『ビフォア・サンライズ』『ビフォア・ミッドナイト』感想

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パリへ向かう長距離列車の中で意気投合した20代の男女が、ウィーンの街中を歩きながら一夜を過ごす。その様子だけを淡々と描いた『ビフォア・サンライズ』が一作目で、1995年公開。

その後、主役のアメリカ人男性役イーサン・ホークとフランス人女性役ジュリー・デルピーのキャストをそのままに、9年後に2作目、さらに9年後に3作目と、劇中の時間そのままに歳を取った二人の関係を描いた連作になっているのが、この「ビフォア…」シリーズ。監督はリチャード・リンクレイター。3作通じての特徴は、その殆どすべてが会話劇だけで進むこと(らしい)。 はいはいはい、皆さんご注意です。
私は2作目だと思い込んで、間違って3作目を先に観てしまったよ。しかも終わってから気付くという、体たらく。順番は
1『ビフォア・サンライズ』
2『ビフォア・サンセット』
3『ビフォア・ミッドナイト』
です。ややこしいですけど間違わずに。

男女2人の恋愛もので、しかも会話劇オンリーって、普段自分からは絶対に観ないようなジャンル。宇多丸さんのラジオで紹介されていなければ、まず観ることはなかった。

さてその「会話劇」なんだけど、これが見事に飽きさせず最後まで観てしまった。喋っている内容は、男女のこと、仕事のこと、生き甲斐のこと、家族のこと。等など。これらの会話が映画の殆どを占める。それで飽きさせない。何故だろう。

思うに、
1)話している内容が超リアルでツボをついている。脚本は俳優2人も一緒になってディスカッションしながら決めているそう。同じ俳優で役と同じ歳を重ねてきたリアルが、そのまま反映されている。
2)少し突拍子もない話でも「なるほどそうなのか?」と思わせるプレゼン力・説得力がある。
3)「普段からこれだけ2人の間で色々なことを話していたら、それはきっと楽しいかも知れない。無理だけど」という、人種違いのカルチャーギャップが楽しめる
などではないか。

特に3作目『…ミッドナイト』は40代2人の、まさに中年夫婦あるあるあるあるあるある話が満載。クライマックスの喧嘩なんてもう、劇中の2人がそのまま自分達に見えてしまう位。(セクシャルな話題はこっちは全然ないけど)

えと、結婚されてない皆さん。この『…ミッドナイト』の最後の喧嘩をぜひ見ていただきたい。これが夫婦の、いや一緒に暮らす男女のすれ違いの原点です。このやり取りにすべてが含まれていると言っていい。

さて、自分は普段ならこういう「世の中にあると分かっている避けられないイヤな話を、敢えて映画やドラマの中で観たくない」性分なのに、何故このシリーズは許せるのか。

それは、避けられない男女のイヤな話をしながらも、その中で2人が懸命になんとか生きていこうともがき、試行錯誤している、その試行錯誤のスキルが観ている自分達よりも時には少し上手で、結果、わずかでも希望が見えるからなんです。絶望だけで終わらない。

併せて2人の会話の背景に見える欧州の町並みがとても美しく、一緒に観光旅行しているかのような気分を味わえるのもいい。聖地巡りをする人も多いんだろうな。

オススメです。果たして2作目を観るのかどうかは、分からない。

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