『かくかくしかじか』東村アキコ

『アオイホノオ』絡みという訳ではないけれど、ママ友に貸す前にちょっとつまんだら止められなくなり一気再読。この間うっかりセブンイレブンで掲載誌『cocohana』を立ち読みしたらなんとどんぴしゃで(何時来るのかとドキドキしていた)あのシーンを読んでしまい、そのせいもあって、再読の一巻から、「ねぇ、先生」の語りかけに、涙。涙。

何度読んでも最高に痛すぎるのは、
金沢の美大に先生が来るところ。
主人公は周りに対する恥ずかしさと先生のあまりの変わらなさぶりと鬱陶しさに腹を立て、アパートに先生を泊め、自分は彼氏の家に逃げる。
先生が帰った後の部屋には、地元宮崎の高級焼酎が、ぽつんと残されていた。

「おそらく
先生は

金沢の
私のアパートで

20歳を超えて堂々とお酒が飲めるようになった私と
油絵科の私の友達を呼んで
宮崎の焼酎を飲みながら
夜通し話をしようと

それはもちろん

絵の話をしようと

ああ

私は本当に
最低な教え子です」

「でも
もう取り返せない
時間は元に戻らない」

誰でも一つは持ってる、
思い出すたびに頭をかきむしりたくなる、後悔のとき。

 
 

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