カテゴリー: TV・映画感想

お盆休み家映画メモ

お盆休みに家や車中で観た映画メモ。

『ナイスガイズ!』iTunes字幕
ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングの『探偵はBarにいる』みたいだった。良くも悪くも。脚本は突っ込み所だらけ。役立たずのゴズリングが最後までイマイチ愛せないし、娘の活躍も、もっとカタルシスが欲しいなぁ。残念。ただし曲はずっと最高。

『ナイト&デイ』Amazon字幕
最後まで飽きない脚本、息をつかせぬ編集・演出。最後の締めもいい。素晴らしいアクションコメディ。特にバイクのアクションシーンが最高。ガル・ガドットが一瞬出ててこれも最高。だけどキャメロン・ディアスだけが…ちょっと「美女」扱いには厳しいし個人的に彼女だけにノれなかった…。この映画のトム、いいなぁ。

『SING』iTunes吹替
家族で再見。やっぱりいい。最後のライブは何回観ても痺れる。惜しむらくはAppleMusicに日本語版サントラが入っていなくて、有料のサントラにもMISIAのあの曲が未収録だということ。どうにかして音源を手に入れたい。
(→初見時の感想

『湯を沸かすほどの熱い愛』iTunes
途中まで感動的だったのにどーにもこーにも腑に落ちないところが多くて最終的には「ええー」という印象。
●自分を捨てた母とそんなに早く和解できるもの?(それまで今の母とあれだけ「遺伝子が…」なんつって通じ合ったばかりなのに。今母のカミングアウトの方法だって納得いかないことだらけじゃないか?)
●君江がどういう性格でどういう人物なのか、何故娘を捨てたのか、今母の宮沢りえがそれらを知る機会は(毎年の蟹に添えられたそっけない手紙以外に)なかった筈。まぁ普通に自分勝手のイヤなやつだし、自分の夫と喧嘩別れした訳でもない美人の元妻な訳でしょ?そんな人に好意を抱く訳はないし、そこであの窓の外のメンバーに加わってて、なんで涙?フツー怒らないか?なんで葬式にまで我が物顔で参加してるの?宮沢りえが喜ぶ訳ないし、しまいにはこっちまで腹立ってきちゃった。
●オダギリジョーのあまりにもクソ役ぶりが最後まで愛せなかったよ…この映画の顛末って殆どアイツのせいでしょ?他にもっと適した男優いそうだけどなぁ。なんで彼?
●娘の杉咲花、妹の伊藤蒼が良かった。この二人が主役じゃないだろうか。
●せっかくの宮沢りえパワーが周りの雑音に消されていって勿体ない限り。他にも微妙に納得いかないプロットが沢山。

『崖の上のポニョ』車中DVD
何回観ても良く分からないなぁ。

『ベイマックス』車中DVD
何回観ても最高だ!!ツボを突かれまくりの脚本。これぞ「ザ・カタルシス」なシーンの連続。映画で初めて観ている最中に「これはディスクを買う絶対」と決めたあの時の気持ち、マンマそのまま。
(→初見時の感想

『ラ・ラ・ランド』iTunes吹替
●家族で観るので吹替。歌の部分だけ英語+字幕。子供にはさすがにストーリーが分かりにくいので殆ど解説しながら見せた。特にミアの同録オーディションシーンは念入りに。叔母の影響と夢を追うことについて。
●相変わらずセバスチャンの音楽葛藤関係のプロットはやっぱりなんていうか…薄笑い…?
●オープニングとその後のミアのアパートからのシーンの破壊力は抜群で、家族全員で即ハマり、翌日もこのシーンだけ観直した。ウチは家族が未だ観ていないうちからサントラを聴いて全員好きになっていたのでちょっと特殊なケースだけど、でも破壊力に何の衰えもない。
●セバスチャンの音楽葛藤以外は初見時と変わらずに楽しめた。いい映画だと思う。
(→初見時の感想

『この世界の片隅に』公式ファンブックが素晴らしい件と公開当時のTweetまとめ

『この世界の片隅に』公式ファンブック『ありがとう、うちを見つけてくれて』があまりにも素晴らしく、主に飲食店で読んでるんだけどどこを読んでも泣けてくるので困っている。映画も奇跡だったけど、この書籍も奇跡だな。改めて片渕須直監督、こうの史代さん、そしてのんこと能年玲奈ちゃんの出会いに感謝。

