昨年から始めた映画の記録。年末の映画仲間とのベストを語る吞み会も盛り上がりました。吞み会の時に忘れていた『風の波紋』『クリード』なども追加。
2015年ベスト映画の記事は→こちらです。
2016年に映画館で観た映画は19本(昨年は15本)、テレビで観た映画は25本(昨年は44本)。公開年などは関係なく「2016年に観た映画」です。地デジはなくAppleTVなのでドラマはネットやオンデマンド鑑賞。数字は観た日付。
1
『この世界の片隅に』シネコンで2回鑑賞 11.11
映画でここまで感情が揺さぶられた経験はないように思う。初見、最初にすずちゃんが舟に乗るシーンから何故か泣けてしまってしょうがなかった。こうの史代さんは好き嫌いで言えばとんでもなくお気に入りの作家さんという訳ではないし、きっとこれからもそう。それは書かれているテーマにいつも挫けてしまう自分がいるから、なのかも知れない。語りたいことは山ほどある気がするが、映画館で配られた感想メモには、制作者への感謝の言葉しか書けなかった。このような作品が2016年に産み落とされたこと、口コミで異例の右肩上がりヒットになっていること、本当に嬉しい。そんなには悪くない時代だと思える。
2
『オデッセイ』シネコンとiTunesで計3回鑑賞 2.4
原作は昨年No.1のイキオイで面白かった。映画がさらにその上をいくかといえばそうでは無かったけど、映像のオモシロさを加えて、プラマイ総合得点で言えば同じくらいの満足感はあったよ。配役はすべてがこれ以上ないベストキャスト。『アポロ13』+ギャグ、という方向性も、美術も演出も見事。初見は原作からカットされたアレやこれやが気になったけど、トータルで見たらやっぱり傑作だった。最初間違って4DXで観ちゃったら宇宙酔いまで疑似体験しちゃうというオマケ付き。
2
『君の名は。』シネコンで2回鑑賞 9.10 感想
娘二人と観に行った。泣いて泣いてしょうがなかった。すべてのドラマの中で最高の感動は「時間」である、という持論をまた強化させてくれる見事なSFでした。お馴染みの新海テイスト(正直最近は「ああハイハイ」的な印象)はすべて入れ込んであるのに一見してそうは感じさせない、まるで生まれ変わったの?と思わせるメジャーへの大転換。細田守にイラッとさせられるポイントを、逆サイドから来た新海誠が見事にかっさらっていった。こうあって欲しかった「時をかける少女」「サマーウォーズ」がここにある。(細田守、完敗じゃん…)と映画館で思ったこと今でも覚えている。そして二人の俳優のすごさ!神木君は本当に神レベルだけど、ちはやふるに続いて上白石ちゃんの凄さが完全にカミングアウトされた2016年でした。のんちゃんと当作の二人の声仕事はあまりにも圧倒的で、ジブリの俳優起用がこれまでな〜んかいつも賛否両論だったりしたのと比べると隔世の感。本当にすごい俳優は声優やってもすごいんだな。
4
『ちはやふる〜上の句』シネコンとBDで計3回鑑賞 9.10
見事なエンタメだったなぁ。まずイントロからタイトルまでのグラフィックのセンスで、決定的に傑作の予感。広瀬すずは言うに及ばず、机君も肉まん君もすばらしい(再見時は特に肉まん君の演技の大切さに気付いた)。百人一首の歌の内容を伏線にするアレ、もうダメ。泣けて泣けて。上の句は机君が主役?と思えるほどのクライマックスの高揚感。下の句への見事なつなぎからエンディングへの流れも見事。ああすべての日本セーシュン映画がこの位のレベルであったなら!『海街diary』とは全然違う広瀬すずに心底驚かされた。すごい女優。
このイキオイで下の句を観た当初は、かなりつくりが違うこともあって正直あまりピンとこなかったけど、iTunesで見直したら下の句もこれはこれでしのぶちゃんが素晴らしくて好きになった。
4
『キャロル』シネコン 4.2
ゾクゾクしっぱなし。映画のすべてが美しいのだけ ど、ケイト様の存在があって初めて完結する。
6
『駆け込み女と駆け出し男』iTunes 2.14 感想
1/3位は聞き取れない江戸言葉でどんどん物語が進む。やけにリアルな美術と相まってぐいぐいと引き込まれる。女性陣が皆気持ちいい。最後の侍女子と鉄鋼女子のバディ感で絶頂に。大泉洋は見事なハマり役。原作も読みたくなる。ちょっと不思議なぶつ切り編集がたまに気になるけど、それも含めて個性かな。所作が粋で気持ち良い。樹木希林も見事。
6
『カンフーパンダ1〜3』hulu、Netflix
「1」の公開時はナーメテーターのでまったく無視していた(シネマハスラーで「カンフー」と付く長駄作映画がいくつも出ていたこともあり)映画だけど、今年1、2と観て、くそったれなことに劇場公開しない3を観るためにNetflixに入会までさせた超良作。実写含めこれほど気持ち良いカンフーアクションがあるだろうか。シリーズを重ねるにつれ通常はパワーダウンしていくものだけど、今作は1から2になった時のスケール感の増し方、それでいて密度が下がっていないところなんか、まさに理想の『2』と言える。3はちょっとダレるけど、それでも傑作の部類
