映画館で、2度目の鑑賞を終えた。映画館で2度観るなんてことは数年に一度くらいしかないと思う。しかも今は『シュガー・ラッシュ』やら『ジャンゴ』やら他にも未だ観たいものが控えている中で、敢えての再見だから。
何しろ一回目は、中盤位まで話全体の構成がさっぱり分からず、でも一つ一つのエピソードは結構吸引力があって、つか好みなので、映画を観ている途中ですでに「これは2回目必ず観たい。ちゃんと理解した上でまた楽しみたい」と決心しての再見。結論は、やっぱり観に行って良かった。
映画は、時代を超えた6つの物語が同時進行し、それぞれが相互に影響しあって、それぞれに結末を迎えるというもの。すべてが折り重なった一つの壮大なオチがある訳ではないけど、でも編集の妙で6つの物語がそれぞれにクライマックスに向かう様が見事に絡み合っていて、ある程度のカタルシスを感じることができる。
6つの物語(6つの時代)の主要人物をキャストが一人何役もこなしていて(最高6役!)魂の輪廻転生的なテーマを暗示させる展開なんだけど、その「一人何役」が特殊メイクにより人種はもちろん男女さえも超えながら演じられているので、最初説明無しに観ちゃうとさっぱり気付かないところも多い(←再見を心に決めた大きな理由)。
1回目もそうだったけど、2回目を観てもやっぱりそうだ。輪廻転生の物語と言ってしまうと、特に我々日本人には食い足りない話になってしまう。どちらかというとパラレルワールド的な楽しみの方が強い。2回目鑑賞は直前にアンチョコ観てまで「誰と誰が同じ役者か」を頭に叩き込んで臨んだのだけど、正直そっち(答え合せ)の方が気になって、時にはストーリーを楽しむ邪魔をしちゃう程だった。
輪廻転生的にぐっとくることはあまりない。つまり「魂が引き継がれる故にぐっとくる」というプロットが殆どない。そういう意味でのカタルシスや感動は生まれない。
複数のパラレルワールドが相互に干渉しあい、でもその中で主人公達は基本、「良きもの」に向かおうと努力をする。その努力の結果はやっぱり報われる(といいなぁ)。でも、そうでもないこともやっぱりあるのかなぁ。そういう話。世界とは何ぞや?セカイ系?
時代を超えて同じように体制に立ち向かっていくレジスタンスの姿にぐっときます。1つ1つの物語もいい。お気に入りの物語を選ぼうとしたけど、ありゃりゃ。全部好きだってことに気がついた!
「アダム・ユーイングの太平洋航海記」
主人公がなんってもキュート。
「セデルゲムからの手紙」
主人公がなんってもキュート。
「半減記 ルイサ・レイ最初の事件」
老齢のシックススミスとレイとの、冒頭のエレベーターでのやり取りがたまらない。
「ティモシー・キャヴェンデッシュのおぞましい試練」
老人ホームからの脱出劇。まったく他の物語とはトーンが違うこの話が難なく溶け込んでいる、この編集の妙!
「ソンミ451のオリゾン」
チャンがなんってもキュート。ペ・ドゥナは言うまでもなく最高。
「ノルーシャの渡しとその後のすべて」
トム・ハンクスの安定感。人食い族のおぞましさ。蓮の花アンテナのカッコ良さ。
こうやって振り返ると、オトコノコがキュートな映画だったようだね。腐女子あつまれ!!
★★★★☆
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↓↓この人物相関図(同じ役者が演じている登場人物が線で繋がれている)はアンチョコとして一番役に立ちます。初見前に見るのかどうかはおまかせしますが。おれは事前予習しておいてもイイと思うけどなぁ。そうしなければ一度観ただけではさっぱり分からないのは確かです。元画像は「人物相関図」で検索するとすぐ見つかります。
↓↓この予告編、本編未見の人は観ない方が良いですよ。めっちゃネタバレしてる。
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