石川雅之『もやしもん(8)』
相変わらずお上手。見事。前巻はワイン、今巻は地ビールなのだけど、美味しんぼでも神の雫でもない、パターン化に陥らずキャラを上手に生かしたストーリー展開。まぁこの計算だとあと2巻くらいで終わらせないとイカンのですが…。
地ビールを毛嫌いする武藤が冒頭その知識で業界をこきおろすシーンもスッキリするが、後ででそんな自分自身のかっこ悪さに自ら気づくプロット、溜飲が下がります。そして新キャラの「はな」が物語にリズムを与えている。石川氏は女性の好みがイイんだと思います(衣裳の好みはアレですが)。ここに出てくるのは仕事にしろ学業にしろバイトにしろ「ちゃんとやってる」女性ばかりだもの。
これだけネタを渡り歩きつつクオリティの落ちない『もやしもん』。何故だろう。やっぱりね、未だに色恋沙汰ゼロを徹してる所ですよ。それによってある意味夢の大学共同生活が送れるんです。結局最初から変わってない、だからだと思う。
えと、オレは『もやしもん』好きだけど、菌達にはまったく興味ありません。だからぬいぐるみカワイ〜!とか思ったこともない。
もやしもん 8—TALES OF AGRICULTURE (イブニングKC)
posted with amazlet at 09.08.03
石川 雅之
講談社 (2009-07-23)
講談社 (2009-07-23)
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