TBSラジオがブーム

昨年秋から、TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル(通称タマフル)」のPodcastにハマっている。もともとは映画評論コーナー「ザ・シネマハスラー」を何かのきっかけで聴き始めたのがはじまり。元々映画は特に好きでないけど、見ていない映画を、そこそこのネタバレで「どういう映画なのか」「どうおもしろく、どうおもしろくないのか」を理路整然と語るその内容が衝撃的。衝撃的というのは大抵「悪いことも話す」からなのだけど、ウタさんもそう。

誰しも感想や評論で完璧にフェアになることはできない(そもそも誰から見てもフェアな基準なんてありえないと思う)のだけど、ウタさんは「自分のフェアネスはこうだ」「これはフェアじゃないけど、自分は好きだ」「物語的にはこういう理由でちゃんとしているけど、自分はこういう理由で嫌いだ」ということを、とにかく説明する。すべて説明しようと努力するそのフェアエスが信頼を呼ぶんだと思う。知ってからはすべてのバックナンバーをむさぼるように聴いた。タマフルを一躍有名にした?水道橋博士のこのべた褒め文字起こしは、ウタさんとシネマハスラーの魅力を非常によく表現していると思う。

このコーナーの影響で観た映画なんて、数から言えばいくらもない。そういうこと(映画のガイド)ではない。「評論トーク」という一つのエンタメとして成立させている。だから映画嫌いなオレみたいなのでも夢中になる。

書き忘れたので追記:映画の「好み」に関して、必ずしもオレとウタさんは一致しません。同じ映画を観ると「ええ?」となる時もあります。でもその場合でも「何故ウタさんがこの映画を好きか。評価しているか」を「説明している」ので、聴いていて楽しめる。最近はもうウタさんの傾向も分かってきたので、ハスラーから観る映画を選ぶようにもなってきました。

他のコーナーも聴いてみたら面白かった。特にジャンル問わずさまざまな業界の好事家を集めてテーマ沿って語らせる「サタデーナイトLabo」。ここでも、ウタさんの「できるだけ説明しようとする」スタンスが成功に繋がっている気がする。失敗もあるけどね。今年のテーマはこんなだ。→一覧へ

「マキタスポーツ J-POP解体ショー」「こちトラ ハスラーじゃ!by井筒監督」「タマフル 春の推薦図書特集」「トラウマ映画by町山智浩」「ロックスター特集 featヤナタケ」「東京国立博物館特集」「宇多田ヒカル特集」「コカコーラCM特集」「「町山智浩のザ・邦画ハスラー”崖の上のポニョ”」」などなど…

Podcastで聴く最大のデメリットは、著作権の関係で「音楽が流せない」こと。番組中掛ける曲は勿論、トークの後ろのBGMも、タイトルコールと一緒に流れる「じゃじゃーん」的なアイキャッチも、ほぼすべて流れない。だから最初はタイトルコールの後の妙な空白に戸惑ってしまう。

そのせいで「サタデーナイト…」でも、音楽関係の特集などはハッキリいってまったく意味をなさない回も多い。それが非常に残念。

だけど普通のトークで言えば、慣れると逆にシンプルで良く思えてくる。たまに通常放送を聴くと、バックのBGM、邪魔だな〜と感じるようになる。トークに集中できる。昔のAMラジオ好きの血が今ふたたび盛り上がる。

こないだのサタデーナイトLaboの「チーム男子特集 feat.福田里香」も爆笑の連続だった。

福田理香さんは、同コーナーで前回「お菓子研究家・福田里香さんに聞く!名作の裏に〝フード理論″あり!!」として初登場。『七人の侍』の各シーンを「フード理論でいうとこれだけ萌える」という、普通の映画ファンが考えもしなかった理屈で解説、そのカタルシスで聴いた人みな涙ぐませるという、鮮烈過ぎるデビューを飾り、タマフルの映画ファンの間にその名を知らしめた。

うって変わって今回の「チーム男子」は、腐女子とはまた違った文脈で、70年代から連綿と続く「女子が何に萌えるか」の根本的な解説を試みた(というようにオレは感じた)。ウタさんは面白いくらい漫画系オタク文化に暗く、今回もさっぱり共感はできずにいて、そこが当方としても少々じれったいのだが(なんでそこ分かんないの〜)、まぁウタさんは別としてもオレは十分に楽しみました。

福田さんの声のトーンがキュートで大好きだ(告白)。「分からない人に解説する時の整理の仕方」が、これもウタさんに似ていて気持ち良い(時にウタさん以上だと思う)。彼女は最近の民藝リバイバルの世界でも良く見るひとで、その立ち位置の頃合いの良さが好きだった。

これを読んで気になった方は「タマフル」是非聴いてください。過去の特集もシネマハスラーも、公式サイトからほぼ全部聴くことができます。

ウタさんが出ているのがきっかけで、月〜金の帯番組『小島慶子のキラ☆キラ』にも出会った。車の移動中は、この2番組だけあれば他はいらない状態。曜日代わりのパートナーと2人で進行するトーク番組。このパートナーもみな雰囲気がまったく違うのに、外れ日がない。すべての曜日が楽しみだ。

日替わりパートナー
月曜:ビビる大木
火曜:神足裕司
水曜:ライムスター宇多丸
木曜:ピエール瀧
金曜:水道橋博士

小島さんの「自分の考えの出し方」が心地よい。よく考えたら自分に似ている。「こんな話を目の前でされたら、オレだったら絶対こういう反応するな」というのを殆ど裏切らずにやってくれる。

前の番組「ストリー厶」も素晴らしい番組だったけど、小島さんの「キラ☆キラ」になってからも全然違う意味で掛け替えのない番組になったのではないだろうか。時事ネタから日々の瑣末な生活ネタ、サブカル、映画、音楽まで、パートナーの多彩さとセレクトの妙で、あり得ない広範囲をカバーしている。結果、ストリームよりもこっちの方が好きになった位。小島さんとは1歳違い(ちなみにウタさんとも1歳違い)。世代の近さもあるのだろう。

そんなこんなで、伊集院光氏や島本和彦氏(終了)以来のPodcastブーム。テレビも観れない今、トークが一番面白い。

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ちなみに自宅だとRadikoの地域制限が外れて聴けるんだけど、殆どリアルタイムでは聴かなくなった。車の移動中、iPad2とドコモのポケットWiFiでダウンロードしつつ聴いてる。好きな時に好きなだけ、次に空いた時間には、その続きから聴ける。慣れてしまうとあまりにも便利で、放送時間に○○をやめて聴き入る、ということができなくなる。そもそもラジオを聴く一番幸せなシチュエーションは車か電車で、電車に乗らない以上、車がベストなのだ。

テレビも録画以外観なかったし、いずれも「即時性」がなくなっているね。オレの場合。そういえば地デジになってからはその仕組み上、時報が流せないそうだ(タイムラグが生じるため)。即時性を一番感じるのはなんと言ってもTwitter。早ければで全国各地の反応が見れる。これは革命だった。テレビの地震速報より早かったりするものね。

どんどんメディアがその性質を変えていく。飛びつきがちな新ガジェットもそうだけど、過去からもし未来を見れたら、こういう変化って面白いんだろうなぁ。

iPad2のレビューは今書きためています。後ほど。

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