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NHK『東京サラダボウル』4話がとんでもなく良かった

NHK『東京サラダボウル』4話がすごく良かったのでその理由を書いておきたい。

※Amazonプライムでも1週遅れで最初から観れます

【あらすじ】
ミドリ髪の国際捜査の警察官(奈緒)&中国語の通訳人(松田龍平)のコンビが、日本社会からこぼれ落ちそうな人生を拾っていく。
3-4話は2話で前後編。乳幼児を誘拐された夫婦、ドラッグストアでのおむつ万引き事件。この2つの発端から、物語は意外な方向に進んでいく。

【4話の素晴らしいところを言いたい】

●脚本が素晴らしい。原作あってだろうけど、だからってその説得力がそのままドラマに出ることはむしろ稀有だからね。社会問題をさりげなく盛り込み最後には容赦のない感動を呼ぶ見事な回。
自分は『アンナチュラル』の初見時の、1話とか2−3話で「これはとんでもないものがやってきた」って驚愕した、あの記憶を呼び起こされました。

●奈緒は好きなんだけど(特に『ヤンキー君と白杖ガール』)彼女の演技って、その軽さがドラマのリアリティラインを下げ(演出の責任)、そのせいで自分はノれない作品が多かった。今回もあまり期待せず(でも松田龍平だし…)と思って見ていたのだけど、この4話で信じる気持ちになれた。

彼女の役って、1-2話を見る限り、犯人に同情するあまり職域を超え深入りして、周りに迷惑をかけちゃって、でも「何故か」あとで解決できちゃう昔の朝ドラヒロインのような、ありがち陽キャになっちゃうのかな…との疑いを払拭できなかった。

彼女がいい人で、在日外国人に「深入りし過ぎる」ことが事件の解決に繋がった…だけではありふれている

問題はその解決に至るまでのロジックと納得度合いだろう。それが1,2話ではじんわりと、この4話では決定的に腑に落とされる。彼女が在日外国人を思いやり、思い入れ、入り込み過ぎることで周りの人が動き(特に龍平)、最終的に少しでも良い未来に導かれる、そこまでの「繋ぎ」が絶妙なのよ。脚本と演出の勝利。

松田龍平はやっぱりすごくて、奈緒はその引き立て役になっちゃうのかな…て気持ちで見始めたら、なんのなんの。役のまんま龍平と一緒に奈緒に感心してる自分がいた。

●松田龍平がここぞとばかりに元刑事のかっこいい感じを見せてくるシーン、そのカタルシスが最高。

●今回出てくる中国人の夫婦のなんとも言えないリアルさ。どこにでもいる2人が、それぞれの理由で帰国が出来ず、偽装夫婦となる。派手なことは何もない。そして二人とも演技が抜群。男性の方はゲスト俳優だなんてこれっぽっちも思えず、どころか完全に主役級のうまさ。

●松田龍平の元上司の刑事(阿部進之介)がいい。過去にトラブルで龍平と仲違いした上司。でも上司は龍平の実力をめちゃくちゃ認めていたので、龍平が刑事をやめることに納得できず、ドラマの最初はずっと怒ってて感じ悪い。でも4話で結構すぐにバディになる。

過去の怨恨は解決してないけど、2人の実力をすぐに認め、イジワルしないのがいい。イジワルの時間が好きじゃないので。そうこのドラマ、組織内で面倒イジメがなく、ちゃんと力を認め合っている姿がすっごく気持ちいい。

現実はそう上手くいかないこと位、言われなくてもイヤというほど分かってるから。

●龍平のひらめきが解決のきっかけになるんだけど、それだけに要因が偏っていない脚本の絶妙さ。奈緒の力も、他の訳者や刑事達も、皆の働きあってこそ、というバランスの良さがいい。

