『オッペンハイマー』をイオンシネマ新潟南IMAXで。
初日はさすがに混んでた。両隣に人が居るなんて久しぶり。
監督はクリストファー・ノーラン(『インターステラー』『ダンケルク』『TENET』)
文句無し大傑作。ノーラン裏切らない。
そしてIMAX・フィルム・SFX抜きにこだわり続けるノーラン作品を初めてIMAXで鑑賞できた感動!
(今作ではわざわざMAX用モノクロフィルムを開発してる入れ込みよう)
今年春の目標
「DUNE2とオッペンハイマーをIMAXで観る」
が達成できたので、もう言うことないです。
【あらすじ】
第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加した J・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。
しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。(Filmarks)
【感想】
原爆を開発したオッペンハイマー氏が主役。内容に差し障りがあるのか?日本公開が半年以上遅れた。というか当初は日本公開自体が危ぶまれていた。オスカー獲ったのでやっと許される状況になったようだ。
この経緯について、観た人は恐らく誰もが「おかしいだろ」と思うでしょう。
確かに、広島長崎をさんざん見聞きしている身としては、途中まではどうしたって気分が悪い。そもそも日本に対して作られたものじゃないのに「せっかく出来たのだから」的な流れで対日本で使われることになり、投下地を会議で決めるくだりなど、吐き気がする。
だけどそれ以上にオッピーの苦悩がフィルムに文字通り焼き付けられていることが分かってくるので、最終的には「技術は開発したら善悪関係無しに使われてしまう。開発者にそれを止めることはできない」というメッセージ(他にいくつもあるけど)がたたき込まれるつくりだ。こういう映画こそ日本で観られるべきだろう。
ってこれ、今まさにAIで進んでることじゃんね?
上映時間180分。長い。どうしたって「長いなぁ」とは思うけど、退屈は全然しない。後半法廷劇のクライマックスが訪れるし、奥さんの証言シーンは、ここ数年経験した覚えがないほどのカタルシスで本当にぞくぞくと鳥肌が立った。原爆と使用を巡る云々と同時に「赤狩り」が思っていたよりずっと重要なシークエンスになってる。
IMAXは新潟ではそもそも音響が断トツなのでもちろんイチオシだけれど、他の映画ほどには必須感はないかも。縦長のレイアウトがあんまりないし横長になってもなんとかなりそう。
観ている間(ああここでインターステラーを、TENETを、ダンケルクを観てみたい〜)の思いがチラついていた。あとドゥニのブレードランナーとか。
原爆を開発するために人里離れた場所に村をまるごと作っちゃう成り行きは、どこか映画造りに似ていて既視感がある。だけどその「アメリカたる」既視感と、目的が原爆であることを思うたび、胃がぐるっとしてしまうのだ。
アインシュタイン最高。
クズキャラのロバートダウニーJr.。体型とか姿勢とか立ち居振る舞い含めて、まー凄い。圧倒された。今後も楽しみ。
ゲイリー・オールドマンって全然分からなかった…クレジット見て「え?」てなったよ
【観る前の「予習」について】
色々考え方はあるだろうけど、自分は鑑賞中に余計な「?」がアタマの中で続かずに中身に集中できたので、ある程度「この映画のつくり」を予習してから観たのが良かったと思っている。YouTubeを漁ると山ほど出てくる。
こんだけ知っておくといいと思うよ。
●オッペンハイマーとストローズがそれぞれどういう人かの概略
●映画はこの二人の公聴会が並行して進む。それぞれの公聴会が開かれた理由と、オッペンハイマーのタイムラインがカラー、ストローズのタイムラインがモノクロであること、カラーの方が1954年スタート、モノクロの方が1959で少し新しいこと、位で充分。
相変わらず説明が全然ない。年号さえも出ない!アタマの悪い自分は、予習無しで観ていたら、それはそれで得がたい映画体験にはなったと思うけど、始終アタマの中に疑問符ばかりで、もう一回観ないと全然分からなかっただろうな…。そうそう、2回観る余裕のある人は全然予習無しで良いのかも。
ちなみにNetflix『三体』のメイキングでは、オッペンハイマーの愛人に関わる、とあるエピソードが紹介される。ちょうどオッペンハイマー観た後だったので爆笑してしまった。
スレッズの仕組みがどうなってるのか知らないけど、最近オッペンハイマーの感想ばかり流れてきていい加減ちょっとうんざりしてきた。まったく気持ちの合わない人の感想って、時に疲れたりするよね…。だから、ちょっと書くのが遅くなっちゃいました。
何度も書きますが、傑作です。
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