「暑くなる前に、アウトランドに泊まりたい」という長女の希望で、6/14-15と越後妻有へ。
「もう死んでもいい」と呟く位に良い想い出だったので、私の遺書こと当ブログにちゃんと書き残しておきたい。
今回に限らず、長女との越後妻有旅行(大地の芸術祭)はすべて、自分の人生における最良の瞬間であったので、くたばりそうに前に書き残しておかして寝たきりに備えたいと思う。※只今ブログに絶賛回帰中。
6/14(土)10時出発
まずは越後妻有に向かう道中、小千谷で降りて「ベーカリータキザワ」へ。ここの「サラダ揚げパン」が大好きで無性に食べたくなるのだけど、7:30に開店して結構早く売り切れちゃうので、今まで買える機会がなかなかなかった。無事ゲット。朝ご飯用の食パンも購入。
12時から予約していた農舞台のレストラン・越後まつだい里山食堂へ。ランチをどこにするかもかなり迷ったし色んな候補が挙がったのだが、結局ここに戻ってきた(もう一つの候補はうぶすなの家だったがこっちは開店していなかった)。
何回来ても期待を裏切られることなく、小さな驚きもあり、大満足している。今回もそうだった。
今回は特に手羽元の唐揚げが絶品だったな〜。野菜系のバイキングなのに、大皿全部をカレーライスにして唐揚げを何本か載せてめっちゃ映えるカレー屋さんみたいにしてるおじさんがいて、二人で笑ってた。もちろん他の野菜(今回は山菜も多い)はすべて、すべて美味しい!そしてすごい品数!
チヂミ、豆のサラダ、蕗やミズの煮物、大根のナムル、ワラビのピクルス…ああ思い出しただけで幸せになる。
初めて端っこの席に座った。ここはいい。
さて、前からこの週末は完全に雨だと分かっていて
「越後妻有で雨…」
と思った時に思いついたのが「光の館」。
ランチの後さっそく向かう。道中もとっても美しい。雨は、山を美しく魅せてくれる。
光の館は、想像以上に素晴らしかった。
もともとこの建物は「陰翳礼讃」をテーマに設計されている。いつもの真夏カンカン照りよりも、雨で暗い中の方が断然魅力も増すし、森に囲まれたこの建物では、「大雨の森の中でリラックスして佇む」という、現実的にはあり得ない、夢のシチュエーションが実現できる。実際外縁では二人でずっと雨を眺めて座っていたが…飽きない。
ここで佇むうちに思いついた。このシチュエーションで「本の海に潜る日(新潟版沈思黙読会)」をやろう。10人前後で泊まって、各自想い思いの場所で寝っ転がって読書して過ごすスマホ無しの時間。きっと最高だと思う。叶えたい夢ができた。
さて光の家の後は、「絵本と木の実の美術館」へ。特に理由はなく、敢えて言えばここのカフェに行きたかったとか、長女がカフェで売ってたマグカップが気になってたとか、そのくらい。しかし行ってみたらちょうど企画展をやっていて、これがまた見応えあるものだった。
『森の歌がきこえる』原画展
ラオスに関わる日本人に頼まれ、現地取材を重ね、ラオスのアーティストが作るオブジェもコラージュした絵本『森の歌がきこえる』の原画展だった。内容は現地の森林開発によってさまざまなものが失われていく様を現した、いわば『アバター』的なストーリー。現地アーティスト、ルートマニー・インシシェンマイ氏のつくる森の妖精たちが、とても魅力的。膨大な数が展示されていた。
企画展を見た後はカフェタイム。おみやげにタガヤスドーナツを買って、翌日のお昼に美味しくいただく。このドーナツのような味をいつも求めているのだけど、新潟市では他に見つからない。
ゆっくり読書しながらお茶してると、後ろでは年輩の女性2人がTシャツに大興奮していて可愛かった。「これやばいね〜」て会話が女子高生みたい。でも女子高生と違って、ちゃんと買っていた。本当に楽しそう。
