いつでも読み返せるように。
しあわせということについて。
忘れないようにしよう。
「ライフ・イズ・イージー」
「カフェモンサンルーブログ:仙台 上杉:成人の日を前に2」より引用
Jon Jandai さんというタイ人男性のTEDでの発表 【人生は簡単なもの】
以下、pimboke6さんの翻訳より(http://homeopa.exblog.jp/21740551/ )
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今、私には、みんなに言いたいと思っていた言葉があります。
それは「人生は簡単(easy)だ」という言葉です。
人生はとても簡単で楽しいものです。
以前はそうは考えませんでした。
バンコクにいたころは、
人生はとても大変で複雑だと思っていました。
私はタイの東北部にある貧しい村で生まれました。
子供のころは、すべてが楽しくて簡単でした。
でもそのうち村にテレビが来て、人々が来て、
その人たちが言うのです。
「あなたたちは貧しい。あなたたちは成功する必要がある。
成功するにはバンコクに行かなければならない」
私は嫌な気持ちになりました。
自分は貧しいと思いました。
だからバンコクに行かなければならなかった。
でもバンコクに行くと、何も楽しくない。
勉強しなければならないし、たくさん働かなければならない。
そうすれば成功します。
私は少なくとも一日8時間、一生懸命働きました。
でも食べられるものは、
一回の食事で麺類を一杯とか、炒飯だけです。
住むところも狭い部屋に大勢の人が寝るので、
とても暑い。
そこで自分に問うようになりました。
一生懸命働いているのに、なぜ私の人生は大変なんだ。
何かがおかしい。
私は多くを産み出しているのに、
十分なものを得られない。
私は大学で勉強しようとしました。
大学で学ぶのは大変です。
とても退屈だから。
大学で学ぶ内容を見てみたら、
ほとんどが破壊的な知識です。
私から見て大学には生産的な知識がありませんでした。
たとえば建築や工学を学ぶと、
より多くのものを壊すのです。
そういう人たちが働くと、
より多くのものが破壊される。
〇〇のすばらしい土地がどんどんコンクリートで覆われます。
もし農業を学べば、
いかに土地や水を毒するか、
いかにすべてを破壊するかを学びます。
私は自分たちのしていることがすべて、
とても複雑だという気がしてきました。
単に物事を大変にしているだけだと。
人生は大変でした。
私はがっかりしました。
そしてなぜここに、バンコクに、いなければならないのかと、
考えはじめました。
子供の頃を思い出すと、
8時間も働く人はだれもいませんでした。
1日2時間、年に2カ月だけ働きました。
米を植えるのに1カ月、収穫するのに1カ月。
残りは自由時間です。10カ月の自由時間。
だからタイではお祭りがたくさんありました。
毎週月曜日がお祭りでした。
自由な時間がたっぷりあるからです。
そして昼間はみんな昼寝をしました。
今でも〇〇に行けば、みんな昼食のあとは昼寝をします。
そして目を覚ますと、人の噂話に花が咲く。
それだけ時間があったのです。
でも時間があるから、自分を生きる時間もあります。
自分を生きる時間があると、自分を理解できます。
自分を理解すると、自分が人生に何を求めているかわかります。
多くの人が、幸せを求め、愛を求め、
人生を楽しみたいと思います。
そして生活に美を見いだします。
その美をいろいろな方法で表します。
ナイフの柄に飾りを彫る人もいれば、
かごを編む人もいる。
でも今はだれもそんなものを使いません。
どこでもみんなプラスチックを使っています。
私は何かが間違っていると感じました。
こんなふうに生きつづけるわけにはいかない。
だから大学をやめ、故郷に戻りました。
故郷に戻ると、
子供の頃に人々がしていたような生活を始めました。
年に2カ月だけ働くようになりました。
それで4トンの米が収穫できます。
うちの家族6人が一年間に食べる米は半トン以下です。
だから米を売ることができました。
さらに池をふたつ掘って、魚を飼いました。
一年分の魚がそこで捕れます。
それから半エーカーほどの畑を作り、
毎日15分ほどその世話をしました。
その畑で30種類以上の野菜ができます。
6人家族ではそれを食べきれないので、
それを売って、少しの収入を得ます。
なんて簡単なんだと思いました。
7年もバンコクにいて、一生懸命働いて、
それでも満足に食べるものもなかったのに、
ここでは年に2カ月、一日15分だけ働いて、
6人の家族が食べることができます。
簡単なことです。
それまで、私のように学校で良い成績を取れない愚か者は、
家など持てないと思っていました。
僕より賢くて、クラスで一番の成績を取る人が、
給料のいい仕事をしても、
30年働かなければ家が持てません。
私のように大学も出られなかった者が、
どうして家を持てるでしょう。
私のように学歴のない人間には希望がありません。
でも自分で土の家を建てはじめたら、
それがとても簡単なんです。
朝5時に起きて1日二時間の作業で、
3カ月で家が建ちました。
クラスで一番成績のよかった友達も、
3カ月で家を建てましたが、
そのために借金をして、
30年かかってそれを返さなければなりません。
だから彼とくらべて私は、
29年と10カ月多く自由時間があるということです。
だから人生はとても簡単だと思うんです。
こんなに簡単に家が建てられるなんて、
思いもしませんでした。
そのあとは少なくとも毎年1軒、家を造りつづけました。
だから今、私にはお金はないけれど、
家はたくさんあります。
問題は、今夜どこで眠るかです。
だれでも家は建てられます。
13歳の子供も、学校が終わると一緒にレンガを作り、
1カ月たつと書斎ができます。
子供でも家が建てられる。
年老いた尼さんでも小屋は建てられる。
とても簡単なことです。
