映画『トワイライト・ウォリアーズ』感想

この映画については @ninnymoa が激推ししていたので前から知ってたのだけど、新潟の上映はTジョイの真っ昼間だけで「ああこれは劇場逃すパターンだな…」と思い、まずは『九龍城探訪』を買って九龍城熱をなんとかしよう、と思った。

九龍城と聞いただけで身体の奥が熱くなってくる…あの手の廃墟のような入り組んだ建物に、無条件にヤられちゃう人、いるよね?自分はそう。#士郎正宗 のマンガもまさに九龍城好きの流れだな。

『九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 – City of Darkness』(イースト・プレス 2004)

九龍城のリアルな写真集としても勿論のこと、そこに住むさまざまな職種の人達に普段の生活のことを詳しく聞き語りしていて、これが本当に面白い。まさに『九龍城の生活史(by岸政彦)』といった趣。高価な本だが文章量も相当で、充分に元がとれる。

この面白本を中盤まで読んだ頃に、急に映画を観に行けるチャンスがやってきて、観てきましたよ『トワイライト・ウォリアーズ』。(2月13日頃の話。だけどまだTジョイ新潟万代では上映中)

自分は1970年生まれ、ジャッキー・チェンの香港映画が子ども時代にめちゃくちゃオンタイム。とは言えあの手の格闘ものにそんなに心動くタイプではなかったので、それなりに「観てはいる」位の関わり。

そんな自分でも、ちょっとあの頃の気持ちを思いだした。なんというか、あの時代の空気というか。前向きしかないあの気持ち?
間違いなく今でしかできないクオリティの映画だけど、昔に作られたかのようなポジティブな気持ちを追体験した、と言えばいいのか。

内容はギャングのシマ争い&カタキ討ち、対決して勝つ!みたいなストーリーで、少年マンガそのままの喧嘩ンシーンの連発。しかも九龍城そのままに見える素晴らしいセットを上手に使った、めちゃハイクオリティなアクション。

そのシマ争いもカタキ討ちも、ちゃんと脚本が練られていてツッコミ処が全然無い。王道の内容を王道のままちゃんと丁寧に隙無く作られている、とんでもないレベルのエンターテインメント。

登場人物のキャラ立ちも凄くて、まー魅力的。中でも自分は強いおじいさん達が好きで、龍兄とサモハンはフィギュアが欲しい位だ。最初から最後まで最高だった。

実際の画像が流れるエンディングには泣いてしまうし、『九龍城探訪』には取り壊し近くの様子も書かれてるしで、劇中の物語とは別に、心の中にある「いずれなくなるこの場所」という哀愁がもう、ずっと切ないのですよ。

ただし。
自分は…カンフーが嫌いな訳じゃないけど、この映画、刃物を持って戦うシーンが多くて。そのキャシャンキャシャンてゆう音が、もう痛そ過ぎて苦手でした。生理的に無理なの。なので後半の刃物アクションシーンが相当厳しかった。

ギャング映画とかノワールとか、少年マンガに心がめちゃくちゃ躍るタイプにめちゃオススメです。『九龍城探訪』も、読み終わったら #かめかし文庫 入りする予定。

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