『宇宙兄弟』(実写映画)

2012観賞映画メモ

DVDで。夫婦揃って原作の大ファンなので、一緒に観た。(以下ネタバレあり)

正直前半はかったるい。たしかに忠実に再現しているんだけどテンポが悪いしオーソドックスすぎて期待も持てない。なので中盤はちょっと他のことしていて観ていない箇所もあった。しかし閉鎖環境テストのあたりから興味が出始め、ムッタが「もっと宇宙の話をしよう」と言うあたりは正直ぐっときてしまった。

『宇宙兄弟』の原作の一番の魅力は、ムッタの魅力だ。その秘められた才能を含む、人間的魅力だ。さらに言えば、さまざまな場面で彼が採っていく問題解決法の素晴らしさで、これはストーリーの中でというよりも、読んでてフツーに「これってすごいアイデアじゃね?」と思える位に実用的且つ画期的。

しかしこの映画では、この「具体的且つ画期的な解決方法」は一切出てこない。だから正直、原作で感じる類いのカタルシスはほぼ無いと言っていい。だからといって、これを持って「原作ファンは間違いなく反感を持つだろう」というのは少し違っていると思う(シネマハスラーではそう言っていた)。見終わった感想は、「誰にもオススメしないけど、おれ達夫婦的には、アリだな」ということ。

ヒビトが月で生還するプロセスが一切合切省かれていていきなり5年後だかに飛ぶのも、どうやったってあの尺に入りっこないし、中途半端に入れる位ならアレもしょうがないだろうと思う。原作と大幅に違う「閉鎖環境テストとヒビト遭難が同時並行で進む」という演出も、原作と違う方法で2人の繋がりを見せるという意味で良かったし、この進行で言ったら生還プロセスにムッタが絡むのはそもそも無理な話だ。

生還5年後からまたまた一気に時が進んで兄弟が共に月へ向かうラスト。そこまでの過程もまったく描かれないけども、原作を読んでる俺達なら、想像できる。まだ原作が辿り着いていない最後のハッピー・ビジュアルだけを楽しむことができて、しかも過程は未だ克明にマンガで読む楽しみが残っている。大切な「過程」はマンガにまかせて、余計なことは言わない方が正解とさえ思える。

つまりこの映画は『宇宙兄弟』のプロモーションビデオみたいなものだ。細かいストーリーのつじつまや、映画1本の中での起伏や構成などあまり気にせずに、宇宙ファン、宇宙兄弟ファンが、その美しいビジュアルと音楽と演出にぐっとくるための映画なんだよ。小栗旬君、すごく良かった(スタイルいいよな〜)。せりかさん、最高カワイイ(あんな子いたらムッタじゃなくてもテスト集中できないって)。他の配役も見事。その意味では忠実に再現している。というか実写ならではの良さまで出せている。月から地球があんなに大きく見える訳ないし、影に入ったばかりの筈なのに…とか考証もひどいけど、でもPVと思えば、まぁOK!(笑)

ということで、何が言いたくてこんなにだらだら書いたのかっていうと、自分は人の意見や評論にかなーり影響されてしまう。今回のシネマハスラーの評論にもご多分に漏れずそうで、観るのを躊躇していた。だけど実際に観てみると、人が評論していることと自分のイメージがかなり違っていることに気付き、その度に少し後悔してしまう。

これから気をつけろよ自分!ってこと。でした。

★★☆☆☆

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