もし信じられないなら、試してごらんなさい。
もし家が欲しいなら。
次の問題なのは衣服です。
私は貧乏で、ハンサムではないと感じていました。
私は別人のような、映画俳優のような服装をしようとしました。
もっとよく見せるために。
それで1カ月かかってお金をため、ジーンズを買いました。
そして鏡の前で右に向いたり左に向いたりしてみました。
でもいつ見ても、同じ人間に見えます。
最も高価なジーンズも私の人生を変えることができない。
自分はなんてバカなんだと思いました。
なぜ1カ月もかかってお金をためて、
ジーンズを買ったのかと。
それで自分が変わるわけでもないのに。
それから考えるようになりました。
なぜ流行を追うのかと。
流行を追っても絶対に追いつけません。
流行が追ってくるからです。
だから追わずに、ここにいればいいんです。
それから今に至るまで20年間、
私は服を買ったことがありません。
私の服はすべて人の残り物です。
人が私に会いにきて、去っていくとき、
みんな服を残していきます。
だから今、私はものすごくたくさんの服を持っています。
そして今ではみんなに服をあげるようになりました。
とても簡単なことです。
服を買うのをやめると、
それは単なる服だけでは終わりません。
人生のほかの部分にも及びます。
私が学んだのは、
私がものを買うのは、
それが好きだからという場合と、
それが必要だからという場合があることです。
もし何かが好きだから買うとしたら、
それは間違いです。
そう考えるともっと自由な気分になります。
最後に、もし病気になったらどうするかということ。
初めのうち、私はとても心配でした。
お金がないからです。どうしましょう。
でももっと深く考えてみると、
だいたい病気は普通のことなのです。
悪いことではない。
病気になると、こう考えることができます。
私たちが人生で何か間違ったことをしたから
病気になったのだと。
だから病気になったときは、
立ち止まって自分を省みます。
どんな間違ったことをしたのかと。
私は自分で病気を治すために、
水の使い方や、土の使い方を学び、
基本的な治療法を学びました。
そうやって自分を頼りにするようになると、
人生は簡単に思えました。
何だか自由な気持ちになったのです。
何かを心配する必要もないし、
あまり恐れなくなって、
何でもやりたいことがやれるんだと思うようになりました。
それまでは、多くの恐れを抱いていました。
何もできないと思っていました。
でも今は自由を感じます。
私はこの地球上にひとりしかいません。
私のような人間はだれもいない。
私は他のだれかのようになる必要はありません。
私がナンバーワンです。
そう思えば、人生は簡単です。
バンコクにいたときは、私の暗黒の時代でした。
多くの人が私と同じように感じていたと思います。
そこで私はチェンマイにパンパンという場所を作りました。
この場所の主な目的は、種を保存することです。
種は食べ物です。食べ物は生命です。
種がなければ、生命はありません。
種がなければ、自由もありません。
種がなければ、幸福もありません。
なぜなら人生を他のだれかに頼らなければならないから。
食物がないから。
だから種を保存することはとても大事なことです。
第二の目的は、学習センターです。
私たちが学ぶためのセンターが欲しいのです。
どうやって人生を簡単にするかを学ぶための。
私たちは人生を複雑に大変にするように教わってきたので、
どうやったら簡単にすればいいかわからないからです。
人生は簡単です。
でもどうしたら簡単にできるのか、
私たちはもうわからなくなっています。
今、私たちは学びはじめています。
そして教育者になる道も学びはじめています。
私たちは他のすべてとのつながりを断ち切るように教育されてきました。
自立して、お金だけに頼るように。
互いに頼らなくても済むように。
でも今、幸せになるために、
私たちは自分に戻らなければなりません。
人とのつながりや、
心と身体のつながりを、取り戻さなければなりません。
私たちは幸せになれるのです。
人生は簡単です。
これまでに私が学んだのは、
四つの基本的必要、つまり食物、家、衣服、医療は、
だれにとっても安くて簡単でなければならないということです。
それが文明です。
もしその四つがだれにとっても得にくいものだとしたら、
それは野蛮です。
今まわりを見れば、すべてが手に入りにくい。
だから私には今この時代が、
人間の歴史上もっとも野蛮な時代に見えます。
大学を卒業する人は大勢います。
大学も無数にあります。
頭のいい人たちは大勢います。
でも人生はどんどん大変になっていきます。
だれのために大変にしているのでしょう。
だれのために一生懸命働いているのでしょう。
これは違う、これは普通ではないという気がします。だから私は普通に戻りたいのです。
普通の人になるためには、
動物と対等になるためには・・・・
鳥は1〜2日で巣を作ります。
鼠は一日で穴を掘ります。
でも私たちのように賢い人間は、
家を持つのに30年もかかり、
私のような人間が家を持てることが信じられない。
これは間違っています。
なぜ私たちは自分の能力をそこまで破壊するのでしょう。
だから私は見切りをつけたのです。
普通でない方法で、普通に生きるために。
私は普通になろうとしています。
でも人は私を普通でない人間として見ます。
狂った人として。
でも構いません。
それは私のせいではないから。
それは彼らのせいだから。
なぜなら彼らはそういう考えだから。
だから今、私の人生は簡単で軽くなりました。
私にはそれで十分です。
人は思いたいように思えばいい。
私は自分の外側のことを管理することはできません。
できるのは、自分の心を変えること、管理することです。
今、私の心は簡単で軽い。それで十分です。
選択したい人には、選択肢があります。
簡単になるか、大変になるか。
それはあなたしだいです。
ありがとう。