6
『きみはいい子』iTunes 7.13
美しく、丁寧。一緒に見た妻は「小学校知らなすぎ。先生達のダメっぷりも生徒たちのダメっぷりもおかしい。現場なめすぎ」と言ってたけど自分は全然気にならなかった。障害児役の加部君ほんとにすごい。池脇千鶴も。すっきりは全然しない映画だけど、好き。
9
『ブリッジ・オブ・スパイ』シネコン 1.20
ひたすら淡々としている。アカデミー賞をとったソ連のスパイ役は、初登場シーン、ただ絵を描いているだけですごい存在館。音楽もいい。あと「不安はないのか」「(それが)役に立つか?」というやり取りとか、バーで「お前はドイツ系だが、おれはアイルランド系だ。我々が同じアメリカ国民なのは合衆国憲法というひとつの規則があるからだ」とCIAに言い放つ主人公弁護士(トム)の信念とか、ひたすらに一市民としての挺身を求められ、それに答えるストーリーとか、どれもこれもぐっとくる。トムはやっぱすげえ。
9
『シン・ゴジラ』シネコン 8.1
メモがなくあまり覚えていないが、絵の凄さに驚愕した。泉(松尾諭)と尾頭ヒロミ最高だった。ゴジラの最初の登場には驚いたけど、アレは公開までの情報制限あってこその驚きだよね。すごい。今年はあまりに話題作連チャンで、当作を二度観に行けなかったことが悔やまれる。
11
『選挙フェス!』自主上映会 3月
選挙のシステムを撮ったのもじゃなく、一人の「三宅洋平」を撮った映画だった。老若男女を惹き付けるカリスマというモノを目の当たりにした実感。歌だけじゃないと思う。
11
『PET』シネコン 8.13
家族で大好きなイルミネーション制作。期待通りの気違いバカ映画。楽しめました。
11
『リップヴァンウィンクルの花嫁』iTunes 9.5 感想
開始一時間くらいまで本当にケッタクソ悪くて観るのをやめようかどうしようか迷う程だったけど、ある場面から物語は急展開し、それまで溜めた分を吐き出す爽快感も大変に気持ち良くて、基本的にはそのままエンディングまでつっぱしる3時間。しかし最初の1時間、長くね?
12
『風の波紋』シネ・ウィンド 5月頃
映っているひととカメラのこちら側の関係、映画製作者とスクリーンのこちら側の関係が、時に曖昧だったり時にあっちとこっちに振れるのが気持ち良い(最後の歌もね)。何も訴えかけていないように作られているけど、映画の中の多くのことが忘れられずに今も頭の中で進行していく。 パンフレットの内容がとても充実していて、映画の見方がさらに豊かになる。心地良かった。
他良かった映画
『クリード』『恋びとたち』『コードネームUNCLE』『スタートレックBEYOND』『コンスタンティン』←観るの5回目位。大好き。
ドラマ
『あさが来た』NHK 〜3月
すっかり前のことだと思っていたけど、『あさが来た』は今年か!ハマったハマった!当ブログでも感想記事を沢山アップしています(→
)。あらためて「役者の力」「演技の力」を考えさせられた作品。出てくる登場人物皆が好きでした…。
ドラマ
『重版出来!』TBS 4〜6月
TVドラマ生涯TOP3に入るイキオイで好き(他は「王様のレストラン」「JIN」)。毎回泣かせる。特にムロツヨシが田舎に帰る回は滂沱であった。黒木華もすごかったけど脇を固める人たちが皆すごい。脚本、演出、美術、とことんまで愛情が感じられる。
ドラマ
『べっぴんさん』NHK 10月〜
Twitterでも散見される意見。今回の連ドラは「カーネーション」「あまちゃん」「あさが来た」のような熱狂的なハマり方ではない。でも大好きで観てしまう。「見守ってる」という体験?色々と脚本の細部がちゃんとしていて、信じられるドラマ。←これは本当にすごいこと。朝ドラ傑作に通じる「無言の演出」もちゃんとしている。
ドラマ
『逃げるは恥だが役に立つ』TBS 11月〜12月 感想
毎回キュン死しているアレだけど、実は脚本も見事。夫婦の問題、職業の問題、女性の生き方問題などを軽〜いルックに隠れてちくちく批判していたり、それらに静かに対抗している人達をあたたかく描いたり。ちゃんと丁寧に作られていてこれも「信じられる」ドラマ。
ガッキーのこと全然知らなかったけど、こんなとんでもない役をやってシラけさせないってかなりの演技力。星野源とガッキーあって初めて成立するドラマであって、これも10年くらいは出てこない類いの珍作じゃないだろうか。自分が少女漫画好きって改めて実感できた。
〓〓〓〓〓ヤだった映画〓〓〓〓〓
『ヴィジット』けったくそ悪い!『レヴェナント』ひたすら辛いだけ。最後の最後までただ予想通りの映画。画のすごさが重要なんだろうけど、テレビではいかんせん
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