美術館を出て、「千年の湯」へ。何度か来ているけど結構お湯いいね。
ちなみに越後妻有で温泉に行く時は
一番手は松之山温泉入り口の共同浴場
二番手はナステビュウ
できる限り松之山に行きたいのだけど(それ位お湯が違う)、今回はあまり詰め込み過ぎたくないので、近場にした。施設も充実していて、レストランもあるのがポイント。今度はお風呂&晩ご飯までここにして、アウトランドに行くのもアリかも。
コンビニや直売所に寄って、アウトランドに向かう。18時過ぎに到着。
着くなり受付のBarでオーナーの芹川さんと昔話。たしか3回目(2006)か4回目(2009)の大地の芸術祭の時、ここで夜に北川フラムさんが呑んでる場面に出くわしたことがあった。その前後、芹川さんと芸術祭の話も聴いてた(最初は作品として出品していたが意見の相違で外れてしまった)。
昨今地元では昔ほどの盛り上がりはないね、と芹川さん。そうか〜。自分達は父娘2人で来るようになった近年はより一層楽しんでいるし、数字的には入場者数は増えているんだけど、地元の人達の感覚はまた違うのかも。
今回の棟は、おそらく2〜3回目くらい泊まってるはず。ベランダから下条の花火を見れるのが最高(でも花火大会はしばらく前にやめてしまったそうだ)。最初は知らずに偶然花火の日に泊まってたので、本当に嬉しかった。加えてその時はアウトランド全体がフェスみたいに照明が点いてて、キッチンカーも入ってたりして。まず入り口のあのゲートをくぐると「ジェラシックパーク」のテーマ曲が流れていた。夢のようだった。子供達にとっても忘れられない体験だったと思う。
ほんとに「新潟のディズニーランド」だよね。
アウトランドに 初めて泊まったのは多分2006か2009で、そこから今に至るまでに、全コテージに泊まってる(6棟くらいだろうか)。向かいの小さな小屋が、忘れもしない初体験のコテージ(次女が生まれてなかったかも)。手摺の曲げ木具合が正面から見るととってもカワイイ。
全部が芹川さんの手作りであることは、もちろん芸術祭の「作品」として出品していた頃に知っていた。
だがあれから20年も経つうちに、いくつかのTV、雑誌で彼が取材されているのを見て「最初に300本植林した」という話を初めて聞いた時は驚いた。半分以上は枯れてしまったそうだけど。
荷物を入れたらゆるりと料理。前の日に仕込んでおいた味付け鶏肉と野菜を炒め、チーズをのせるタッカルビ風炒め物。今はGPTに聞くとちょうどよいのを出してくれるので便利。ご飯は冷凍を家から持って行って軽く炒めた。料理の手間を最小限にして、その後はひたすら読書。
珍しく長女が読書をしたがっていて、というのも彼女が読書できるのは完全に周りの雑音がなくて集中できないと駄目らしいのだ。この日も車中、カフェ、アウトランドでヒマさえあれば読書していた。中田敦彦の自己啓発系だって。迷える若人なのだ。
雨の音を聴きながらベランダで読書、最高に気持ちがいい。気温も、ちょうど暑くなる直前の時期で良かった。冷房も使っていない。
そうそう、アウトランドの良きポイントはいくつもあって、すべてに言えるのは「センスがいい」ことなんだけど、他にも
●ロッジが冷房完備。電源完備
●水周り、流しやトイレがとっても素敵(キャンプ場はここが難なこと多い)
が挙げられる。このあたりが女性にもお勧めしやすいポイント。
↑これは4つくらいあるトイレの一つ。
流しやトイレのある棟。デザインとってもカワイイし使い勝手もいいので行くのが楽しみになる位。
あと不思議なのは、ほとんど虫に刺されないんだよね…。自宅の庭にちょっと出ただけで3〜4箇所刺されるのに、この緑豊かな場所(裏は川が流れている)なのに、なんで?
