『パリの迷い方』じゃん・ぽ〜る西
ジャケ買い。フランスのマンガに憧れパリに移住した作者の、自虐日常ルポマンガ。
一見間の抜けた絵柄ながら(表紙のイラストは一見して『ナニ金』だ。このセレクトはどうかと思った)、パリジェンヌ(笑)のいやーなところも素敵なところも鋭い観察力と風刺力ですべてお笑いに昇華している。パリのマンガ、から想像されるオサレ度も気取りも皆無。オモロかった。
『一緒に遭難したいひと(3)』西村しのぶ
西村しのぶの新刊である!それだけでも凄いことだ。もともとこの作者のナチュラリスト指向というかエコ指向はマンガの中にも深く影響していて、それが時代時代のトレンディーな神戸婦女子たちの姿を借りて語られ「何事も起こらない・けど読んでしまう」西村日常マンガの世界を生み出しているんだけど、だんだんこちらの読み手も年を食ってくると、登場するオサレ婦女子とそのエコ指向とのギャップに多少違和感を感じてくるようになってしまう。でもさすがに登場人物達も合わせて歳をとってきており(もう『サード・ガール』は無理じゃない?)、ギャップといっても最小限。
単行本が平気で2年おきくらいに出る上、その時代のオサレ感をとても大切にする作家なので、巻を重ねるうちに設定も随分と変わっていくのでしょう。移り行く西村マンガ、いまだ健在と思いました。
巻末の掲載歴を見ると、どうも4巻が出るのは2010年になりそう。ひえー。
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