映画『DUNE part2』感想

『DUNE part2』をイオンシネマ新潟南のIMAXで。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(『ボーダーライン』『メッセージ』『ブレードランナー2049』)

ついに新潟に出来たIMAX。最初の体験がドゥニ監督のSFとは、これ以上ない幸せ。

DUNE自体はSFに興味のない人に勧めるような内容じゃないと思う。でも、好きな人にとっては…最高過ぎるだろ。

【ネタバレなし感想】

前半がずっと「200点=最高過ぎ」だったので、これは一体どうなることか…と思ってたけど、後半は普通で120点。

IMAXは天地の高さのおかげで映像の没入感が最高(正方形に近くなる)。あと暗いところもちゃんと見える画質が素晴らしい。

予想外だったのが音。音圧がとてつもない。自分にとっては4DXよりよほど五感に響く。今作は特に、なのかも知れないが重低音のSEに加えハンス・ジマーの、あの劇伴が一層「身体に」響いてくる。具体的に言えば、音が大きい時にはどんなに咳き込んでもまず隣の人には聞こえない。だから飲んだり食べたりのタイミングにあまり困ることはない笑。

ここで『インターステラー』観てぇ…と切実に思いました。あのシーンもあのシーンも。

前半は褒めどころしかない。1の土台をさりげなくしかし確実にバージョンアップしてくる。書きたいことは山ほどあれど、今回冒頭にすぐ出てくる、反重力装置で崖を登る「浮遊感」がめちゃめちゃぬるっとしてて、映像ではあまり覚えのない不気味さというか。1でのハルコンネン伯爵の浮遊もそう。あのぬるっと感。

この独特の「浮遊」をはじめ、超絶デカい重機のリアル感、惑星毎に全然違う照明を使った美術と撮影、衣裳、砂漠を使った異世界の表現、すべてがSFファンとして既に「今年は良い年だった…」と思える位のレベル。

映画全体がシャラメとゼンダイヤの魅力に溢れていて、それはもう大前提で書くのも忘れてしまうほど。シャラメの描く繊細なポールの内面、自分達の民族の力を信じ、権力や宗教の力に懐疑的なチャニ。説明セリフもNAもホントに少ない中で、彼ら2人が人間として非常に奥深い描写をされているからこそ、壮大な世界観にも説得力が生まれるんだろうな。

すみから隅まで、リアル。さすがにこんなに面白いと、今さらだが原作読みたくなる。

【ネタバレあり感想】
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事前情報あったかどうか知らないけど、2から出てくるキャストが大好きな方ばかりで、登場した瞬間に「え!」て声あげてた気がする。フローレンスピューにアニャテイラージョイ!

最初から「3部作で」という噂が頭にあったので、最後の方では「え、これもやっちゃうの?終わっちゃうじゃん」とか余計な思いが邪魔していた。2回目に行けるならもっと楽しめそう。(実際は3作目は未だ確定もしていない)。

相変わらず衣裳がとてつもなく格好良い。特にベネ・ゲセリット(世界を裏で操る女性集団)の衣裳シルエットが大好き。

デイヴ・バウティスタ(ガーディアンズのドラックス)の扱いはちょっと消化不良だったなぁ。個人的にオースティンバトラーのフェイドがそこまで、ではなかったので彼にはもう少し暴れて欲しかった。

教母になったレベッカ・ファーガソンの衣裳、顔のタトゥー。最高。

今パンフレットを見て2時間40分もあったことを初めて知った。長いとは思ったけど、そこまでとは。

初の砂虫ライドまでのあの丁寧な描写が最高。スケールのデカい画もそうだけど、手や足からこぼれる砂のディテール、みたいなところも大画面だからこその迫力。

フレメンのスティルガー(ハビエル・バルデム)が今回やたら可愛くなってる。ポールが「自分は救世主じゃない」と言った後の「なんて慎み深い。やはり彼に違いない」とか、声を出して笑ってしまった。彼は『ボーダーライン』のあの人だ。思えば最初にドゥニ監督にやられたのが『ボーダーライン』だった。
あとキャスト観ていると、こんなに記憶力のない自分なのに『ノーカントリー』がどれだけ、トラウマ級に自分の心に突き刺さっていたか、思い知らされる。

フレメンの居住地地下にある「あの」湖…設定もそうだし美術もすばらしくて微塵もセット感とかなくて、完全に世界に入り込んでた。ところどころ三体に被って困った。あれ、乾燥しちゃう?みたいな。そういえばNetflix版がもう公開じゃないか。

ナウシカやラピュタにも明らかに大きな影響を与えてる原作が、これだけの納得クオリティで今映像化されることのありがたさよ。おれが生きてるうちに、間に合ってくれて良かった〜。

そこまでの「映画館派」じゃないし実際殆どを家で観ている自分だけど、このDUNE2+IMAX体験は凄まじかった。二回目に観るとしてもIMAX以外には考えられない。今までアトロクとか映画ポッドキャストで「これはIMAXで観なきゃね…」みたいな話に「けっ!言われても新潟にはないんですけどね!」といじけていたが、いざ観てみるとこれはスミマセン確かに別物。と納得です。

今年の目標はDUNE2とオッペンハイマーをIMAXで観ること。あともうひとつだ。

2024年ベスト作はもう、DUNE2でいいんじゃないかな。

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