ヤン・ヨンヒ『カメラを止めて書きます』(クオン)読了。
強烈な一冊だった。

朝鮮総連の幹部で、「帰国事業」も先頭に立って進めた活動家の父と、それを全面的に支えるスーパー主婦(韓ドラに良く出てくるあんなかんじ)を両親に持ちながら、反発し美大に進み映画監督になった著者。両親の先導する帰国事業で大切な3人の兄を奪われるという凄まじい体験をしながら、その後の家族の様子を通じて「日本」「韓国」「朝鮮」とも向き合っていく。

日本の占領が作り出した在日の人達が、南の棄民政策やさまざまな要因で「北」に傾倒していく。著者の大切な3人の兄が「帰国」したその後と、両親の計り知れぬ葛藤。愛おしく悲しい家族の物語。

著者が監督する井浦新と安藤サクラ出演の映画『かぞくのくに』は、かなり年数の経った今でも覚えている。自分にとって帰国事業の抱える巨大な矛盾と悲しみを、初めて間近に知った時だったのかも。

ヤン・ヨンヒ監督は自分の家族を題材に3作のドキュメンタリー『ディア・ピョンチャン』『愛しきソナ』『スープとイデオロギー』に描き、そこで語りきれなかった話を本書にこめたそうだ。
編集はアサノタカオさん。

まちがいなく今年ベストに入る出会いだった。

本書を知ったのは、川内有緒さんとヤン・ヨンヒさんとの対談を読んだのがきっかけ。川内さんの『エレベーターのボタンの全部押さないでください』が同じタイミングで出ていた。(この対談は川内さんのnoteに長めの書き起こしがあります)。



まったく感想を言語化できてないが、こうやって記録に残さないと、後で見直したりまとめたりするチャンスまで失っちゃうなぁ〜って最近思ってて。以前投稿した「手書きの抜粋ノート」(とても楽しい)と一緒に続けていきたい。

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