●最後奈緒が中国人の彼に伝えた伝言の内容。というか別れる前にあの内容を伝えたいという奈緒の心配りにマジ痺れる。彼女の真髄に触れるクライマックス。

●たとえば「中国で行方不明になっている○○という男の子を探す」というプロットにしても、ここで嘘くささというか「そんなん無理に決まってるし他に○○すればいいじゃん」というツッコミが入る設定だと、自分はすぐにどっちらけるんだよね。そういった「仕事」設定に対する誠意。多分自分はここがドラマや映画で一番と言える位、大切な要素。(最近始まった弁護士ドラマも最初の15分位でどうしても観れなくなった。理由はまさにそこ)

●松田龍平はやっぱりすごいよ。あとハマケンのゲロ演技すさまじかった。最近すごく吐いたばかりなので笑

●イモトが出ていると知って「ええ?」と思って見ても、どうしてもそうは思えない。刑事・通訳たちの配役が皆いい。キャスティングの力!NHKすげーて思う。
この流れで「宇航が あなたを守ってくれました」って、なんちうセリフや…(ノД`)・゜・。

まだまだ書き切れないくらい。4話はとにかく良かった。

NHKドラマが何故かアマプラで(1週遅れで)配信している最近の流れは、とってもいいね。オススメしやすい。

他にも今シーズン、『ホットスポット』『御上先生』が面白いし、『阿修羅のごとく』も観終わってないし、これぞNetflix案件と思っていた(日本の予算では実現化しえない)清水玲子『秘密』のドラマ版もおっかなびっくりだけどみてみたいし、嬉しい悲鳴です。

NHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』2話が神回

NHK BSPドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第2話。

これはヤバいドラマが始まった…と思ったら、2話にして神回。そんなドラマあるか?
(1話が神回だった『アンナチュラル』はあるが、アレはその後もずっと更に面白さが上がっていった)

お昼休みに見てたらご飯止まっちゃう位にボロ泣き。
主役の河合優実はもちろんなのだけど、坂井真紀の演技力がすさまじい。いやその演技をちゃんと切り取る演出と撮影もすごい。坂井真紀ってこんな役者だったんだ。福地桃子もそうだけど、役者の魅力をここまでもかと引き出す大九演出。

ただの会話だけでも目が離せない。

未見の人、周りの評価が高くて気になるって人、ぜひ2話は見逃さずに。NHKプラスは1週間だったっけか?

これから一体どうなるんだ。

韓ドラZoom会議『秘密の森』『マイ・ディア・ミスター』

昨晩は、大好きなからし味噌ちゃーしゅう(辛味半分)を食べた後に、東京2組の方とZoom韓ドラ会議。

秘密の森を見終えた!との連絡で、自分も前日から少し復習しようとしてたのだけど、いやはや、改めて難しいな…笑。

自分は細部が理解できなくてもどんどん楽しんで観れちゃうタイプなんだけど、ちゃんと理解するには、これは2回以上観た方が良いんでしょうね…。

といった前情報で未見の人を敬遠させるなどもっての他。『秘密の森』は一気に観たら間違いなく引き込まれることを保障します。期間空けて飛び飛びに観たらちょっと分からなくなるかもよ…
でも理解能力通常の4割程度の自分が楽しめたのだから、大丈夫!笑

今回は『秘密の森』と『マイ・ディア・ミスター』を中心に3時間ほど話しました。こやってテーマが決まっていると、徹底的に細部まで話せてとても良い。

昔医学町ビルで開催した「カルテット・ナイト」「アンナチュラル・ナイト」の楽しさを思い出しました。→ #開催イベント_dsm

自分は韓国人名が全然出てこないので、直前に人名図などを用意して画面共有しつつ。これないと全然思い出せないんだよ〜

『秘密の森3』まだいつになるのか分からないけど、楽しみ。あの2人にまた逢えるってだけでもぞくぞくする。

そして復習で『マイ・ディア・ミスター』最終2話も再見し、また嗚咽。本当に文句無しの傑作!

