映画『林檎とポラロイド』感想

『林檎とポラロイド』をHuluで。
監督:クリストス・ニク(長編初監督作)

【あらすじ】記憶喪失になる病が蔓延している時代。周りと同じくバスの中で記憶のないまま目覚めた主人公の男は、病院の勧めるままに新しい自分として歩み始めるプロジェクトに参加する。送られたカセットテープに録音された、たわいもない日常の課題。「自転車に乗る」「ホラー映画を見る」「バーで女を誘う」などをこなし、証拠としてその都度ポラロイドで写真を撮りながら「新しい自分」の記憶を重ねていく。そんな中で出会った女性と触れあううちに男の過去が垣間見える瞬間が訪れるようになる。

画作りが全編、さりげなく美しいのでずっと観ていられる。ひたすら映される主人公男性の「目」が印象的。
見た目からはほとんど感情が見えない、彼の過去のヒントが、時たま、ほんのちょっとだけ出てくるが、特に大きなことは起こらないまま映画は淡々と進む。
少し間延びするところも感じられるけど、意外とあっという間に終わってしまう。1時間30分と実際に時間も短い。
過去なのか未来なのか分からない、スマホはなく、カセットテープが使われるような、アナログで不思議な世界感がとても好みだった。

映画祭でこの映画を観て惚れ込んだケイト・ブランシェットが完成後にも拘わらずプロデュースに入っている。
監督の次回作に出たかったのだけどその時点で配役が決まっていたらしく、いずれも製作にまわったそうだ。その次回作がAppleTV映画の『フィンガーネイルズ』。残念ながらAppleTV+に入ってないのでまずこっちを観たのだけど、これもHuluしかないというなかなかハードルの高い状況。

映画館で観たかった…

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