小泉今日子)に目撃され、そのまま喫茶リアスに連れてこられる。春子は、投げやりなユイを厳しくたしなめる。そのころ、アキ(能年玲奈)は鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の付き人として、忙しい毎日を送っていた。「昔の自分と似ている」と話す鈴鹿との間で、奇妙な関係を築き始めるアキ。そして、事務所の社長・太巻(古田新太)が、アキの運命を左右する重大発表を…。
(NHKオンデマンドのあらすじより)

冒頭からこんだけシリアスモードで始まる回もなかったんじゃないだろうか。またまた名シーン続出。
ぐれちゃったユイちゃんを叱る春子も勿論なんだけど、おれがぐっとくるのは東京の方の、アキと鈴鹿ひろ美の会話。なまりが話題になった時に

アキ「ひとりくらいなまってたっていいべ?テレビだからって、みんながみんな、おんなじ言葉しゃべんなくたって、いいべ?」
このセリフを、アキの顔じゃなくてアキなめの鈴鹿ひろ美の顔で見せてるんだけど、この鈴鹿の表情がね、なんか泣けるんすよ。色々思うわけじゃないすか。普通なようでいて、このセリフって。深い。

アキ「それに、おらが標準語喋ってるの、夏ばっぱや、海女クラブの人達が聞いたら、残念な気ぃすっべ?」

鈴鹿「あんた、おばあちゃんや海女さんのために女優やんの?」

アキ「そしたら鈴鹿さんは、何のために女優やんだ?」

鈴鹿「(…間…)(作り笑顔で)わがんね」

アキ「(嬉しそうに笑う)」

2人の顔演技と、演出の「間」が素晴らしい。
ぐっときました。

前回の82回の最後で、アメ横のどっかの屋上で種市センパイとアキが話しているシーンがあって。ここでは種市がユイの悪い噂を話しているんだけど、カメラはずっとアキの顔を追ってる。セリフはないのだけど、この、ユイの噂を聞いている間のアキの顔演技もすばらしい。既に夏や誰かから噂は聞いているであろうこと、そのことについてアキはそれなりに考え、既に自分なりの対応や気持ちを固めていること。アキの芯の通った性格。もろもろがその表情から見て取れる。

昨日の「たまむすび」でピエール瀧さんが言ってたけど、だいたい3カメくらいで撮ってるから、編集でいかようにもできるらしい。それだけアキの演技が良かったという判断なのだろう。スイッチせず長回しで見せる見せる。

回を重ねる度に、ベテラン俳優達の演技には勿論感心するんだけど、アキの演技力に知らずと惹きこまれている自分に気付く。この子、底知れない。というか、周りのパワーも吸収しながら、どんどん育っているのかも知れない。

ナレーションがアキに変わる前もスタッフは「出来るのか…?」とかなり心配だったらしい。それがあまりにも出来るので驚いたと。ずぶんも驚いた。というかアキのナレーションは今やあまちゃんの大事な柱になっている感さえある。どこまで楽しませてくれるんだ能年ちゃん。

(で、最後はちゃんと明るい希望を持たせて終わるのもイイ。これぞ連ドラだよ)

  

あまちゃん第79回:だめんずになった種市先輩

あまちゃんメモ。
第79回は、安部ちゃんのお店でアキと種市先輩が初めて逢い、一緒に寿司を食べに行く会。

2人でユイの話をした後に沈黙して、
「まだ付きあってんのが…」から始まるアキのふてくされセリフがなんともカワいくて笑える。

アキ「そーがそーが、遠距離恋愛続行中か!(キレ気味)

アキ「先輩も、なまってる方でねぐてカワイイ方がこれば良かったのにって思ってるクチだな!

アキ「そーがいそーがい。すいませんした」

種市「別にそんなこと言ってねーじゃん」

アキ「『言ってねーじゃん!』はーいづの間にやら標準語かー!