調べたらこのブログには(2016年ベスト記事以外)感想を残していなかった。あまりにも凄すぎる作品に出会うとこういうことになっちゃうんだよね。とても表現できないし、書けないのです。
せめて今のうちに、と思って昨年冬に観た前後のTweetをまとめてモーメントにしました。
(こういう、いつエラーが起きるか分からない埋め込みを使ってバックアップを取らないのは本当に性に合わないんだけど、時間ないんで取り急ぎ)


『メッセージ』感想

アメリカ公開から1年近く。なんでこんなに日本公開が遅れたのかさっぱり分からないけど、原作も読み万全の体勢で待ちに待って待ち続けた『メッセージ (原題:arrival』。もちろん初日に観ました。シネコンで2D字幕。

最初に言っておきたい。始まって5分くらいして入ってきたお客さん!ブブーーー!残念でした〜。たった5分のロスだけど、そのせいで残り1時間55分全部がムダになりましたーーー!ムダムダーー!!!残念〜!!ブブーーー!!

どうやって2時間の映画に?と誰もが思う原作なのですけど、自分の印象からしたら「映画化はちゃんとできていた。だけど記憶に残る傑作というほどではなかった」かな。ハードルかなり上げてたし。だけどオススメはオススメです。

内容に関するモロモロは取りあえずおいといて、今作は映画館で観た方が絶対にイイ!映像も音響も。特にヘプタポッドの奇っ怪な音声や、おかしな名前(ヨハン・ヨハンソン)の人が手がけた何風とも言えない民族調音楽が最高。そして予告でも出ている会話シーンが、まんま映画館のスクリーンみたいなんです。

以下ネタバレあります。
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『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』と岩井俊二とあの頃のフジ深夜の思い出

このPV観てたら当時の色んなこと思い出しちゃってたまらなくなったので連ツイしちゃった記録。1992-1993年という時代の思い出。

今年のアニメ化で話題の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』。
オリジナル版のBD-BOXがTV放映から24年越しでこの夏発売されるそうです。これを機にアツく溜飲の下がる『打ち上げ…』のレビューを紹介。

【映画再見レビュー】『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』アニメ版に向けてオリジナルをノベライズと共に復習しましょう!

同梱されてるメイキング、誰かに借りて観たことあるんだけど相当に良い出来でしたよ。欲しいなぁ。娘と一緒に観たい。燃え殻さんが『トラウマに近い』と書いたのにうんうん頷く輩も多い筈。とにかく奥菜恵と山崎裕太にヤられます。同級生のメガネ君もいい。サントラは20年越しに今も聴く超名作だし。

さて当時『ifもしも…』というTV番組の一つだった『打ち上げ花火…』ですが、岩井監督を初めて知ったのは、この少し前にフジ深夜で放映していた『La Cuisine』という、週替わりで料理をテーマにしたドラマを新進監督に撮らせるというシリーズ企画でした。この当時の「フジ深夜」はそれこそ関東圏で一時代を築いた、テレビ界空前絶後の黄金期だったんだけど、その中でも『La Cuisine』の岩井さんはキョーレツに記憶に残っています(というか他の監督のは殆どが「実験的駄作」だった)。録画VHSを何度観たか分かりません。山崎裕太も『オムレツ』という作品でとんでもない名演技を見せている。


↑このOPもカッコ良かったなー。

『La Cuisine』の通常のシリーズは30分だったのだけど、クリスマスとかに1時間のスペシャルをやっていて(今ではWikiにも詳しく載ってます)、この枠で『GHOST SOUP』と『FRIED DRAGON FISH』というド級の名作を生み出します。


↑この後エンディングに入るところ、最高。

前者は鈴木蘭々、後者はミッチョンがヒロイン。特に後者は『打ち上げ…』と双璧で両者は岩井監督の最高傑作だと今でも思っています。若き浅野忠信がもう甘酸っぱくて。これらがどちらも1993年くらい。


↑CHARA至高の名曲。何にしろ岩井監督は音楽の使い方でヤられる訳です。

気になって調べたら、今年25年ぶりに続編が始まった『TWIN PEAKS』、日本で大ブームになったTBS深夜放送が92年〜93年なんですね。うわーほんといい時代だった。

『打ち上げ花火…』がTVから24年ぶりのアニメリメイク、『TWIN PEAKS』が25年ぶりに続編開始。タマフルの高橋ヨシキ氏の『TWIN PEAKS』特集聞いたら、この新作がまたとんでもなく面白そうで…。ヨシキ氏がリンチ特集で出演したという『カルトQ』はまさにフジ深夜黄金時代の代表番組というね!

