我が家のキャンドルナイトはロマンチックでもなんでもなく、家計の窮乏と大地震の対処の話で2時間過ぎましたが。それはソレとして。
BSマンガ夜話見終わりました。今回は『へうげもの』と『ハチクロ』というすげぇラインナップでしたが、内容も期待通り!それぞれに満足させていただきました。
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『へうげもの』
●勉強の入り口としてこのマンガは大変優れている上に、かなり本質に近いトコロを理解できるから凄い、という山田五郎氏の話が嬉しい。
●元々ワビサビには一番遠い絵柄である山田芳裕氏がこのテーマを書くに際しての、特異な手法や、工夫の数々を再確認。
●青木雄二に似てるのはすぐ想像付くが、「どおくまん」という名前が出てきた時にハタと膝を打った(笑)ね。現代的に(山田氏の方が)ずっと洗練されてはいるけれど、確かに通じるトコロがある。
●『度胸星』の打ち切りのコトに少しでも触れていてくれたのが嬉しかった。あのマンガの考証って素人目にもスげぇなぁと思ってたけど、岡田斗司夫をして唸らせるってのは本物なんだろうね。あーでもSFマニアでアポロ食玩の考証やってた「岡田斗司夫」はあのデブっちょのオタクさんで、眼鏡かけてこじゃれたエセ文化人的な彼じゃないんだよなー。アタマの中で実は別人扱いしてる自分に今気付いた。
『ハチミツとクローバー』
●大絶賛大会でしたね。
●おじさん族は「70年代80年代マンガのように懐かしい」の大合唱でしたが。浅く通り一遍の読み方でもそれなりの(「恋愛マンガ」としての)ふわふわした印象を残すし、深く読む人たちにはずっと深い答えを与えてくれるマンガである、というまとめが気持ち良かった。
●オレ的に『ハチクロ』は仕事マンガだと思う。「仕事をちゃんとやるって素晴らしい」って話のような気がする。仕事を通して人生を語る、って事かも知れない。
●岡田斗司夫のはぐちゃん分析が、番組内ではあんまり賛同を得られなかったけど、オレはかなりぐっときた。曰く、はぐちゃんは創造モンスターで、結局他人のことも創造の糧になっている間は付き合っていくのだけど、それが糧にならなければすぐ捨ててしまう(そういう自分が怖い)。宝物のような大学生活を終えた後もあっさり長野に帰ると言う。修ちゃんに「あなたの人生を私にください」という、女性ではなくオッサン的な告白をするのもそう。そんなはぐちゃんが唯一人間になれた4年間を描いたマンガだと、いう話。彼女が見た神様も「光」として表現されているが岡田には「闇」に見えてしまうという。そんな読み方に一瞬浸って、ずず〜んと暗くなってみるのもオモロい。
●今回ゲストとして佐藤大が出たのは大きいねー。アニメ夜話では随分見る顔だけど、マンガ夜話は初めてだったんだ。夜話は出演者が視聴者に対して、いかに「そうそう、そこがイイんだよねー」とう「共感カタルシス」を与えるかが重要。その表現力も求められる。だけど読み込んでいない人間が共感を求めても、すぐバレて冷めちゃうんだ。佐藤大は夜話のゲストとしていつも素晴らしい仕事をしています。
●『ハチクロ』=『自虐の詞』論ってのは思いつかなかった。今度そういう目線で読み直してみよう。
●でもいしかわじゅんってさ、いつも結局大したコト言ってないよね。
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shiroはマンガ好きなんですが、いつも「どんなマンガを読む人なのか」という自己紹介の仕方に困っていて。最近は「講談社モーニング・アフタヌーン系が好きです」とかも考えたけど、それでは少女マンガが全然外れちゃって、つか「少女マンガ」ってよりYOUやコーラスのマンガをどう表現するんだ、「青年マンガ」の女版で市民権を得ているジャンル名って無いよなー、とか。
でも間違いなく読まないマンガはいくつか挙げられるんです。「(少年ジャンプに代表される)アンケート重視系週刊少年マンガ」と、「恋愛のみがテーマになっているマンガ」ですね。純粋な「恋愛マンガ」は読みません。当然『ハチクロ』は全然違うと思っている。
そういう目線が夜話出演のオッサン達と結構同じで気持ち良かったです。
放送を見たウミノさんの感想がwebに書かれているのですが、作家さんって、自分の作品の細部、例えば構図から想像される作者の意図とか、すごく分かりにくいけど潜ませた伏線みたいなモノとかを読み解かれるのって相当に嬉しいんでしょうかね。だとしたら『へうげもの』の回を観た山田芳裕さんはどう思ってたんだろうかと思いました。
自分のマンガのいたらない所は、本当に,たくさんあって
それは自分でも思い知っていて
本当に日々「どうやったらそれを克服できて、面白いものが描けるか」と
ぐるぐるしてばかりででも、なやみ過ぎるといつか描けなくなってしまう日が来るのも感じていて
でも、そんな風に悩んで諦めそうにしまった時には
夕べの放送のDVDを見返して、目指す方向をもう一度刻んで描いてがんばり直して行こうと
思いました宝物にします
(中略)
辛くなったら何度でも見返して
マンガ道をがんばって歩いていこうと思います本当にありがとうございました
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