WOWOWドラマW『フェンス』また野木亜紀子傑作!

アマプラで配信の始まった、WOWOWドラマW『フェンス』全6話を、1日で完走しちゃった。

2023年、野木亜紀子オリジナル脚本作品。当時はこのためにWOWOWに入ろうかと真剣に迷った位、観たかった作品。

見応えあった!良かった!

【あらすじ】
雑誌ライターのキーこと小松綺絵(松岡茉優)は、米兵による性的暴行事件の被害を訴えるブラックミックスの女性・大嶺桜(宮本エリアナ)を取材するために沖縄へ向かう。桜の供述には不審な点があり、事件の背景を探る必要があったのだ。(公式サイトより)

【感想】
野木亜紀子脚本の大傑作たちの中でもかなりノンフィクション寄り。そしてあまり明るくはない。正直1話のとっかかりがあまり良くないのだが、そのラストシーンからドライブがかかりはじめて、最後までつっぱしる。

さすがの野木脚本ですよ。ちゃんと希望を、前に進む気持ちをくれる。

監督は『ペンションメッツァ』『昨日なに食べた?S2』『団地のふたり』を手掛けた松本佳奈で、今はカンテレ『秘密〜THE TOP SECRET〜』がはじまっている。ノリノリだ

沖縄の基地問題と米兵による性暴力が事件として描かれるが、性暴力は特に、今この状況でこそ、観られるべき話。野木さんの真骨頂。

ドラマWと言えば最近は『0.5の男』が大傑作だったが勿論全作品が配信入りする訳ではない。

アカデミーにブラックボックスダイアリーズがノミネートされ、中居問題がこれだけ世間を賑わせ、ようやく日本のmeetooが始まろうというこの間際、このタイミングでの念願の『フェンス』配信に大感謝!!
今ですよ!まさに今すぐに観るべき。偶然だろうけど配信開始は2023や2024より今で良かった。

また自分は最近、岸政彦『調査する人生』を読了したばかりで、打越正行や上間陽子の目線越しの今作。さらに個人的タイムリー。

松岡茉優が本当にいい。沖縄空手を習得している役で見せ所もバッチリ。
あと特別出演のガッキー!野木ドラマと言えば、の彼女が、まさかの役でしっかり脇を固めてくれる。あの役!あの喋り方!あの目!
『だから私は推しました』の松田るかの活躍も嬉しい(松岡以外は沖縄出身)。

シリアスな話が多い中でも、女性同士の普段の会話がすごくナチュラルで。バカリズムのアレも好きだけど、野木亜紀子のこうゆう脚本力にも感心する。


野木脚本というか、これドラマとしてのつくりがそもそもすごくて。ほぼ沖縄出身キャストで固め、半分ノンフィクションのような、先日書いた『この街のこども』のような、フィクションとノンフィクションが交差する感じ。『ワンダウォール』とか。

だから他の野木ドラマのように、フィクションにがっつりとはまり込むあの感覚とは、少し違う。

刑事同士のセリフは、自分は意味が分からない位の沖縄方言。今『虎に翼』の新潟編終盤なんだけど(再見・自主朝ドラ)新潟弁がめっちゃネイティブで違和感なくて、でもこれ他県の人から見るとこんな感じなのかなーって思った。

「この社会が正しくないから、被害者が名乗り出ることが難しい。
この世界が間違ってるから、正しいことができないんだよ。」

この企画はきっと、WOWOWだからできたのかも知れない。ばからしいけど、この日本の流れが5年後には変わっていることを祈るばかり。


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