『プロジェクト・ヘイル・メアリー(PHM)』をイオンシネマ亀田のIMAXで。
監督:フィル・ロード&クリス・ミラー(LEGOムービー、スパイダーバースシリーズ(製作脚本))
【あらすじ】
太陽が正体不明のバクテリアに侵されてしまった。その影響で徐々に気温が下がり、30年後に人類の半数以上が死滅することが判明する。人類滅亡から逃れる解決法を探るため、全世界が結託して「ヘイル・メアリー・プロジェクト」を発動させる。
【ネタバレなし感想】
昨今のイヤ〜な社会情勢もすっかり忘れて、最高にハッピーな気分。
これぞSF映画の醍醐味。
予告編にあるように、これは異星人とのバディもの。 そして共通の課題を解決するために全世界が団結する話。
諦めないで踏ん張ることの大切さ
他人を、多種族を想うことの大切さ
好奇心を持ち、学び続けることの大切さ
人を信じる気持ちの大切さ
を伝えてくれる物語。
なのに、めちゃ楽しくてドキドキさせられるエンタメでもある。
最高でした。製作陣に、心から感謝。
原作が発表されてからたった数年だけど、
この間に現実世界は信じられないくらい、破滅に向かって進んじゃって、
そんな今だからこそ、一層染み入る内容になってしまった。
映画で描かれる「国を超えた団結」が、今や違った意味を持つ。
原作について書くのは何度目か分からないけど改めて。
アンディ・ウィアーの前々作『火星の人=オデッセイ』をさらにマシマシにしたようなポジティブで笑える科学エンタメ。PHMにはワトニーが2人いる。とんでもなく面白いSF小説。
原作には、映画の10倍20倍のディテールが詰まっている。だからどうしても観ながら(ああ、そこ削っちゃったか〜)って思ってしまう。そのうち(え、もしかしたらアレも削られちゃう?)って心配しちゃって、その心配が、少し雑音になった。安心できる2回目以降の鑑賞は、もっと素直に楽しめると思う。
だからこれ、原作未読の方が、しょっぱなから全開で楽しめるよきっと。
余計な雑音があったとしても、素晴らしいSF映画であるのは間違いない。IMAXで観られて良かった。
最初に何も知らず原作を読んだ時の衝撃があまりにも凄かったので、
「ネタバレ喰らわないうちに是非小説を読んで!」
と言い続けてきた(アトロクでも同じこと言ってた)。
でもそれは「小説をベストな状態で楽しんで欲しい」からであって、映画とは何の関係もない。
今はもう、小説を読む前にこの映画を喰らって欲しい、それもまた羨ましい…という気持ち。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【ネタバレ・原作抜きの感想】
.
.
●ロッキーの船の描写!ロッキーがヘイルメアリー号に入って「汚い、汚い、」って言うシーンも納得笑
●キセノナイトのトンネルの描写、ロッキーからの「贈り物」の内容。捕食惑星にチェーンを下ろしていく様子。
ずっとアタマの中で想像していたビジュアルをいざ見ると、何故かそれを昔から知っていて「見たことがある!」ていう風に記憶が書き換えられていくの不思議。
なんて言ったらいいんだろう。「知らぬ前の記憶が失われた」「書き換えられた」この感じ。つまり映像化の完成度が素晴らしいって話なんだけど。
●ロッキーのキーホルダーが欲しすぎる。
【原作厨の感想】
●今作のラスト、授業のシーンは、映画『オデッセイ』のラストのアレンジをアンディ・ウィアーがすごく気に入って、PHMでオマージュしたんだとすぐ分かって、初めて読んだ時嬉しくてしょうがなかった。それをまた、映画に戻してくれたこと自体に感動。
●ストラットのキャラ変は…うーん映画の方はきっとあれで正しいのだろうけど、士郎正宗的「徹底したプロ意識」仕草が大好物な自分は原作キャラの方が好きだな。ライアンのアイデアで追加したらしいカラオケのシーン、なんかトップガン思い出しちゃった…笑
●細かい科学的な根拠はざっくざっくと端折っていて、テンポもめちゃ速い。「気になる人はあとで調べて」方式。この方がきっと本編に集中できる。
●言語どころか空気も生活温度さえ違う2人が繋がりあう共通言語は「科学」だった。2人が結束して向き合っていく共通の武器も「科学」。その武器を頼りにへこたれずに淡々とトライ&エラーを繰り返す、『火星の人』にも通じる原作者得意のプロット。
この「科学」を巡るあれこれが『PHM』のキモであるし、人によっては取っつきにくい部分でもあるだろう。だから映画ではその多くが端折られた。それはしょうがない。しょうがないのだけど、でもやっぱり、という気持ちはある。
「映画としては100点。PHMとしては50点」とはThreadsで良く見る評価。それなんよ。
今となっては原作より映画を先に観るべきと思う!オススメ!