とにかく深夜テレビがあんなに楽しみだった時期なはいな…。フジは圧倒だったけど、他局深夜にも面白い番組あったし。因みに個人的には岩井監督は今でも30分や60分のテレビの方が向いているんじゃないかと、あの時からこの20数年の作品群を観続けた今も思います。

大根仁監督の『打ち上げ花火…』アニメリメイク。相当にレベルが高そう。広瀬すずだよ?あの時の奥菜恵に対抗できる女優なんて、他にいるだろうか。松たか子も出てる…ひょっとしてあの怖ーいお母さんかな。オリジナルでトラウマになる、通りの角からトランクを持ってなずなが飛び出てくるシーン、あまりにそのまんまで、当時の悲しい気持ちをそのまま思い出した。まさかのまさかだけど、登場人物と同じ年頃の、自分の娘と観る時が来るなんて…。なんと感慨深い。これまで一緒に観た色々な作品を観てきた感想を聞いていると、娘にとってもきっとトラウマ級に残る作品になると思うな。

ひよっこ #79-80(7/3-4)感想

乙女寮編が終わった時は随分寂しかったけど、きっとでもこのドラマなら、『あまちゃん』東京編みたいにずっとずっと楽しませてくれる筈、と信じていました。而してその通り。相変わらずの熱量のまま見続けています。楽しい!

時はビートルズの初来日。辛抱たまらん宗男おじちゃんが上京してきて、みね子の周りの人達と絡んでいくというあたり。ひさしぶりに宗男おじさんのお国なまりを聴いたみねこが涙ぐんで「なーんか、久しぶりになまり聞いたら、ちょっと…」てゆうとこの自然さ、最高。

またこのポニーテールにすずふり亭制服でちょこんと姿勢良く座るみね子、これも最高。

翌日は宗男が戦時中ビルマのインパール作戦に陸軍兵士で参加していたことを告白し、何故自分は「笑って生きていこう」と決心したのか、戦場でのエピソードを語る。その話を受けた後の、みね子の無言の表情。なんとも言えない、でも気持ちをすべて表している表情が素晴らしくて。有村架純さんのこういう演技底力を感じるシーンが、これまでの『ひよっこ』でも何回もあった。女優として完全に見直しました。拍手です。

物語はここで折り返し地点。まだまだ楽しめるぞ!ヤタ!

ひよっこ #57(6/3)

今週最後の放送。

分かってるんだよ。シリーズ全体の長さからして、50話なんて未だ1/3。乙女寮パートがこのまま続く訳がない。この後は一気に場所もキャラクター達も変わって新展開。それはそれできっとすごく面白くて魅了されるに決まってる。

で、あっという間に忘れちゃうんだ。彼女たちのこと。乙女寮でのこと。
これまでの朝ドラでずっと体験してきたから分かってる。分かりすぎる程分かってる。寮長の彼氏が結婚相手としてダメダメだってこと位、明白。

だから少しでもとっておきたくて、今日もせっせとクリップするのでした。

豊子と澄子の別れ。最初ふざけてた二人が一度ハグして、そのうちお互いバンバンしあう。この時の表情がとってもいい。
澄子のしゃべり、天然キャラの立ち位置でいつもすごーくゆっくりだったのだけど、これ、いざという時の決めシーンでも決して軽くなくてじーんとさせられたね。ほんと皆お別れが寂しい。

みね子と時子。「あんたはもう。決めるときは無鉄砲にどんどん決めちゃうくせに、いざとなっとそうなんだから」
何度もハグする時子にみね子が「きりがないねえ」と呟くのが好き。

さて、来週からは新展開!

