映画『ブルーバイユー』感想

『ブルーバイユー』をAmazonプライムで。
監督・脚本・主演はジャスティン・チョン

3歳の時に米国へ養子入りした韓国生まれのアントニオ。愛する妻と娘と一緒に幸せに暮らしていたが、警官とのトラブルで身柄を拘束され、その際に判明した30年前の書類の不備により、韓国へ強制送還の命令が下りる。70〜80年代にアメリカで養子入りした移民達には同じように強制送還される例が後を絶たないそうだ。
裁判で争うか韓国に行くかの選択を迫られるアントニオは、裁判費用を稼ぐために昔の仲間に相談し、それがきっかけで夫婦の仲にも亀裂が生じていく。

親子が引き離される予感にどうしても観るのを躊躇っていたけど、ベイビーブローカーの勢いでやっと観ることができた。
大傑作。最後のシーンのおかげで、ずっと愛する作品になると思う。

監督脚本もやっている主演のジャスティン・チョンの空気感が良かった。
家族を愛し真面目に働いているアントニオが、移民に対する不条理な仕組みのせいで、致し方なく裏の道に手を出し、その結果…。
という、まさにどうしようもなく、不条理で、でもきっと界隈では巷に溢れている物語を、こうやって至上のエンタメとして世に出してくれることに、感謝します。

この後に観た『マイスモールランド』にも、ベイビーブローカーにもすべて通じるところがあって。

不条理な世の中で生きる愛おしい彼ら彼女らの1人1人の物語を感じることで、ニュースで良く見る「大きな社会の問題点」ではなく、本当に、なんとかしないといけない身近で大切な問題だと感じることができるから。

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妻の歌う「ブルーバイユー」の歌詞が切ない。
クライマックスは、「ぶほっ」というイキオイで号泣した。
辛いイジメのシーンがあるけども、後である程度スッキリさせてくれるから、俺のようなイジメが苦手な人でも大丈夫。

エンドクレジットには、同じように強制送還された・される予定の実在の人物の写真が流れる。
ひと昔の話ではなく、本当に今でも続いている最近の話だということに驚いた。

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

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最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。

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