映画『ハナ 奇跡の46日間』感想

『ハナ 奇跡の46日間』をNetflixで。
監督:ムン・ヒョンソン、2012年作品

1991年、千葉で開催された卓球の世界選手権で、南北朝鮮が史上初の統一チームで参加した実話を映画化。出演は、ハ・ジウォン、 ペ・ドゥナ他。

今読んでる伊東順子『韓国カルチャー 隣人の素顔と現在(集英社新書)』で、北朝鮮のトップ選手を大好きなペ・ドゥナが演じているというのを読んだのが観るきっかけだったけど、思わぬ傑作だった。後半は涙涙。

南北チームが結成されて日本で合宿する様子と、大会が終わるまでの短い期間を2時間で描いている。最初はちょっとそれどうなん、ていう展開も節々に見えながら、後半の試合展開は本当に胸アツ。

長い試合シーンを飽きず見せる撮影と編集が見事。今まで観たいくつかの卓球映画でも、こんなにリアリティを感じさせる作品はなかった。卓球やっている人が見たらどうか分からないけど、しらけないの、ホントに。で、やっぱり演技が…皆凄すぎる。脇役に至るまで選手達みな好きになる。
『恋愛体質』のチョン・ウヒがハ・ジウォンの妹役で少し出てるのも嬉しい。

最初から北男子リーダーにぞっこんなチェ・ユニョン演じる韓国女子選手。コメディリリーフなのかと思いきやクライマックスで初の試合シーンになると…これが急にめちゃくちゃカッコ良くて痺れたり、とか。試合シーン、素晴らしい。これは映画館で観たいな〜。

関係者皆が「きっとここだけ、今だけの『統一』なんだろう」と思いながら、でもどこか希望を捨てきれずその刹那に想いを向ける様がもう泣けて泣けて。昨今の情勢がイヤでも思い出されると一層、堪らなかった。

最後の方で「お姉さん」「お兄さん」て言うあの意味も、『韓国カルチャー』を読んでいたおかげで南北の違いが良く分かったりして、より胸に迫る。

この統一チームKOREAが実現できたのは、当時の国際卓球連盟会長だった荻村伊智朗が数10回北朝鮮と韓国に訪れ説得したおかげらしい。あと合宿は3箇所でやってて、その2箇所目は新潟県長岡だったそう。最後が会場の千葉。

映画の舞台はすべて日本だけど、全編通じて「日本」の描写はほぼ皆無。その方がスッキリして映画として正解だと思う。あと日本公開当時の宣伝ビジュアルも、まったく琴線に触れず笑ってしまった。(2枚目)

結論:ペ・ドゥナはやっぱり凄い。

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
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