『美女と野獣』感想

シネコンで『美女と野獣』鑑賞。2D字幕。

廻りの評判は聞いてたけど、すげー良かった。大好き。ダンスシーンの美しさとか美術のセンスとか陶酔しっぱなし。特にオープニング10分くらいの完璧さと言ったら!登場人物の描かれ方も、主人公ベルの動きも、話す内容も、ちゃんと今観て共感できるようになってるし。気持ちいいよ。ドレスのラインとかもう最高。

自分一人で観た数日後に、運動会の代休で妻と娘二人が観に行った。
妻「すごく良かったけど、こういう作品をアレだけ推してる旦那、ちょっとキモいとおもたよ」
そこでオレは娘達に言ったね。
「そういうね、オヤジだからこれが好きとか、男らしくないとか。見た目でで物事を判断しちゃいけない、ってゆう話だったよね?」と。
(単に笑いをとろうとした妻に対して得意げに言い放つダメ夫)

最近はまず描かれない(最後にキスシーンのある)王道のディズニープリンセスストーリーかと思いきや…
城に囚われの王女を王子様が活躍して助ける話、では全然なくて、まったく逆。野獣がプリンセスだ、ってどこかでも語られてたな。ベル役は俳優エマ・ワトソンの人柄ともかぶってほんとベストキャストだと思う。彼女パンフレットにもいいこと書いてた。
とくに『ラ・ラ・ランド』好きだった人には観て欲しいなぁ。きっと気に入ると思う。

ひよっこ #56(6/2)感想

今さらですけど、なんで自分はこんなにスクリーンショットを載せたがるのか。この記事を書く意味は何なのか。

NHKの連ドラって、その日その日でめっちゃ感動したり共感したりしてるんですけど、いかんせん細かくて長いので、すぐその話を忘れてしまう。
で、後で思い返そうと思って情報を探しても、あまりに話数が多いので、欲しい「あのシーン」にすぐ辿り着けないんですね。検索とかしてもね。
だからこの記事は、「最高に感動したあのシーン」にすぐアクセスできる、自分なりのデータベース構築をやっているのです。ご了承あれ。

#56は立てこもった豊子との会話から。こんなことをしたからって何もならないと分かってる、という豊子。だけど「話したい」んだと。今まで文句を言ったことは無かった。地元で高校進学ができなかった時も、出稼ぎに上京しなきゃならなくなった時も。一度も文句を言ったことはなかった。だけどこれは辛すぎる。初めて自分が自分らしくいられる場だったのに。ここでずっと皆と働いていたい。なんでそれができないのか。言いたい。言いたいんだ。
それに対するみね子や愛子さんや松下主任の優しい言葉が本当に良くてね。で、やっぱりそうやって優しい言葉をかけられるだけの子だったじゃない、豊子って。立てこもりから出てきて真っ先に飛びつく澄子とかもう…

差し押さえ業者の人達の、なんとも言えない表情。想いの詰まった什器類を持ち去る時に、工場の女の子たちが揃って「よろしくお願いします」と頭を下げているのを見て、じっと黙った後、皆帽子を脱ぐ。

業者を見送った後、愛子さんの音頭で皆笑いながら最後の食堂に向かう。それに向かって一人頭を下げる松下主任。きっとそれは心からの感謝、御礼だったんだろうなと思う。本当に幸せな職場だったよね…

カレーを食べに向かう乙女達。この後ナレーションでみね子は語る。お父さん宛の心のメッセージでは、どうしても自分に近しい子達の話ばかりだった。だけど他にもここに居る皆、すべてに同じような物語がある。一人一人に皆、必ず物語がある。それってすごいことだ。こういう物語が沢山あるのが東京なんじゃないかと、みね子は思ったと。カメラはみね子たちの他の乙女寮の子たちを映していく。

普段表に出ていない登場人物たちの「物語」まで感じさせる、まるで皆がそこにいるかのように。こういうのがやっぱり良いドラマだと思うんだよね…

あとは公式からクリップ

大切なシーンの撮影後にそろってパチリ。 #小島藤子 #井之脇海 #朝ドラ #ひよっこ

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寮長…そいつは…そいつはアカンねんて…

一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に悩んだ仲間たち。 #小島藤子 #松本穂香 #藤野涼子 #八木優希 #朝ドラ #ひよっこ

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カワイすぎるわ…

レトロな喫茶店に、幼なじみ3人組。久々の集合です♪ #有村架純 #佐久間由衣 #泉澤祐希 #仲良し #喫茶店 #朝ドラ #ひよっこ

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うらやましい関係。これからずっとこの3人は伴走してくれるのかな。

