安野モヨコって、ラーメン屋のヤンマガ(多分)で『花とみつばち』とか読んでてどーも好きじゃなかった、つか「まったく気にならない類いの漫画家」だったんです*。ほぼ喰わず嫌いで。でも『CONTINUE』で『働きマン』が特集されてて、ものすごくオススメされてたのでこりゃ良い機会だオレもちったぁトレンドに乗らねばと思いイザBOOK OFFへ行きましたよ。『働きマン』1〜2巻をゲッチュ。以下好きな人は読まないでください。気分悪くなると思うし。
*庵野監督のギャグマンガはオモロかった。
結論からゆうと、やっぱりダメでした。トレンド。いや安野。もう1巻の途中で「あーもう読まなくてイイやー」って思っちゃう。なんでだー。なんで乗れないトレンド。
●絵が嫌い。どーも中途半端、つか好き嫌いの問題なんで、すまん。
●雑誌編集部が舞台、って瞬間にざざっと思いつく程度のお話ばかり。要するにストーリーを追ってるだけではどーにも浅く見えてしまいます。
キャラにも深みは感じられないし、プロット以外の魅力も(まー「雰囲気」とか「間」とかそーゆー類いのモンでやっぱりコレも好き嫌いの問題かも)感じられない。
同じ舞台のお話をオレの好きな逢坂みえ子とか西村しのぶとかよしながふみとかが書いてくれたらぜってーコレよかオモロいですよ。そう考えると何となく分かる。この作者ならではとゆう、ツボを突く人間洞察がないんだ。この作者の「人間の見方」が、浅く思えるんだ。ストーリがーがツマランとは別に思いません。だけど続きを読みたいとも思わない。なんか想像ついちゃう。「男モードON」とかさー、何いまさらって思う。こうゆう業界の話だったら、そんなコトはもう前提(アタリマエ)で、もうちょっとその奥を語って欲しいと思わない?なんかワザっと「オヤジ雑誌ってこんなレベルでしょ?」みたいな気分を感じてしまうんです…。
※西村しのぶは「人間洞察」とはちょっとちゃうかもね…
うーん。少女マンガ好きだからこその好みなのかなー。モーニングでこのマンガが人気あるって、なんか寂しい。雑誌は読まないけどモーニングの単行本はいっぱい持ってるし、なんとなくレベル高いと思ってたのになー。
『CONTINUE』にせよ他の雑誌にせよ安野モヨコのインタビューっていくつか読んだことあるんだけど、どこでも「ウケを考える」プロとしてのキチンとした姿勢が語られてるし、編集者の評判も良い。「だろうなー」と思う。きっと少女マンガ青年まんがオヤジマンガコジャレマンガそれぞれの媒体ごとにターゲットを研究して(雑誌が一番と言ってるし)完全に「ウケる」マンガを描いてる作家さんなんだろうなーと思う。そうゆう上手さは『働きマン』を読んでてもひしひしと伝わってくるモン。
結局何が書きたかったかとゆうと、『働きマン』にはツボを突かれることがまったくなかった、ということ。そして『CONTINUE』のインタビューに答えていた、「発表する場も決まっていないマーケティング抜きで純粋に自分のためだけに書きためているマンガ」を一度読んでみたいってことです。それ読んだら少しは印象変るのかしら。
–安野先生にとって、「目指しているマンガ」の姿って、どんなものですか?
安野 うーん、どんなのだろう。私はコアなマンガ読者だけに受けるものだけじゃ、マンガは外に出られないと思うんですよ。もちろんコアな人に受けるようなマニアックなマンガがあるのは素晴らしいことだし、多くの読者じゃなくても、読者に向けて全力で描いて、少ない読者が全力で指示してくれるみたいなマンガは良い作品だと思う。でも、もっとマンガを意識していない普通の読者に届いてこそ、だと思うんですね。そうじゃないとメガヒットしないし。でも、いまのマンガ業界っていうのはコアなものを評価して、普通の人に届くものを黙殺する傾向があると思うんです。年々コアな部分と世間との温度差が開いているような気がして、私はすごく嫌なんです。
〜『CONTINUE Vol.30』安野モヨコ・ロングインタビューより〜
参考までに。この引用部分の前後、どこを読んでも「メガヒットするためには」みたいな文脈はありませんよ。いきなり出てきた単語。