カテゴリー: マンガ感想

新井英樹ブーム

只今は大々・新井英樹ブーム。『キーチ!!(6)』『SUGAR(1)〜(6)』(講談社アッパーズKC)『宮本から君へ(1)〜(9)』(講談社モーニングKC・絶版)と一気に読みまくる(全部続刊あり)。この御時世を「生きてく」上での微妙なタブー的感情をイヤァなほどにさらけ出して、登場人物達に真っ向から対決させる、その独特なスタイルはどのマンガも一緒。作者の努力・根性たるや推して測るべし。あまりオススメはできないけど、オレは自分自身に対して、この作家は読まなきゃいけないと決めました。

『宮本から君へ』。前半は新井氏の「毒」がまだ全開じゃなくて、『金太郎』みたいなサラリーマンマンガにウマいこと深みを付けててとってもイイカンジだったのだけど、サラリーマン的プロットが一段落したあたり、8巻からの、トラウマになりそうな位イヤァな暴力描写。日常的な分、『ザ・ワールド・イズ・マイン』でさえも全然マシに思えるような、リアルな絶対的暴力。作家はこの後どうゆう顛末に持っていくのだろうか。読みたいような、もう忘れてしまいたいような。

『サイバラ茸3』に出てる橋田サン

ぶっちゃけ掲載されてるうち半分は持ってる本とダブりなのだけど、「山ちゃん物語」が全部読めるのは初めてなので¥1,800も出して買っちゃった。んで『アジアパー伝』のトコロをダラダラと再読していたら、今更に今サラな発見。こないだイラクで殺された橋田さんって、鴨の元師匠だったんだね。

参考

んで巻末のかるたにもこんな捨てぜりふが。
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もちろんココに描かれてるのは同性の別人って可能性もあるけど、サイバラに鴨を紹介した勝っちゃんが橋田氏の後輩(?)なのはTVで公表してたし(対談とかもしてたよねぇ)、勝っちゃんの日記でもソレらしき表記があったし、まず間違いはないでしょう。鴨にしても勝っちゃんにしても、全然アタマの上がらなかったヒトらしいねぇ。

『ぼく地球』とオフ会

『ぼく地球』で前世の知り合いが現世で出会う気持ちって、きっとオフ会に似てるよね、って話を関心空間で読んで、あーそうだよなーと思った。初対面なんだけど、ずっと前から色んなコトを詳しく知ってる、友人のようなもの。そゆヒト達と逢って、話す。オフ会が何故楽しいのか分かりやすく説明できる気がするね(笑)。『ぼく地球』読んでるヒトになら。

今相方に色んなマンガを読ませてるんだけど『ぼく地球』は奨めるかどうか迷い中。ストーリーは文句なしにオモロいんだけどこの作家サンはホント流行りモンの表現が好きで、その時代時代の感覚がマンガの中に出ちゃってて。リアルタイムで読んでる時はイイんだろうけど、こう時間がたっちゃうと気になる部分も出てくるんだよねー。

オレはまだ昔読んだ感動を知ってるからイイんだけど、今読むとしたら、ストーリーの良さが分かる前に、この恥ずかしい部分がひっかかっちゃわないかと心配。特にマンガ初心者サンには。

『夢見る惑星』佐藤史生

2407_07_2.jpgブックオフの100円コーナーで佐藤史生『夢見る惑星(1)〜(3)』(小学館PFコミックス)を。3冊しか読んでないとは信じられない位に、濃密でボリューム感のある本格SF。大満足。つか4巻までなんだけどさ。

最初、絵柄も話も諸星大二郎にとても似てると思ったんだけど、あんなに暗くないし、何よりキャラクターが魅力的。あと決定的なのはセリフ。セリフの深さや切れ味がさ、ほんとに素晴らしい。コレはアレだ、『パーム』と同系のスゴさなんだ。で、紫堂恭子さん的なほんわかさもチョコっと入ってて。こりゃ好みですよ。

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『輝夜姫』『SWEETデリバリー』『雲の上のキスケさん』/『BANANA FISH』は6巻までが最高

『輝夜姫(24)』あーもう、ストーリー忘れちゃったヨ!!全然分からん!!鴨居まさねの『SWEETデリバリー』『雲の上のキスケさん』(集英社YYコミックス)それぞれ最終巻を読んだけど、どっちも何かパワーダウンしてフェードアウト〜みたいなイメージだなぁ。『SWEET…』の主人公2人のつき合い始めエピソードとか、結局語られずじまいだったし…。

そうそう、今は相方が『BANANA FISH』に夢中。6巻で読むのを止めとけ、と言ってやるつもり。やっぱしBFは
「ウェルカム、アッシュ。メジャーリーグ復帰おめでとう」
までが最高なんだよねぇ。 そういやBFが映画化された場合を想定して作られたサントラ盤CDってのもあって。ソレがまたすんごい良い出来だったんだ。6巻読みながら聴いてると最高に盛り上がるのだ。懐かしー。『カリフォルニア物語』とか『河よりも長くゆるやかに』とか、本当に吉田秋生に「心酔」していた時期でした。あう。三上氏がもう新作出してたんだ。買わなきゃー。