ひよっこ#50(5/30)〜感想

今週は毎朝号泣。名シーンばかり。どうやら本当に、乙女寮の子達とはお別れになってしまうようで…



田舎に帰ることを告白する優子。この語り口調がゆっくり、丁寧で、本当に彼女らしくて、イイ子なんだよな。
優子「ほんっとうに、楽しかった。みんなのこと、大好きだよ、あたし。大好き。」
優子「離れしまってもても、わたしのこと忘れねでね」
寮長「ばがっ!忘れるわけないでしょ!」


皆で最後に浅草に夜遊びに出た帰り。寮長にしなだれるみね子。キュンとくる。
この前のみね子の独白
「おとうさん、笑っているけど、泣きそうです。」
「泣きそうだけど、楽しくて仕方ないです。」
もたまらない。


まさかのプロポーズを大喜びで受けちゃう寮長・幸子。地位も学歴も名誉も金も何もないのにでっかい夢だけがある雄大君は、誰がどこから見ても100%ダメ案件だし2人の辛い行く先も見えすぎるほど見えちゃうんだけど、イイんだ。今寮長が幸せなら。優子ちゃんが幸せなら。イイんだ(そっと涙を拭く)。


ああ、ほんとにいなくなっちゃうんだ…。ルームメイトの中で一番先にいなくなった優子。信じられないよ…。


工場最後の操業が終わり、差し押さえの業者が待っている中、急に立てこもりを始める豊子。
「やだ…絶対やんだ!!!」という絶叫。
人一倍真面目で、進学したかったのに無理矢理出稼ぎに上京させられた彼女が、多分生まれて初めて見つけた仲間たち。自分を自分のまま迎え入れてくれる場所。その場所がいきなりなくなると知った時に彼女がとった行動。真面目な彼女だからこそ(そしてまだまだ高校生の年齢だからこそ)その気持ちがすげー分かって、見た瞬間に号泣。

まだまだ、名シーンばかり、名シーンしかないような週だけど。取り急ぎ。

ひよっこ #49(5/29)〜感想

乙女寮の彼女たちを、このままずっといつまでも見ていたかったのになぁ。ま、そんなことは叶わない夢なんだよね、何時だって何処だって。松下主任の発表があった時の、皆の様子がとても「らしく」て、中でも一人だけ(オレの好きな)寮長が事態を先まで読んで、一人泣いてるってところが良かったなぁ。その前の、落ち込んでる主任にカツを入れる愛子さんもいい。
しかしこれからどうなるんだよ…もうお別れなの?

ひよっこの寮長にキュン

毎日乙女寮の面々にきゅんきゅんさせられる『ひよっこ』 。皆良いのだけど中でも寮長・幸子のこの昔っぽいルックがオレは好きだ〜(メガネッ子ぽく)。声もすごくいい。和久井映見も当たり役!お父さんの行く先が気になるところだったけど、先週末のカットで少し見えてきたね。どのタイミングで見つかるんだろう。いずれにしても自分内ではあまちゃんクラスなLOVE連ドラになりそう。

連ドラは見る・見ないがハッキリしているんだけど、このところ『あさが来た』『べっぴんさん』と『ひよっこ』でオレ内ヒットが続いている。また『あまちゃんナイト』の時みたいに『ひよっこナイト』を開催する位になるのかしら。楽しみだー!

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』感想

シネコンで。2D字幕。

途中相当に辛いシーンがあって、観ながら「ああもう俺だめだ…」と思っていた位なのに、一晩経って思い返すと、何だかすごく愛おしい気持ちになっている、不思議な作品。(勿論グロとか怖いとかそういうんじゃないです。精神的に)

この不思議な後味がなければ、きっとインスタにもあげなかったと思う。ケーシー・アフレックのイケメンdeダメ男ぶりがすこぶる良い。と思ったらアカデミー主演賞だったか。え、脚本賞も?それはちょっと良く分からない。映像も音響も良かった。音楽も背景音も。

まるで映画を観ていないようにも思えて、やっぱり映画っぽくて、でもやっぱりちょっと違ってて。全編静かだけど時にメンタルには相当キます。万人にはお奨めしない。準主役の高校生が二股掛けまくりでヤりまくりなんだけど何でモテてるのかが分からない。あとへっぽこバンドのシーンとか、元妻とのやり取りとか「気まずい」シーンも満載だ!

