柏崎刈羽原発の差止訴訟についての集会

今日新潟市で行われた
原発とめよう市民集会in新潟-みんなの力で、柏崎刈羽原発の差止訴訟を!
に参加した際のメモです。かなりおおざっぱにまとめてますし、聞き取りメモなので詳細間違っている箇所があればすみません。その点ご注意ください。

【入場者概観】主催者発表280人。ざっとみて50代以上男性6割、同女性1割、40代以下男女3割

【目的】弁護団の訴訟により柏崎刈羽原発の運転を差し止める。

【できること(上記サイトの「ダウンロード」より書類入手可)】
(1)市民の会に入る。年会費1000円他カンパ
(2)原告となる。実費三万円と委任状が必要。あとできるだけ傍聴。

【1:断層のこと・地質学理学博士・新潟県原子力の安全管理に関する技術委員会委員・立石氏】

東北震災の1000分の1のパワーの地震で3000ヶ所以上のトラブル。/現在の技術では、将来地震を起し得る活断層を完全に測定することができない(深過ぎる)。←このことで過小評価も可能になる。断層評価の長さはどんどん「値切られて」きた/刈羽は直下の断層を「動かないもの」という前提で建設した。しかし近くの「動かない」前提だった断層は311の他断層の影響で実際に動いてしまっている(写真)/「動かない」前提なので、動いてしまった時の事はまったく検討されていない。東電によって活動性が否定されている断層群が建屋の直下にある。動いた時の影響は計り知れない/東電は今回の中越沖・311では動いていないという記録を持って安心を謳うが、そもそも理屈にならない。

【2:配管のこと・弁護士・浜岡原発差し止め訴訟控訴審担当・青木氏】

フクイチに何が起こったか。非常用ディーゼル電源喪失の理由はまだ分からない。1号機と3号機の爆発の違いは説明できていない。三号機は水素爆発の後にもしばらく黒煙があがっている/配管の危険性もろもろ。元々の基準値がすぐに危うくなる加速度の計算のこと。配管をすべてチェックすることはできない。それだけで数年かかる。配管の経年変化の例を細かく説明。
「応力腐食割れ」これでできた亀裂に応力が集中すれば、計算も意味がない。
「減肉」2004美浜で熱湯により5人死亡。刈羽でも観測あり。
「疲労」小さいチカラでも繰り返すことで壊れる。
「脆性破壊」中性子の放射により金属の延性が低下して脆くなる。これは短時間の実験数値よりも長期の影響の方が大きいと最近言われている。ドイツでは圧力容器がこれであちこち脆くなっていたことが観測された。
前提数値も危うい上に、上乗せされるこれらの経年劣化。しかもチェックができない/ようするに「配管」がある以上完全な安全はないってことだよね(私)/311の影響だけで3000ヶ所以上のトラブル。一つのトラブルを他の機能がカバーする「単一故障指針」が、地震と原発の関係においては通用しないということ。

【その他】

地震の想定というのはそもそもできない/放射線はゼロからリスクが始まる。決して何十マイクロからリスクがどうとかという話ではない/法律の話。そもそも原発は壊れず放射能も漏れない前提なので関連法律がない。ここでも安全神話が前提だった/海の断層は技術的に調査が難しかった。なので影響が無視されてきた/裁判所の話。やはり311以後は様子が変わっている。これまでは「裁判所は技術的なことは分からない。その点は政府の判断に従う」だったのだが、311後は地震の情報に関して説明してくれという姿勢になった/避難した母子の話。お母さんはフクイチの場所を知らなかった。3月は政府の発表を信じて子供も外で遊ばせていた。現在は新潟市に避難。これまでの状況を淡々と。

【shiro感想】

原発には処理できない核廃棄物など根本的な問題が沢山ある。が、それらの多くをまったく抜きにして「断層」と「配管の脆さ」の二点に絞り科学的に検証しただけでも
「日本の原発は、安全性を確保できない」
という話だった。

実際の訴訟の戦略までは詳しく説明されていないが、今回の話は論点の中心になるのだろう。
安全神話の上に成り立っていた世界なので放射性物質飛散などに関する法律が整備されていない。その点は訴訟で不利なのは間違いない。
しかし始めることで変わって行くことも間違いない。始めなければすぐ元通りになってしまうのは目に見えている。ならば始めるしかないし、やっていることをできるだけ周りに知らせるべきだろう。何故こんなところまできてしまったのだろうか。それはまさにこの瞬間のようなポイントでしかるべきことをしたか、していなかったの積み重ねだと思う。じゃあやろう。私も原告になります。

いくら想定被害を値引きして無理矢理作られた安全の理屈だったとしても、実際に起きなければ(若干起こっても)、いくらでも言い訳や言い逃れができていた。しかし、昨年実際に大きな事故が起こった。311前とは違うし、時間が経てば裁判所やマスコミの中でも風化してしまうし、このチャンスを絶対に無駄にしたくない。

何より、21012年3月現在にこの日本で商用稼働している、たった2基のうちの一つ。世界一の規模を誇る(誇りたくないが)柏崎刈羽原発の立地県住民としての責任を自分は感じる。世界に向けて、NIIGATA住民は今後どうするのかをイヤが応でも示すことになる。稼働しているもう一基は、311後初めて再稼働した北海道の泊原発(明確な根拠なくドサクサごり押しで)。再稼働を無理強いしたのは北海道電力の全面バックアップを受けて以前から問題の高橋はるみ知事。それに比べれば我が新潟県はまだ全然マシだ。

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