『ロボコン』感想

『ロボコン』をAmazonレンタルで。2003年。出演は長澤まさみ、小栗旬、伊藤淳史、塚本高史など。

パッケージビジュアルのイメージとは真逆の、激渋い映画。最後までひたすら淡々と進む。いわゆるこの手の若者向けセーシュン映画なベタ演出は無いので、苦手な人も安心ですよ。

ロボコンのシーンはまるでNHKの番組そのままのよう。その徹底したリアル志向(すべて実際に何度も何度も対戦して撮影しているそう)は見事功を奏し、クライマックスの奇跡的な瞬間に、思わず「うおっしゃあああああーーー!」て一緒に叫んでしまう。あの瞬間!あの奇跡!こんなタイプの盛り上がりはなかなかないと思う。そしてそれこそがフツーの青春とは違う、理系甲子園ロボコンのリアルなのだ。これはさすがに映画なので最後抱き合ったり叫んだりするけどさ。

ロボコン好きなら絶対オススメ。出てくる学生は殆どホンモノの高専生で、ロボットも実際に常連チームの学生が作ったもの。そこらへんの撮影裏話は監督の出した本『青春ロボコン』にも詳しい(絶版)。初主演長澤まさみは旋盤加工からロボットの操縦まで全部実際にやっている。なにしろ映画制作の裏テーマは「本当にやる」だそうですから(同書より)。

傑作青春映画と言えるかは微妙だけど、最高の「ロボコン映画」なのは間違いないと思う。でも同じ監督の他の映画を調べてまで観てみたいとはあまり思わない(笑)。あくまで「ロボコン」の持つ魅力を素直に映画にできた良作なんだろうね。もちろんもちろん、今をときめく俳優達の15年前の初々しい姿も見どころです。

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