レンタルで『ミスト』を。
原作はかなり大好きだった記憶があります。
前評判通り、いやその上を行く後味の悪さ。絶望感。小さな子供のいるオレは、もう二度と観ることはないでしょう。
善良な人が、最善と思われる選択と、出来うる限り最大の努力をして、それでも、いやそれ故に起こりうる悲劇。そう、あのラストが本当に絶望的なのは「こんなのって、ありえるじゃん」と無意識下で思わされるような、非現実の中でのリアリティなんだろうと思う。
キング映画ありがちのキモクリーチャーは、これまたご多分にもれず「くすっ」と笑ってしまうようなレベルで、あすこでちょっとホラーの怖さから、救われる。
全体に良くできた映画です。飽きさせる所まったく無しにラストまで突っ走ります。久しぶりに2時間を感じさせない作品でした。
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アチコチで原作とけっこう違っているんだけど、その変更点の中で「コレは良くないなぁ」と思ったのを一つ。スーパーの中で軍人を問い詰めた時に「異次元とつながる窓」がどうのこうの、という話をする所。何だろう、まだ異星人とか未確認生物とかなら良いんだけどね、「異次元とあちこち繋がってる<この世界>云々」になっちゃうとさ、物語のベースががくっとシフトされちゃって、急に人の生き死にやあの宗教バァさんのウザさが薄れちゃったと思う。
最初のシャッター越しのとげとげヒトデみたいなヤツと、最後の多脚砲台みたいな超巨大クリーチャーにはシビレました。いいなぁ。あの巨大なヤツは特に、映画館で観たかった。
オススメしませんけど、良い映画でした。
次はぜひ、『トッド夫人の近道』を希望しますね。
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