『ヒックとドラゴン2』

iTunesレンタル:吹替
家族で鑑賞。前作の完璧度にはわずか及ばないものの、ほぼ文句のつけようのない快作。

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アメリカでは、『ベイマックス』を退けゴールデングローブ・アニメ映画賞やアニー賞(アニメのアカデミー賞と評される)を受賞するような超話題作にも関わらず、日本で劇場公開スルーされるという、あり得ない経緯を辿っている。日本劇場公開を求め署名運動が展開されるも、ついに今日まで実現することはなかった。

ドラゴンの巣のような場所で大量のドラゴン達が渦のように動くさま、巨大なドラゴンのボスが登場する場面など、これは絶対にスクリーンで観たい!というシーンが続出する。スクリーンスルーが未だに残念。機会があればいつでも劇場で観たい。

さて『ヒックとドラゴン』前作は、自分の中では歴代アニメ映画ベスト3に入る位に大好きな作品だった。
脚本がまず優れているし、語ろうとしているところに共感する。腕力がすべてのドラゴン退治の村で育った、やせっぽちでいかにも文科系な主人公ヒックが、最後まで自分の得意なところ、考えること、観察すること、固定概念に囚われないこと、を使って最終的に村の皆を助けるまでの説得力が本当に感動的。対するトゥース(原語ではトゥースレス。何でここ変えるんだろう)の、まるで大きいネコのような可愛さも、最初頑固に見えたお父さんの優しさも、仲間達の明るさも、勿論ヒックの明るさも、全部が気持ち良くて、その気持ち良さが最後まで続いていく最上質のエンターテインメントだった。

続く本作『2』は、前作からの経過や伏線回収が全編にちりばめられているので、『1』を観てからの方がより楽しめると思う。

以下ネタバレ少し有り感想

●前作からそのままリアルタイムで続いていたかのような地続き感が、とても心地良い。
●画面の設計がすばらしい。特にスケールが「大」→「小」→「大」と変化するお母さんの隠れ家とか、ドラゴンのボスの登場シーンとか。
●前作も著名な照明ディレクターが参加して「ライティングのリアルさ」が追求されていたけど、今回はまた目に見えてすごい。暗い洞窟の中とか、こんなに本当に暗くリアルに描写したアニメは観たことがない。普通ならもう少し色設計を派手にしちゃうだろうに。アニメの可能性がまた地味に広がっている気がする。
●お父さんが死んじゃうのはショックだった。殺さなきゃいけなかったのかなぁ。すべてが明るく楽しい作品だった前作とは明確に違うところ。でもその死が納得いかないという訳じゃなく。本当に悲しくなるんだよね。その直前でお母さんと和解し、これから楽しく家族で暮らそう!ってなった矢先だったのに。頑固なお父さんがお母さんと会った時のあの反応!最高にハッピーなシーンの後だけにね…
●良い方のドラゴンのボスがやられ方はあまりにあっけなさ過ぎて、これきっと後で蘇るんじゃん?と余計な期待をさせちゃう。もう少し頑張って欲しかった
●主人公や仲間達の成長の仕方も、でもまだ引きずっているトラウマも、続編としてこれ以上ない位丁寧に描かれていて大満足。でもトゥースって一人で飛べなかったっけ?
●これとヒック1、ベイマックスを観てしまうともう完全に日本アニメには諦めムードにになってしまった。その後『バケモノの子』を観て気持ちが変わるんだけど、それはまた別の話。

家族全員で楽しみました。レンタル期限中(iTunesは48時間)の翌日も全員の希望で2回目鑑賞。BDも買います。

★★★★☆

冒頭にも掲示したポスタービジュアルがあまりに恰好良いのでアーカイブしておきます。すべてのキャラクターにパートナーのドラゴンがセットだというこの感じもすごくイイ!

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