NHKドラマ『舟を編む』
本放映は先日終わったばかりで、NHKオンデマンドで後追い視聴。
本当に好きになっちゃって、終わってしまうのが寂しすぎて、勿体なくて進められない。
三浦しをんの原作を、松田龍平と宮崎あおい主演で映画化したのは2013年。傑作だった。
今年のNHKドラマ版は、舞台を2020年直前まで移し、時代に合わせ設定をもろもろアップデート。野田洋次郎×池田エライザ主演で10話構成に。
評判がかなり良かったのだが、まさかあの映画を超えることはないでしょう…と半信半疑で見始めたのだけど…。
まーやられました。今6話。毎回泣いています。時に号泣。
柴田恭兵のせいもあるのだけど、このドラマのつくりや感動の質は、どこか『空飛ぶ広報室』に似ているように思う。脚本も監督も違う人ですが。
愛の溢れる業界モノ。いかにも「取材して書きました」的な描写ではない、血肉の通った、原作の芯を理解しているからこその、映像アレンジ。レベルの高い監修。エピソードへの無理のない採り入れ方。
地味で専門性の高い仕事場に、何も知らない新人(美人)が入り込んできて、業界の魅力に嵌まり、一緒に悩み成長していく。それを見守り時に訓示を下されるのが柴田恭平笑。
もちろんどこにでも良くあるシチュエーションなんだけど、これをちゃんとできる脚本って多分相当難しいと思う。まず業界の魅力に嵌まる美人主役の、性格的な説得力が必須なんだけど、これが相当ムズい。おっちょこちょいで思慮が浅くて、でも愛される…みたいなパターン、多い。
本作での池田エライザさんの説得力は、本人の演技はもちろんだけど、使っている小道具、手描き文字、付箋など美術さんの力、本を扱う描写、細かいエピソードの積み重ねによるものなんだろう。「あ、こういう人いる」感がちゃんとあるのね。
池田エライザさん、今まで詳しく知らなかったけどカメラマンもやったり映画監督もやってたり、俳優だけじゃない積極的な方なんだ。今このドラマのおかげでめっちゃ好きになってる。
そして野田洋次郎。このキャストは大きい!言葉を扱うプロの人だからの、滲み出る説得力なのか。辞書編集部の脇を固める面々のバディ感も最高。肉まん君の活躍も嬉しい!
観たい・でも終わって欲しくないのジレンマ。
しかし今年は、映画もドラマもしょっぱなから傑作がどんどん出て来て、近年稀に見るすごい年になりそうね。
もちろん『虎に翼』も最高な!まだ3週間しか経ってないのにクライマックス続きで、ちょっとあり得ない充実度。OP、毎朝見ているのに見るたびにぐっときてます。
金曜の、あのシリアス展開の中で「おそいよおにーちゃん!」てゆう叫びに爆笑した。
コメント