映画『MICKEY 17』感想

『MICKEY 17』をユナイテッドシネマで。
監督:ポン・ジュノ(殺人の追憶、オクジャ、パラサイト)

【あらすじ】
主人公は、人生失敗だらけの男「ミッキー」 (ロバート・パティンソン)。一発逆転のため申し込んだのは、何度でも生まれ変われる “夢の仕事 ”
のはずが ……。
よく読まずにサインした契約書は、過酷な任務で命を落としては何度も生き返る、まさにどん底の “ 死にゲー” への入口だった!現代からひとつの進化も無く、労慟が搾取される近未来の社会。だが使い捨てワーカー・ミッキーの前にある日、 手違いで自分のコピーが同時に現れ、事態は一変。予想を超えたミッキーの反撃がはじまる!(公式サイト)

【ネタバレ無し感想】

面白かった〜!

ポンジュノ映画って自分は大抵、「心から愛せる映画」ではないのだけど好き。今作も同じ。めちゃ面白いブラックコメディーSFでした。
SFとして超一流。俳優達も美術デザインも設定も、すっげー良かったなぁ。

主人公は『tenet』の謎イケメン、ロバート・パティンソン(大好き)。彼の魅力だけで全部観れる!

相方となるナオミ・アッキー、もう一人の主役とも言える悪の親玉がマーク・ラファロ(大好き)とトニ・コレット。皆が見事に適役。フランス&ルーマニア国籍のアナマリア・ヴァルトロメイもエロい名脇役でお気に入り!


【以下ちょっとネタバレあり】


原作のアイデアがすごいのだろうけど、それをここまでの傑作に仕立て上げる。すごいよポン!

主役である17と18の性格設定が絶妙。2人の違いを出すのに、歯の並びをほんの少しだけ、変えてるらしい(パンフより)。

登場人物全員が、どこか駄目で、ずっこけてて、愛おしい。これもポンジュノ作品のイメージ通り。唯一ちゃんとしてるように見えるナオミ・アッキーだって、彼氏が2人存在した途端に目を輝かせて3Pを求め、ミッキーに惚れる理由も(反体制派というのが前提だけど)基本セックスだろう。

悪玉政治家(その実すべて妻に操られている)マーク・ラファロとトニ・コレットの夫婦が最高。自分はこういうカリカチュアされた悪玉って大抵好きなじゃないのに、今作の2人は、終わって思い出しても、なんか憎めないなぁ。好きって言っちゃうなぁ。なんでだろう。「ソース」って言葉がまたイミシンで。

開拓先の惑星に王蟲のようなクリーチャーがいて、オクジャと同じ人がデザインしたらしいんだけど、グロなのにちょっとファンシーな可愛らしさ、ポンジュノ映画ぽい〜!
フィギュア欲しくなる。くっそー買おうかな。彼らとの交流、音声の感じも含め超完成度高い。

リサイクルのグジュグジュが煮立ってる廃炉のようなアレの落とし穴が、普通に船室の中にある感じ。昔にもああゆう映画かドラマがあったんだろう。なんか自分の中でトラウマっぽくなってるように感じた。夢に見た覚えあるし。

笑って楽しみながら観つつも、悪役の在り方を含め設定の殆どすべてが現代の社会問題に繋がってるこのなんとも言えない感じ。観ながら自然と現代のあの人やあの人あたりをふわ〜っと思い出しあてはめちゃう。

スノーピアサーはそこまで楽しめなかったけど、今作は傑作SFでポンジュノ要素もたっぷりで、好き!


※パンフレットはまぁ、標準点ってかんじです。

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