映画『JOKER』感想

『JOKER』字幕版をイオンシネマで。

色んな前情報で相当脅されていたので、これはひょっとして自分は映画館で観れないかもな…と思っていたんだけど、一箱古本市でDVDが売れてちょっとお金が浮いたのとイベント後に時間がぽっかり空いたので、ここで行かなくては!と自分を奮い立たせた。

結論から言えば、自分の苦手な「生理的嫌み」みたいな表面上のキツさはあまりなくて、映画的にものすごいルックで盛り上がりを見せるエンタメ作でもありました。ただ基本的に楽しいこと嬉しいことは一つもないです。

しかしド傑作。観る人によっても、何回観るかによっても、その度に解釈がどんどん変わりそうな構造をしている。観た後は人と話したくなる。

何しろ映像と音楽が素晴らしいので映画館上映を逃すべきじゃない!よく言われているようにスコセッシの名作を現代で再構成したような映画的カタルシスに溢れる作品。

ホアキンの体!あの骨格!CGかと思う位の凄み。

DCコミックとかバットマンとか全く知らないで観てもOK。なんなら終わった後に「あ、あれはそういうことだったのね」と少し調べる位で充分。もともと監督はこういう作品が撮りたかったけど、予算を取るにはDCを付けるしかないんでJOKERを題材にしたらしい。後付けだ。

人によっては相当なダメージを喰らうかも知れない。でも「リアル・ディストピア」もしくはプレ・ディストピアな今の世でこそ感じられる、恐ろしい共感と嫌悪。今作られるべき、今観るべき映画。

激オススメです。

以下ちょっとネタバレ
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この映画のクライマックスは、ジョーカーが何の政治的意図も主張もなくただ自分の復讐のために起こした事件がきっかけで、群衆がすっかり彼を持ち上げ、意図を付加し、英雄扱いして、ゴッサムシティの暴動が引き起こされるという皮肉な内容。喜劇のような悲劇。
だけどこの皮肉な内容の『JOKER』上映で暴動が起こるかも知れない!と米国では厳重な警戒態勢を敷いてるとか…。このニュース自体がもう…映画と現実どっちが先なんだか。

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