町山智浩さんの「たまむすび」での解説によれば『容疑者、ホアキン・フェニックス』のトラブルで信用を完全に堕としキャリア的に死んでいたケイシーを、兄のベン・アフレックの親友だったマット・デイモンが元々決まっていた主役を譲ったのだそうです。チャラチャラ調子にのっていた主人公がどん底に落ちることろも現実のケイシーとシンクロしていて。奧さん役のミシェル・ウィリアムズは『ダークナイト』の後死んでしまったヒース・レジャーの奧さんだったり。まぁ皆さん色々ある。

ケーシー演じる主人公のリーが、何故これだけ心を閉ざすようになったのか。その理由が分かる瞬間がこの映画の白眉。画はなんてことないのに凄まじく衝撃的。帰ってすぐに寝ている子供を抱きしめた。

そろそろ上映終わっちゃうかも?気になったら是非お早めに。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.2』感想

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.2』は初日に観に行ったよ!当然!
(邦題は「リミックス」という本当にふざけたサブタイトルが付いてるが無視)

とにかく途中まではず〜っと笑いっぱなしだった。イルミネーション映画かって言う位、途切れのないギャグ。しまいには数分ギャグのないシーンが続くとちょっと不安になる位。楽しかった。エンディングも最高だったな〜。

前作と違って、最初から皆が仲間で、最初から一緒になって何かしている、というトコロだけでもう感動モノですよ。あのオープニング戦闘シーンたるや!2から観たって人も廻りにいるみたいだけど、気に入ったら是非!1作目を観て!

前半のぶっとび具合は大好きだけど、トータルで考えると自分は1の方が好きだな。あと曲の趣味もあるけどね。今でも1のサントラはヘビーローテーション。娘達も大好き。だから一人で観に行ったとバラすと怒られたのなんの。ベイビーグルートも最後もっと活躍するのでは…と期待していた。

でも実は前作も1回目に観た時は「そこまでか…?」と思ってたんですよそう言えば。家族で観た3回目位からもう最高かコレ・モードになっていた。だからリミックスも(この言い方大嫌い。大体劇中でもリミックスなんて出てなかったよ)これから感想が変わってくるのかも。

個人的クリス・プラットブームが続いてる中でもクライマックスの出来。存分にクリスを味わった。ヨンドゥ大好き。素晴らしい体験でした。

『SING』感想

『SING』(吹替版)をやっとシネコンで観ました。先に観ていた妻と次女も絶賛してたけど、ホントに傑作。吹替がまた最高。「次に字幕版観たってこれ以上良くなりようがないでしょ?」と思える位。歌モノとしても群像劇としても、そしてイルミネーションの新しい可能性を見た一作としても大満足。

アホなギャグ連発でストーリーなんて大してアレな(失礼)これまでのイルミネーション作品(怪盗グルーやペット、どれも大好き)とは少し違う、ちょっとシリアス入ったギャグ映画になってる。

途中若干ダレたり、主人公のダメさに呆れたりすることがあっても、最後のライブシーンで全部帳消し。特にMISIAが歌うクライマックスは音楽ライブとしても最高、鳥肌出まくりの名シーン!

↓以下ネタバレ
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映画『3月のライオン』後編感想

シネコンで後編を観ました。良い映画だった。自分的には「ここ違ったらライオンじゃないだろ!」というようなキメ所が変えられていたのに、観ているうちに「やっぱこれはライオンだ…最高」と心から思えてくる。すごかった。今も引きずってる。

出てくる皆に魂が込められていて、思い返しただけでも泣けてくる。「そこはそうじゃないだろ…」と突っ込みたくセリフや展開もあちこちにあるんだけども、最終的に挽回してくれる演出や名演技が山ほどあって、もうエンディングでは目が痛い。あの予告編で散々サビだけ聞いてた『春の歌』が、まったく違う印象で聞こえてきた。歌詞に打たれる。終わってからもずっと聴いてる。

予告は観ないでいいです。全然印象違う。今回も本編観た後に予告編を初めて観たのだけど…やっぱり肝心な将棋シーン全然出てないし。また神木君やたら走ってるし…。全然そういうんじゃないです。あと爽やかさもない映画です。ひたすら胸に来る、ひりひりするような、あの人たちの生き様。だけど思い出すと「やっていける」気持ちになれる。作品が彼らの人生にちゃんと寄り添っている、そんな手触りがある。皆が愛おしい。

何日か前に観たのだけど感想書けなくて、でもなんとか初動に貢献したいからTweetでレコメンドします。制作者に貢献するなら初期動員で!迷っている位ならさっさと観るべし!忘れられない作品になりました。こんな『3月のライオン』という作品の幸福を思って、羽海野さんの気持ちを思って、また涙。

