映画『マイスモールランド』感想

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監督は川和田恵真(分福)、主演は嵐莉菜。いずれもマルチルーツを持つ混血の2人。嵐の実際の家族が、劇中でも家族を演じている。

「埼玉に住む17歳のクルド人サーリャ。
すこし前までは同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた。
あるきっかけで在留資格を失い、当たり前の生活が奪われてしまう。
彼女が、日本に居たいと望むことは“罪”なのだろうか――?(公式サイト)」

エンドクレジットを観る頃には感情が抑えられず霞んで良く見えなかった。
感動、というより心が震えるという感じ。

でもあの大切な一文は見逃していない。表立っては名前を出せないが、多くを協力していただいたクルド人の皆へ、という謝意。映画制作前の在日クルド人への取材は2年にも渡ったそうだ。

何故今作を当事者配役やドキュメンタリーにしなかったかと言えば、実際にお上の機嫌を損ね当事者に被害が及ぶ可能性があったからだそうで…。

我が国の人権意識のレベルや人権侵害の程度をこれ以上なく分かりやすく提示してくれる作品だけど、
勿論それだけではなくて、リアルな脚本と静かで適切な演出、撮影:四宮秀俊(『佐々木、インマイマイン』や『ドライブ・マイ・カー』等)による確かな画作り(グレーディングは共同製作のフランスにスタッフが赴いて一緒に行っているそう)、キャスティングの見事さ、主役のリアルな演技…

ロットバルトバロンのED曲がまた素晴らしく良くて、これは昨年リアルタイムで観ていたら年間ベストになっていたかもなぁ。

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主役の嵐莉菜の繊細な演技が素晴らしかった。今後も大期待。

コンビニでの、おばあちゃんとのやりとリ
「お人形さんみたいね」「日本語お上手ね」「いつか帰るんでしょ?」
自分達の「ガイジン」意識を一瞬で、これでもかと見せつける名シーン。

この作品は、ぜひ地上波で放送して欲しい。

※クレジット見て池脇千鶴が出ていたことにびっくり。言われても気付かない位。さすがだわ…

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