映画『3月のライオン』後編感想

シネコンで後編を観ました。良い映画だった。自分的には「ここ違ったらライオンじゃないだろ!」というようなキメ所が変えられていたのに、観ているうちに「やっぱこれはライオンだ…最高」と心から思えてくる。すごかった。今も引きずってる。

出てくる皆に魂が込められていて、思い返しただけでも泣けてくる。「そこはそうじゃないだろ…」と突っ込みたくセリフや展開もあちこちにあるんだけども、最終的に挽回してくれる演出や名演技が山ほどあって、もうエンディングでは目が痛い。あの予告編で散々サビだけ聞いてた『春の歌』が、まったく違う印象で聞こえてきた。歌詞に打たれる。終わってからもずっと聴いてる。

予告は観ないでいいです。全然印象違う。今回も本編観た後に予告編を初めて観たのだけど…やっぱり肝心な将棋シーン全然出てないし。また神木君やたら走ってるし…。全然そういうんじゃないです。あと爽やかさもない映画です。ひたすら胸に来る、ひりひりするような、あの人たちの生き様。だけど思い出すと「やっていける」気持ちになれる。作品が彼らの人生にちゃんと寄り添っている、そんな手触りがある。皆が愛おしい。

何日か前に観たのだけど感想書けなくて、でもなんとか初動に貢献したいからTweetでレコメンドします。制作者に貢献するなら初期動員で!迷っている位ならさっさと観るべし!忘れられない作品になりました。こんな『3月のライオン』という作品の幸福を思って、羽海野さんの気持ちを思って、また涙。

後で感想書くけど、きっと「原作ファン」の中には反論色々出てくる改変があったと思う。でもね、その分の説得力が充分にあった。最後の終わり方も大好き。羽海野さんが血反吐を吐き悩みながら10年以上書き続けてきたその想いが、魂がちゃんと継承されていると思えた。

前編が今新潟市だと朝9:30からとかかなりハードル高くなっちゃったけど、まだ大丈夫です。あの将棋シーンは、ぜひ劇場で観た方がいい。
ディスク出たらライオンナイトやりたい!語りたいシーンが山ほどあるよ。

以下ネタバレ含みます。

ひなちゃんだけは、どうしても役不足が否めない。廻りが神のような演者揃いなだけに、一層目立つ。後編の前半は特に彼女の演技力が気になっちゃう。

零君が捨男に対して、自分は将棋で散々あなたのような人間たちとやり合ってきているので無駄です、と言い放ち理論詰めで捨男をやり込める原作のあの一連のシーン。最高のカタルシスを感じるクライマックスだけど、同時に自分にとって羽海野チカが何故将棋という題材を選んだかを初めて理解できたような気がした、とてもとても大切なシーンだった。今回このシーンが、まるごと零君の若さ故の先走りの象徴みたいになっていて、逆に(原作ではその場にいなかった筈の)姉妹から嫌悪をかってしまうというように変えられていて、呆然とした。ええーーー!って。それ意味が逆じゃない!最終的に捨男と姉妹が決別するシーンにも、零君はいない。これも大きな変更だ。

でもこれらの変更は、零君が映画の最後に向けて自分を整理していく過程で仕方のなかったことだと、観ている途中で納得できた。むしろ、原作の零君の啖呵は漫画だからこそ成り立つような類いのもので、実際の高校生のセリフとしてリアルなのは映画の方だ。

零君は自分の力不足を痛感し、将棋へすべてを注ぎ込む。姉妹は自分達で父親と決別する。すべてを終えた両者がふたたび通い合う。これらの選択は「ライオン」のキャラクター達として違和感のあるものではなかった。これはやっぱり『3月のライオン』という物語だった。

子役達の演技が前後編通してすごかったなー。『ちはやふる』は子役の回想シーンでいつもどっちらけて薄目で見てなきゃいけなかったけど、今作は違う。今の彼らの関係、その理由が回想シーンでの心の機微を描写することで、ちゃんと納得できるようになってる。

まだまだ書き切れない。おそらく誰もが100点と認める『3月のライオン』映画化ではないだろうけど、そもそも漫画と映画ではまたく違うメディアなのでそのまま実写化することにもちろん意味はない。だから忠実にアニメ化しただけに見えるNHKの番組にはまったく興味を持てなかった。
以下羽海野チカさんのTwitterより抜粋。

漫画と映画は違います。紙に長時間費やして読者のペースでページをめくれるものと、音と色と生きた人間がそこに立って伝えてくるものは違って当然なんです。何もかも同じにする事だけに全てを賭けてもらったとして、だとするとどうなっていたのかな…でもそれではただの確認視聴作業でしかないような

「映画を観て今皆さんが私に「原作と映画の違う部分」を伝えて来て下さってるのですが、紙に描かれた物と生きた人が動く映画では表現方法が違うので、違うところはいっぱいあるので、そこであまり苦しまないでくださいね、と伝えたくて、いっぱい書かせていただいてしまいました。苦しまないで~~

とにかく!色々語りたく映画であるのは間違いない。そしてここまで頑張った制作陣をねぎらうにはとにかく第一週、ダメでも初動で!繰り返します。迷っているようなら是非一刻も早く!

【前編の感想は>こちら

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