NHKドラマ『照子と瑠衣』が先日完結。全8話。
脚本・演出:大九明子(『かぞかぞ』『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』)
【あらすじ】
照子(風吹ジュン)は、親友・瑠衣(夏木マリ)とドライブに出る。女同士の楽しげな旅行に見えたが、実は決意の逃避行。二人は八ヶ岳の別荘地で素性を隠して暮らし始める……。
70代の女性二人が自由を手に入れ、新しい人生に踏み出し、若い世代に希望を繋ぐまでを、爽快にコミカルに、歌と涙を交えて描きます。(公式サイト)
【感想】
大九監督きっかけで観た。期待に違わぬ、文句無しの傑作。
●今まで正直いつもどこか苦手だった夏木マリが、今作で初めて格好良く感じた。ありがとう監督。
●染みついた家父長制にダメージを受け続け、自分の生き方を閉ざしてきた女性が、それを打ち破り人生を取り戻していく物語。
二人の若年期を演じるのは推し俳優:久保田紗友と光宗薫で、この過去パートもいいんだよ〜
●二人が知り合うガソリンスタンド夫婦の妻が推し俳優:福地桃子。でもしばらく見せ所がなくて、これどうなるんだろう…て思ってると、ええ?そういう繋がり?ってなって。うわ〜。
●最終話。いきなり初出の親子の、全然違う話が始まるのに驚いた(母は筒井真理子/娘は香椎由宇を思い出させる美少女:藤﨑ゆみあ)。
でもやっぱり全体を通す「女性の生き方」テーマを語っていて、うわーんと感動しているところに…ええ?そういう繋がり?ってなって。やられた〜。8/10に長崎舞台の話、ってのは偶然なのかな?
●元ネタの『テルマ&ルイーズ』は多分未見(有名すぎて誰もが観た気になってる映画では?)。この不思議な流れは本歌取りの部分のあるのかも。いい加減再見しようか。
●最後まで脚本の妙に唸らされていたけど、やっぱり主役のベテラン二人の説得力あってこそだ。年輩女優二人がダブル主役って、そうそう見ない気がする。
風吹ジュンと夏木マリの二人が若い世代に向かって思いを繋ぐ(特に最終回)、全編通して希望の話でもありました。大変良かった!
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大九監督の最新映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』がアマプラ入りしている。前評判も高いし観るのが一層楽しみ。
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