あぐらをかくアキ

アキ「かっこいいなー!『って南部ダイバーじゃん』?」

種市「天野!(怒鳴る)」
20130701

あまちゃん屈指のアキ方言名シーンであった。

一方ウチの妻は、この後に種市が告白する内容を聴いて、呆れていた。
空港建設で海底作業をする筈が、工期の遅れでスカイツリーの現場に回された種市。そこで自分の高所恐怖症に気付き、耐え切れずに仕事をやめてしまう。「地元に戻り南部ダイバーの指導者になるか」「ユイも東京には来ないし」「仕事さねぇのに東京さいてもしょうがねぇ」と話す先輩を見て(先輩は変わってしまった)と思うアキ。

妻「はーよくいるんだよねぇこうゆうの。だいっ嫌い。仕事でちょっと何かあるとコロッと変わるヤツね。うんうん。だめ男あるあるだね。はーーーーーーーはーーーーーーー」
「(寿司をおごったことに対して)仕事してないくせに社会人風吹かせてんじゃないっての」

と、キョンキョンばりの早口で言い捨ててた。
妻の中で、種市先輩が一気にだめんずに墜落した。

まぁでも高所恐怖症ならしゃあないでしょ?という気も。それよりも、アキと種市先輩の間の、こうゆう気のおけない会話?みたいのが見れた方が嬉しかったなぁ。ちなみに妻は、アキのふてくされシーンは全く琴線に触れなかったようで、男女の見方の違いが分かりますね。
ちなみにこの回での妻のハイライトは副駅長・吉田君の
「(高い声で)おいおいやめろよ。彼女イヤがっているじゃないか」
だそうです。

さてさて、この後種市ちゃんはどのような復活を遂げるのでしょうかね。それともだめんずのママなのか。まさかそれはないでしょう?

  

あまちゃん第72回。旗振りシーンは連続で撮影した。

前回書いた夏ばっぱの旗振り見送りシーンの撮影裏話が公式サイトにアップされていました。引用します。

実は、「春子のために旗を振る」シーンと「アキのために旗を振る」シーンは同じ日に撮影しました。春子とアキを送り出す気持ちは同じですが、時代設定は25年前と現在なので衣装もヘアメイクも違います。

私は最初、母親としての思いを大漁旗に込めて春子のために精いっぱい振りました。普通ならそこで1度ロケバスまで戻って衣装チェンジとヘアメイクをするのですが、ロケをしていた海岸からロケバスまでかなりの距離を歩かなくてはなりません。撮影時間も限られていたし、春子のために旗を振ったときの気持ちを断ち切ることなく、同じ思いとテンションでアキのために旗を振りたかったので、その場で衣装チェンジとヘアメイクをしたいとスタッフの方に言いました。そこからが大変でした(笑)。大急ぎで簡単な目隠しを作ってもらって、男性スタッフの方には「あっち向いていてくださいね」ってお願いして、海岸で大急ぎで着替えたんです(笑)。

これは、そうやって出来上がったシーンです。そして私は、このシーンが大好きです。母が旅立つ娘のために、そして孫のために大漁旗を振るってすてきですよね。どんな言葉より、母や祖母の思いが詰まっていると思います。

あの演技の裏側には、やはり強い思いがあったんだねぇ。

あまちゃん第72回。岩手編最終回。

久し振りに「マイブーム」カテゴリに「あまちゃん」を追加。
『カーネーション』も本当にすごかったけど、この『あまちゃん』の毎回のテンション・濃密度・書き込み度たるや本当にとんでもないレベル。毎回2〜3回観てもその度に細かい発見があって。何より明るいのがいい。日本中があまちゃんのおかげできっと従来比5%位は平和になっている筈だ。

さてさて折り返し地点、岩手編の最終回:第72回についてメモしておきたい。これまでクライマックスは何回もあれど、これがやはり一応の区切りだろうか。神回と呼ぶにふさわしい。

