武富智『EVIL HEART』の新刊です!ええー打ち切りなんじゃなかったのけぇーーー!そう、その通り。なんとこの「氣編」は全話書き下ろしです。ボリュームもたっぷり。値段もたっぷり800円。
この巻では舞台がアメリカに移り、ダニエルの暗い過去が明らかになっていきます。兄との確執から逃げるようで、最初は「え?」と思わされるんだけど、そこは『EVIL HEART』です。現地の男の子やダニエル母など魅力的な新キャラを交え、これまでのテーマ「強さとはどういうことだ?」がより深く語られるのです。あの陽気でひたすらにココロの広い(ように見える)ダニエルの陰惨な過去。その過去に向かい合った時の彼の変貌と、思わぬ人物からの救済。いやー見事!と唸らされます。
この人の漫画は、ここぞ!という「キメ」の場面における人物の表情が凄いんです。その表現(通常のキャラの顔を、どのように変貌させるか)が、飛び抜けて上手い。今回主役を張るダニエルの「決め顔」には、ホントに痺れました。
アレですよ。ルパン三世(新)の最終回「さらば、愛しきルパン(宮崎駿監督)」のクライマックスで、にせルパンが逃げようとした時に、その先に立ちふさがるシルエット。ぐぐーっとパンアップして画面に映る、「本物」ルパンの顔。その凄み。アレです。あの鳥肌を思い出しました。
「おっかけっこは、幕にしようぜ、黒幕さんよ。」
いやーたまらん。って話がズレちゃたんで戻しますが、武富智は外れがありません。ほんと誠実に良い漫画をお作りになってる。でもその割に打ち切りになったり(まーヤンジャンだしな(笑))。恋愛だけじゃない*、甘酸っぱいセーシュンモノが得意です。
*この辺がヤンジャンで人気出ない原因か。
せめてコミックスは皆買ってあげましょうよ。未読の方は、ぜひお試しください。きっと全部欲しくなるから!
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