韓国のドラマと、日本の制作の現在、みたいな話もできて、本当に充実した時間でした。またやりましょ〜!
そしてYさん、ドラマアカウントの開設を切望しておりますよ…

映画『Every Day』感想

Amazonプライムビデオで『Every Day』を。2016年、日本。監督は手塚悟。

【あらすじ】
交通事故で昏睡状態に陥っているはずの恋人・咲がいきなり目の前に現れる。
「時間を、もらったのね。1週間」
手作りの弁当を差し出す咲。
しがないサラリーマンの主人公・晴之と2人の、いつも通りだけど特別な1週間がはじまる。

「いかにも」で「泣かせ」な粗筋を読むだけではちょっと観る気にならなかったけど、haruka nakamuraの「Every Day」がハミングで流れる予告編を見て、彼が劇伴をやっていることを知って興味が湧いた。

いい映画だった。

冒頭の2人の演技だけでぐいぐい引き込まれて、最後まであっという間。全体的に舞台劇のような最小限の演出。

出てくる役者、皆が素敵。細かい仕草や台詞がいちいちリアルで刺さる。2人の友達や上司も、ちょっとしか出てこないけど皆「好き!」てなっちゃう。良い。アンナチュラルのUDIをちょっと思い出す。haruka nakamuraのピアノが抑えめに少しだけ流れる劇伴もすごく好み。(シーン毎にアテ書きで依頼するのではなく、作品全体を見てもらい上がって来た30曲ほどの中から、半分くらいを選んで使っているそう)

説明が全くなくて登場人物の関係性が最後まで分からなかったり、たぶん万人にはお奨めできないような作品なのだろうけど、出会えて良かった。
プライムすごいなー。

このタイトルなのに、ボーカル入りの『Every Day』が結局使われていないことにも驚く。でも、それがまた良いの!

役者は自分程度では知らない人ばかり。劇団方面の方たちなんだろう。主役の永野宗典さんはヨーロッパ企画の有名な方で脚本・監督なんかもなさっている。

好き!

『アンナチュラル』最終回メモ

遂に最終回。
この日が来て欲しくはなかったけど。でも期待に違わぬ素晴らしいクライマックスだった。今年、これ以上のドラマが果たして登場するだろうか。中盤以降は、毎シーン涙なしには見れない。野木脚本が見事過ぎるのは勿論、名優達の演技、あと今回は特に編集の良さが印象深かった。これまで9回分のありとあらゆる伏線を回収しつつ、シーンやモチーフを対で見せていく、最高の回でした。

ぐっとキたポイントをメモ。
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無題

『アンナチュラル』あと2話って!もうお別れって!寂しすぎるよ~。ミコト&東海林コンビも、中堂&坂本も、中堂&葬儀屋も、重版出来!に引き続きデスク役の所長も、みんなみんな大好き。石原さとみ、どこまでチャーミングなんだアンタは。

個人的にいわゆる「謎解き」カテゴリってあまり好きじゃ無い。このドラマ、表面上は謎解き要素が取り沙汰されそうだけど、実は謎解きを通じて見えてくる「人」を語ることこそがメインだから、最後にはもう…必ず泣かされるよね…。

重版出来も逃げ恥にもハマり過ぎて「やっぱり原作モノは野木さんだ!」などと思っていたら、初のオリジナル脚本でこのハッチャケ具合ですよ。今の世の中に対する物申し加減も実にキレが良くて、気持ちいい。涙出る。俺もう野木教に入ります。

中堂ことARATA君は、大学時代にサークルの後輩でした。と言っても彼は二部生だしモデル活動が当時から忙しくて殆ど逢ってないけど、勿論中堂とは似ても似つかない優しくて本当の人格者で誰からの評判も良く、皆に好かれていたのですよ。しゅっとしてて。それがまーアンタ、こんなドス声の中年おっさん役まで見事にこなすようになって…。おいちゃん嬉しいよ。皆太るんだよ。

どっかに当時の写真ないかな~と思ったけど、あの時代は皆プリントなのです。探すの超面倒。デジカメのデの字もなかった。そりゃお互い歳も取るわな。

ABOUT

1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。