夜の22時には芹川さんからフレンチトーストの差し入れが来た。というかいつもなんか素敵な差し入れをくださる。
2人ともずっと本を読んでて、目がしょぼしょぼしてきた0時頃、部屋に入る。ロッジや寝袋では寝られない長女も、今回は4〜5時間寝られたそうで何より。
【2日目】
朝もしとしとの雨。
6時頃起きてまず散歩。のあとまた読書。
朝には雨やんでたらなぁ〜と思ってたけど、別に降っててもさほど問題なかった。
朝ご飯はベーカリータキザワで買った食パンに、ハム、チーズ、レタス、ゆで卵、ツナ、コーン、トマトなど入れたホットサンド。
ホットサンドってかなーり種類たくさん詰め込んでも美味しい。
食事が終わったらまた読書…。ぼうっとしているとあっという前に昼前。ゆっくりと荷造りをして(子供が小さい時と違ってちゃんと戦力になるから、全然気持ちが楽)アウトランドに別れを。また来るよ…。
まず向かったのはMonET。最近ゲストキュレーターを迎える企画展を連続で開催している。
三宅感「無色の人 春」
すごかった。重度障害者福祉に関わるアーティストが作る超巨大な立体と平面の中間のような作品。十日町の雪まつりに感化された作者が初めて白1色の作品群を作り上げた。
この作品、キャプション含め内容に関する説明はほぼなく、鑑賞者の解釈に委ねられる。
具象の集まりなのにその構成には不思議な部分がいっぱいあって、最初観ながら「あ、これ白鳥さんと一緒に観たら楽しいだろうな。」と思ったら…長女がいることで同じようなことができた。他にお客さんが少なかったのもありがたい。昨年、受験があって長女と一緒に白鳥さんの鑑賞会に参加できなかったのはとても心残りだったけど、普通に実現できてる感じがあってすごく嬉しい。相当の時間、この企画展の鑑賞に費やした。今この展示で良かった。
(鳥の歌のHさんがいらしていて、以前から障がい者福祉などと関わりのある方だったと思うのだけど、お一人でじっくりと作品をご覧になっていたのが印象的だった。ぜひ作品の解釈、この部分の意味は?など聞いてみたかったのだけど、多分向こうはこっちのこと覚えていないので、やめておいた。)
他の展示はみな観ているのでMonETはこれだけにして出発。
お昼は前日に決めておいた。芸術祭に来る度に頻繁に通るT字路の角の定食屋。もう多分何十回も通っているのに1回も入ったことないんだよなぁ…とつぶやいてたら「じゃあ明日はそこにしよう。冷やし中華食べたいし!」という長女の意見で「和泉軒 本店」へ。
ここがまた期待通りの味!新潟市ではなかなか見つけられない、昔ながらのラーメン…。
お店の雰囲気も良くて二人とも大満足。またくるぞ〜!
帰りに小千谷に寄りたかったので、これで越後妻有を後にした。時間の関係でお風呂も省略。
小千谷に最近できた図書館「ホントカ」に。新潟の図書館では一番という位に素敵な設計。子供の遊び場まですごく美しい。建物好きな長女も感激。場所も街中にあり、ここだけで「小千谷に住むのもいいなぁ」と思わせるくらい魅力的だった。
ホントカの後は名物パーラー「星野屋」でフルーツ盛り合わせをいただき、インター近くの「さつまいも農カフェきらら」でお土産を買い、帰路に。
こうして振り返っても、すべての立ち寄り場所が本当に楽しかった。というか好みが合うからなんだろうなぁ。気持ち的に外食などが落ち着けない奥さんや趣味がまったく合わない上に反抗期の次女が一緒では、とてもこうはいかない。二人は2人で家で楽しく過ごしていたようだ。
またこうやって越後妻有を旅したい。
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