ハン・ガン『ギリシア語の時間』感想

ハン・ガン『ギリシア語の時間』読了。
訳:斎藤真理子

【あらすじ】
ある日突然言葉を話せなくなった女は、失われた言葉を取り戻すために古典ギリシャ語を習い始める。ギリシャ語講師の男は次第に視力を失っていく。ふたりの出会いと対話を通じて、人間が失った本質とは何かを問いかけていく。

【感想】
「生きる」ことの痛み、喪失感が
まるで実際に自分の肌が削られていくようにリアルな触感を携えてやってくる。

ハン・ガンの読書体験は、他に経験した類いのないものだ。
言葉というものはこんなにも…実体を伴うものなのか。いや実体以上に影響を与えうるものなのか。改めて言葉の凄さを思う。

そして「痛み」を恐ろしいほどまでにリアルに叙述していながら、いつも読了後には生きる希望が胸の中に灯っている。
ハン・ガンを読めることの幸福。

まだまだ彼女の著作は沢山ある。韓国の次にハン・ガンが出版されているのが我が国だし、世界で一番翻訳しているのは斎藤真理子さん(新潟市出身)らしいから。
今後も少しずつ読み進めよう。心から楽しみ。

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

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