後で感想書くけど、きっと「原作ファン」の中には反論色々出てくる改変があったと思う。でもね、その分の説得力が充分にあった。最後の終わり方も大好き。羽海野さんが血反吐を吐き悩みながら10年以上書き続けてきたその想いが、魂がちゃんと継承されていると思えた。

前編が今新潟市だと朝9:30からとかかなりハードル高くなっちゃったけど、まだ大丈夫です。あの将棋シーンは、ぜひ劇場で観た方がいい。
ディスク出たらライオンナイトやりたい!語りたいシーンが山ほどあるよ。

以下ネタバレ含みます。
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ハリウッド版『ゴースト・イン・ザ・シェル』感想

以下Tweetまとめです。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』相当ハードルを下げて観に行きましたが、それでも驚きのツマらなさ。名前を借りた別物なのは見始めてすぐ分かるけど、普通の現代のSF映画として「陳腐」。原作改変は別に構わない。大事なのは魂みたいなモンじゃないかと思うんだけど。絶妙に琴線に触れるイヤさで、始まって数十分で「早く終わってよ…」と思う映画は久しぶりだった。多分画的には見所多いのだと思う。だけどもうイヤーなダサさが連発でもうルックもすべて陳腐にしか見えない。ビートたけしに至っては唖然。
あと多脚○○と聞いて「お!!」と期待したらもう笑ってしまうようなデザインのが出てきた。
♦︎♦︎♦︎
ロボコップやりたいんなら別に攻殻使わなくてもさぁ…。士郎正宗さんのクレジット入っているの可哀想。で何?S.A.C. の名前も出てるんだって?信じられない。押井版の劣化したオマージュもああもーと悶えてしまう。なんでこんなにすべてださいのだ。
♦︎♦︎♦︎
すみませんTweet一つ二つにしようと思ったのに止まらなかった。ささっと感想検索するとこの映画の評判は皆さんそんなに悪くないようです!私だけ特殊だと思うので気になってる方はぜひ観に行ってくださいね〜!!

【追記Tweet】

士郎正宗作品のキモって「プロがプロとして動いていること」だと思うのだ。例えばプロ同士が一緒に動く時に一々説明したりはしない。そして攻殻のキモは30年経っても古びない「ネットワーク、AI、ゴーストの概念」。この映画はスタートから、そういった概念のレベルの低さについてけない。
♦︎♦︎♦︎
『 ゴースト・イン・ザ・シェル 』の感想で「SF描写がなーんか古いなぁと思ったら原作がすごい昔の作品なんですね。だからか。納得」みたいのがあって「あああ違ーーーうう!!」と叫びたくなった。そりゃ絵柄はアレでも概念は全然今のSF映画と比べたって古びてないよ。この映画が陳腐なだけ。
♦︎♦︎♦︎
そう、今の俺は「本と雑談ラジオ34回」で『カルテット』が性に合わず雄叫びをあげてる古泉さんそのもの。廻りはみんな結構褒めてたりする。でも俺は『ゴースト…』全然合わねぇ!!

『聖の青春』感想

iTunesレンタルで。
ずしんと残る。すごく珍しく妻と観たのだけど、終わった後問答無用で「いい映画だった…」と二人で呟く位。『3月のライオン』どころか、もっと地味な作品だということは、最初にお断りしておきます。だけどオススメ。将棋のルール知らないけど全然楽しめる。

わずか29歳で夭逝した天才棋士・村山聖の壮絶な晩年を、松山ケンイチが体型まで変えて挑んだ意欲作。『3月のライオン』の二階堂は彼がモデルだが、脇に弁当を持ってきてくれるじいはいないし、家がお金持ちでもない。「東の羽生、西の村山」と並び称された羽生名人を東出昌大が演じる。

東出昌大君の演技に圧倒された。
ごめんなさい。今まで侮っていました。彼の役者としての印象は、この一作で一気に覆された。東出君の出演作はこれまでも結構な数観てきているけど、今作がダントツのベストアクト。

「全身全霊をかけて羽生役に挑んだ」と言う松山ケンイチ・聖が映えるのは、相手役の東出・羽生名人の存在感があってこそだ。実物の羽生名人をそんなに知っている訳でもないくせに、この役はどこか「名人の神」が降臨しているかのようだった。文字通り神がかっていた。

