ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』感想

カンテレ『僕達はまだその星の校則を知らない』をNetflixで6話まで。
現在フジテレビで放映中。
脚本:大森美香(『あさが来た』『眩〜北斎の娘〜』『ひとりでしにたい』)



【あらすじ】
文字や音に「色」「匂い」を感じる独特な感性を持つ弁護士・白鳥健治(磯村勇斗)を主人公とする学園ドラマ。少子化による共学化で揺れる私立濱ソラリス高校にスクールロイヤー(学校弁護士)として派遣された健治が、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの問題と向き合っていく。(映画ナタリー)

【感想】
学生たちの演技も演出も良い。特に1話冒頭のテンポの良さに惹かれ観始めたが、3話くらいまで、微妙にピントが外れた感じのまま、すっきりとは解決しない微妙な違和感を抱えつつ(これはどこかでハジける…のか…?)と思い観続けていた。

基本的にはとても良い脚本だと思うのに、キャラ、プロット、背景設定、それぞれに、すこーしの違和感が…ある…?

と、思っていたのだけど、この「違和感」とか「ちょっとズレた感じ」って、
実は「ドラマにありがちな設定を外している」せいだと気付いた。

つまり言い換えると、どこにもオリジナリティがある。ありきたりじゃない。
このドラマの設定からは
「男女高の合併で色々な問題が発生する私立高の問題を、自身も困難を抱えたスクールロイヤーの磯村がヒントを出すことで解決していく…。」
というストーリーが容易に想像されるし、たしかに後になるとその面もあるのだけど、
1話はまず彼がなんにもできないままイライラして終わる。

その後も予想した通りの解決や感動パターンからは微妙に外したまま、特に主人公(磯村勇斗)も「この人どうなるの…?」と不安になりながら3話くらいまで進む。

この「ドライブの遅さ」が、近年あまり見ないタイプで、それだけでちょっと好感。

そして4話くらいになると、それまで少しずつ積み重ねてきたキャラクターのレイヤーが確かな質感を伴いはじめ、だんだんと定番路線に入っていく展開と絡み合い、感動を生みだしていく。

「ありがちじゃない」生徒や先生は、次第に別の顔も見せることで「実在の人間味」を増していき、気付いたら皆のことが好きになってるよ!というのが、ここ6話までの感想。

TBS『大奥』(よしながふみ版)で素晴らしい演技を見せファンにさせた堀田真由が演じる学校の先生。ちょっと間違うとおっちょこちょいで真面目路線のありがち薄目で見ちゃうステロタイプになっちゃいそうだけど、ギリギリなところで実在感をもった先生を演じていて、また信頼を増してしまった。


他にも魅力的な役者が沢山。特に学生は、知ったような顔も知らない顔も含めて皆がいい。ずっと見ていたい。
この「学生の魅力」については演出の力が大きいと感じた。わざとらしさがない。今作はカンテレの人かな?あまり知らない人3人だった。磯村勇斗の演技は、もちろん悪くはないのだけど、個人的に「画期的」とまではいかないかな。

脇を固めるのが平岩紙、市川実和子、坂井真紀、尾美としのり、木野花らの豪華ベテラン勢・安心の布陣。メインビジュアルで何故かフューチャーされてる稲垣吾郎は…どうなんだろう。坂井真紀は相変わらず良い。


さて
『ひとりでしにたい』→『僕達はまだこの星の…』大森美香
『照子と瑠衣』→『今日の空が一番好きと…』大九明子
いずれも最近終わったNHKドラマからのリンク。そしてどっちもタイトル長くて「僕」がらみ笑

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