映画『Anora』感想

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監督:ショーン・ベイカー(『フロリダ・プロジェクト』)

【あらすじ】
ニューヨークでストリップダンサーをしながら暮らすロシア系アメリカ人のアニーことアノーラは、職場のクラブでロシア人の御曹司イヴァンと出会い、彼がロシアに帰るまでの7日間、1万5000ドルの報酬で「契約彼女」になる。パーティにショッピングにと贅沢三昧の日々を過ごした2人は、休暇の締めくくりにラスベガスの教会で衝動的に結婚する。幸せ絶頂の2人だったが、ロシアにいるイヴァンの両親は、息子が娼婦と結婚したとの噂を聞いて猛反発し、結婚を阻止すべく、屈強な男たちを2人のもとへ送り込んでくる。ほどなくして、イヴァンの両親もロシアから到着するが……。(公式サイト)

【感想】

はじまってからおよそ1時間以上は、御曹司イヴァンとアノーラの乱痴気パーティーが延々と続く。これが本当に、ひとっつも共感できない。全然楽しそうに思えない。いやほんと、映画によく出てくるアメリカの若者ホームパーティーって、あれ一体なんなん。音楽ガンガンかけて酒浴びて薬やって。話もロクにできない騒音の中で。何が楽しいん?ていつも見てて思うのだけど、それが延々、延々と続く。ボンボンのお金の使い方って、本当にこんなんしかないのかい?

だからまったく1ミリも共感ができないのだけど、それでも全然観続けられるってのはやっぱり映画として色んな魅力があるから。最後までちゃんと飽きずに楽しく観られたし、魅力のある映画だった。これだけ興味を持てないジャンルで、珍しい。不思議。

脇役たちのキャラクターが好き。ロシア人ボンボン・イヴァンの親が結婚に怒ってアメリカにやってくるくだりでは「ひょっとしてマフィア的なアレ?」とビビっちゃうんだけど、手下たちも皆どこか抜けてて、憎めないどころか愛らしい。徹底的な残酷さが無いので、そういうのが苦手な自分のような向きにもお薦め。

セックスワーク界隈で終始賢明に生きる主人公アノーラは、自分にはまったく縁の無い業界とは言え、芯の強さが身の周りの幾人かを思い出させて(奥さん含む)、すごく「生きてる」感の強いキャラクター。引き寄せられる。

ただあの洋モノ的なベタベタの扇情ダンス(お股開帳など)にマジで1ミリも扇情できない人なので、こういう需要の存在を本当に不思議に思ってしまって、ちょっとノイズ。

好きなジャンルじゃ絶対ないのだけど、嫌いにはなれない。この感情、やっぱショーンベイカー追っかけたいなって思う。

『フロリダ・プロジェクト』が大好きだったのだけど、題材に興味があまり持てないままこんなに鑑賞が遅れてしまった…。

次はレッド・ロケットだ!


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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

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