直前に観た『3月のライオン(前編)』とどうしても比べてしまう。『ライオン』の将棋シーン、棋士達の名演技に圧倒されて素晴らしかったと書いたが、『聖の青春』を観た後に『ライオン』を思い出すと、やはりあちらは「『映画』として圧倒された」という感じ。

何を言ってるのかイマイチだろうけど、要はこれに比べると「ライオン」はやっぱり作り物の世界で、勿論それはそれで問題なくて楽しませてもらったのだけど、『聖の青春』は「映画を観ている」という体験以上の何かが感じられた、ということなのだ。勿論ノンフィクションをベースにしているということもあるのだろうけど、それだけじゃない何かが宿っていたようにも思う。

脇を固める役者達も良い仕事をしている。彼なくしては聖は存在しえなかっただろう師匠役のリリー・フランキー、ハマり役。聖の弟弟子役には『3月のライオン』で特殊メイクにより二階堂を演じた染谷将太が、(どちらかと言えば)「一般人の目線」で聖と向かい合う。

将棋出版社のデスクっぽい役をやっている筒井道隆!ヒゲでメガネの彼は、声でかろうじて分かるものの、俺の知る十数年前の筒井とは別人だった。良い意味で驚いた。

先輩棋士荒崎学(モデルは『3月のライオン』原作の挟み込みコラムでお馴染み先崎学)を演じる柄本時生もいい。吞み打ち買う古風でやんちゃな彼は初対面こそ反発しあったものの、聖の良き理解者であったようだ。彼の最後のカットには容赦なく心打たれた。

最小限に使われる劇伴も、とても良いかんじ。

以下ちょっとネタバレ
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『べっぴんさん』終了

半年間いつも楽しませてもらいました。物づくりや仕事というテーマに対して、セリフだけでなく演出でも美術でもきちんと誠実に応えていた。番組内に出てくる衣服や小道具も素晴らしかった。それだけじゃないけど、だからこそ信じられるし安心して観ていられるドラマになったのだと思う。時々「えっ?」とう展開があっても、その週内には結局納得しちゃうところに毎度落ち着くのもすごい。

これまでハマってきた朝ドラと違い、SNSとの相性の「悪さ」も興味深い。わざわざ書く気になれないんだよね。瞬間の感情の発露がそこまではげしくない、ということなのだろうか。

最終週、ここにきて孫の面倒エピソードから?と思ったけど、あっという間にまとめられて、やっぱり納得させられる。最後の3日間の優しすぎるフィナーレときたら!大きな展開はないけど、その「優しさ」に涙々。

これもあまり目立たないけど、若干20歳の主役:芳根京子ちゃんの名演にも拍手!わずか4歳差の女優との親子役!で学生時代から結局60代まで一人で演じきったその説得力は、よく考えると末恐ろしい。NHK朝ドラはしばしばこうゆう奇跡を起こす。本当にお疲れ様でした。これからの活躍を祈ってるよ!

さて、オンデマンドであさイチプレミアムトーク観ようか!

『キングコング: 髑髏島の巨神』感想


シネコンで2D字幕。
最初から最後まで面白く観れた!でも3日後には忘れてそうだ!

モリモリ沢山であのポスターや予告編のイメージ通り。別に悪いワケじゃなくて、期待通りに楽しめます。ストーリーもほんとどうでもいいかんじで。『シー・オブ・ラブ』で大好きになったジョン・グッドマンだけど、最近の役はどれもこれもイマイチだなぁ。

島のサブキャラ達も、これ事前にネタバレしてなきゃ「すげえ!」て思ったのだろうけど、かと言ってネタバレなかったら映画館に来てなかったかも知れないし…。難しい。このデカい牛とかほんの一瞬しか出てきませんでの期待しないように。色んな巨大キャラの繚乱は、もうなんつか既にファンタジー物ですよ。ネバエンディンストーリー。

ということでまず楽しめるんだけど、もともとそんなに怪獣好きでもない自分は、巨大クリーチャーといえば『クローバーフィールド1』とかのゾクゾク感の方が全然好きなだなぁと改めて実感。あとインパクトやトラウマ度はPジャクソン版『キングコング』の方が上(あっちは映画としてダラダラしすぎだったけど)。せめてケレン味がもっと欲しかったなぁ。でもホント、お好きな人であればまず損はしない映画だと思います。

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

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