●あ、その前に71回の最後。出発の朝に夏ばっぱがワカメを採りに家から出るところ。それを探しにアキが外を見にいくところ。あすこにいきなり入るスローモーション。あれ勘弁してよ。悲しい予感でもう胸がはちきれんばかりになる。ついつい忘れがち、いや忘れたくなるけど、この別れは…何かの意味を持つものなんだろうか。いやだ。

【第72回】

15分の中でなんと4回もクライマックスが訪れる

1)北鉄に乗ったアキを見送る春子のセリフ。「あんたは変わっていない。だけどみんなに好かれたね。みんなに好かれた。あんたじゃなくて、皆が変わったんだよ。自信を持ちなさい。それはね、案外すごいことなんだからね!」あの表情。あの顔。お母さんなんだよ。完全に。そしてキョンキョンの、あの凄さをもった、実在している、アキのお母さん。決意を持って、娘を見送るあの表情。その気持ちを思って号泣。

2)25年前の、春子の出発シーンの回想。北鉄の開通日。浜で大漁旗を振って春子を送る夏ばっぱ。大吉に電車の中で語りかけられたせいで、それを見ることがなかった春子。25年間恨み続けたそのことを、今勉さんの告白によって知る。

同じシーンを何回も流して、その度に新しい意味が加わって、同じシーンなのにどんどん意味が違って見えてくるという手法を『あまちゃん』では本当に上手に使ってるが。中でもこのシーンが一番多く流れていると思う。その都度裏の意味が見えて来るんだけど、今回ついに…
春子を見送る夏の思いを、25年たって初めて知る春子。旗を振って「ばんざーい!」と叫んでいた若い夏さん。最高の演技。
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3)現在。また車掌に話しかけられてあやうく同じことの繰り返しになりそうなところを、他の乗客に救われる。今度は夏ばっぱの見送りをちゃんと見届けることができたアキ。春子の思いも、春子ができなかったことも、1つ1つ実現していくアキ。25年前と同じく、また大漁旗を振る、ばあちゃんになった夏ばっぱ。同じく「ばんざーい!」で見送るばっぱ。海女のてぬぐいで応えるアキ。そこにかぶさる、オープニングのメインテーマ曲。岩手を去ることになり観ている人がどうしても寂しくなりがちな岩手編の最後を、期待とともに新たなスタートを切ることになる、いわば東京編のオープニングでもある。満面の笑顔で旗を振って見送る夏ばっぱの表情。観てるこっちは笑い泣き。
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4)間髪入れず、ユイの父が倒れ一緒に行けないという衝撃の展開。観ているこっちの気持ちはもう大波のように揺れています。ココは本当に前もってストーリーを知らなくて良かった。「じぇじぇじぇーー!」だったよ。心の底から。
自分も東京行きをやめるというアキを、泣きながら説得するユイ。
2人を隔てる北鉄のドア。たたみかける哀愁のBGM。絶叫しながら電車にすがりつき見送るユイ。呆然として見るアキ。電車はアキ一人だけを乗せて、出発する。

そして次回。東京編へ「つづく」。

これが15分ですよ。なんだなんだもう。すごすぎる。

そして駄目押しに次週予告。これまで宮本信子が担当していたナレーションが、アキちゃんに代わる。
東京でのイキナリの厳しい状況をダイジェストで伝えるその口調も探偵物語やら山田太一風やらこれまた色んなパロディと思われ…。
また最後に笑わせるというこの緩急具合!

「上京したアキは、初日から過酷な試練を受けまくります。
帰りたい。不意打ちの自己紹介。揺るぎない階級制度。
キレイな劇場。奈落と呼ばれる吹き溜まり。
自己紹介、自己紹介に次ぐ自己紹介。
ユイちゃん、大事件です。以上。」

東京編についてはまたメモを書こうと思います。
とにか目が離せない。あまちゃん。以上。