『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』『豪放ライラック』『パーム』他

最近買ったマンガとかテケトーにmemo。

●ゆうきまさみ『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』(小学館サンデーコミックス)を20巻ほど。とあるきっかけで競馬馬育成の牧場で働くことになった青年と、その牧場の人達とのドラマを描く競馬&ファミリーマンガ。

こんな地味なマンガが、よくコレだけの長期連載を続けられたモノだと驚く。「牧場の美人姉妹たちへの淡い恋」みたいなカタチで表面上はウケる要素を盛り込んでいて、その上っ面要素はいわゆる小学館サンデー、スピリッツ系「ラブコメ」と一見同じように見えたりするんだけど、実は違うくて。ラブコメはあくまでふりかけ程度で実際はファミリーマンガ。ゆうきまさみ、スゴい。地味な日常の描写がホントに上手い。丁寧だ。

高橋留美子やあだち充みたいなああゆうワンパターンラブコメってオレ実はすげぇ苦手なんだけど(好きなヒトいたらゴメンなさい)、コレはイケるなぁ。あ、あとオレ競馬にはコレっぽっちも興味ありません。プロ野球に次いで「世の中から無くなってもまったくノーダメージ」コンテンツです。そのオレをしてコレだけ読ませる。うーん。やるね。競馬用語バリバリな会話んトコはさすがにちょっと飽きちゃうけど。

●桑田乃梨子『豪放ライラック(1)』(ワニブックス・GUMコミックス)珍しく女子高が舞台。ソレなりに楽しんだけど、主人公チームにオトコノコが混じってる時の方がやっぱしオモロいかも。異性の友達との交流、みたいな描写が上手なのかな。

●吉野朔美『period』(小学館IKKIコミックス)相変わらずレベル高い。でも今はちょっと気分じゃない。子供を殴る父親に借金で逃げてきた伯父と小狡い伯母、サイテーの話ばかりなのに読後感はさほど悪くない。

●西炯子『STAY』(小学館フラワーコミックス)ああ、今気付いたけど『お手々つないで』の方が後編なのか。先に買って読んじゃってたよ。どーりでイマイチ分からんかった。西炯子復活をちょいと期待させる位にはオモロかった2作(特に『STAY』の方)。持ち味の魅力あるサブキャラも結構出てきて。だけど、まだまだ。今の西炯子はあんまりヒトには奨めよーとは思わない。

そう、『パーム』連載再開を祝して、バナーを作りました。マンガを読めるすべてのヒトにオススメします。最初の方は絶版になってますが、文庫が出てます(コレが1巻。だけど1巻だけはイマイチなのでまとめ買いすること)。ブックオフで見つけるとヒトにあげるために買っちゃおうかと思うくらい、好きです。獣木さん、死なないで

『ラッキー』桑田乃梨子他

桑田乃梨子『ラッキー』(白泉社ジェッツコミックス)良かった。最近読んだ『スリーエイト』(幻冬舎バーズコミックス)も良かったし。昔っからホントに安定したほのぼのラブコメ路線。「安定感・安心感」で言えば山口美由紀のソレを思わせるし、「クラシックほのぼのラブコメ感」で言えばハチクロに似てる気がする。だけど、桑田乃梨子を好きなヒトにハチクロは奨められるけど、ハチクロ好きに桑田乃梨子は一概に奨められない、気がする。なんとなくね。

そうそう安定感で言えば紫堂恭子。彼女はスゴい高い所で安定してるなー。知らないウチに出てた『王国の鍵』『東カール・シープホーン村』(共に角川アスカコミックスデラックス)は、まだ読了してないウチから「お見事〜」とつぶやいてしまうウマさだ。

『パーム』再読

もう何回目か分からないけど伸たまき(現:獣木野生)『パーム』(ウィングスコミック)を再読中。いつどこで何回目に読んでもすぐさまにハマれる。感動できる。精神を落ち着かせることができる。このマンガと出会わなかった場合の自分を、考えたくない。雪の降る寒い中ブルーフレームにあたりながらコーヒーを飲みパームを読んでると、もうナニもいらないという気分になる。

『少年少女』福島聡

福島聡『少年少女(1)〜(3)』(エンターブレイン・ビームコミックス)。またまた傑作。黒田硫黄の絵柄を少しライトに、スタイリッシュにして、プロットをトばし気味にしたカンジの短編集。田舎モンからSFまで脈絡無しに何でもアリなのも、黒田似。こおゆう話をオシャレに上手に描けるヒトって最近増えたね〜。嬉しい限り。もうちょっとで大友克洋の昔の短篇を越えるヒトが出てくるんじゃないか。

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。